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ゼロイチインタビュー#3 「無知を知る!とにかく行動!がモットー。仲間と支え合いながら、事業をゼロからイチに育てた。」ハチドリソーラー代表 池田将太さん

こんにちは!『ゼロイチ』社会起業家アクセラレーションプログラム運営事務局です。これまでのインタビュー記事はいかがでしたでしょうか??社会を変える新たなイチを生み出す挑戦をしている先輩社会起業家から、多くのエネルギーが伝わっているかと思います。
第三回は、ハチドリソーラー代表の池田将太さんです。

インタビュー第一回 PoliPoli代表 伊藤和真さん

インタビュー第二回 Sisters Inc.代表 鈴木彩衣音さん

ゼロイチとは?

経済産業省、ボーダレス・ジャパン、リディラバが官民連携で行う、若い世代を対象とした社会起業家アクセラレーションプログラム。約7ヶ月間にわたる集中プログラムを通して、社会課題を解決するサービス/プロダクトを形にするサポートを行う。(https://01zeroichi.jp/) 現在、記念すべき第1期生を募集中。

池田将太さんプロフィール

1998年生まれ。千葉県船橋市出身。ハチドリソーラー株式会社 代表取締役。大学在学中にミクロネシアの環境問題に触れる。以降、2年間にわたりミクロネシアの環境改善活動に取り組む。2021年10月にハチドリソーラーを設立。起業から10ヶ月で黒字化を果たす。
池田氏Twitter:@shotapeople

ハチドリソーラー株式会社

初期費用ゼロ円で始められる太陽光発電を販売。日本の自然エネルギー普及率を上げることで持続可能な社会の確立を目指す。国境を超えて転用できるビジネスモデルを構築し、日本と同じようにエネルギー自給率の低い国へ技術転用することが目標。
Webサイト:https://hachidori-denryoku.jp/solar/


お世話になった島民に恩返ししたいという想いが、社会課題に取り組むきっかけだった

―最初に池田さんが社会課題解決への取り組みを始めたきっかけを教えていただけますか? 

僕はもともと、高校まで野球しかしてこなかったんです。でも、挫折してしまって。その後大学に入学してなんとなく日々過ごしていた時に、教授に「あなたは若いし、パワーがあるんだから、社会のためにいいことしなさいよ」と言われました。

その教授に誘われ、ポンペイ島を初訪問。島に着いて視察していると、環境問題の影響が至る所で目につきました。例えばもともと自給自足の生活だった所に、輸入品がどんどん入ってくる。でも、ゴミ処理施設や制度が整備されていなかったから、ゴミで国土面積が広がっているという状態でした。他にも、ポンペイ島って人口流出がトップクラスの地域と言われていて。多くの島民が、島には仕事がないからとアメリカに移民していました。

ポンペイ島は日本と比べて物や制度は整備されていなかった。でも、島民はみんないい人ばかりで、すぐその人たちが大好きになりました。そんな中、現地で仲良くなったみんなでお酒を飲んでいるときに「社会活動をしているんだ」っていう話をしたら、「じゃあ、あの人に会っておくといいよ!」と言って色んな人を紹介してくれたんです。JICA事務所の人や、現地の偉い人、大統領にも会いました(笑)。

 ―大統領にまで会ったんですか、、、!なぜ現地の人たちは紹介してくれたんですか?

完全に優しさだったのかなと思います。せっかく日本から環境活動をしにきてくれている若者にいろんな人に会わせてあげようというような。日本で過ごしていたら信じられないですよね。誰か知らない人がきたときにそこまでやってあげる寛容さと心の豊かさに驚きました。

僕は日本にしか住んだことがない上に野球しか知らなかった。そんな僕でも少し良いことをしただけで、国境を超えて喜んでくれる人がいたり、感謝したりしてくれる人がいる。
そこで彼らのために恩返しをしたいと思ったし、そこになら野球に変わる情熱を注げるんじゃないかって思ったんです。もうやるしかない!って。

起業しようと思った当時は右も左も分からない状態だった

―その想いからすぐに環境問題に取り組むためのビジネスを始めたのですか?

いえ、当時は社会課題解決や国際協力するならJICAや青年海外協力隊しかない!と思っていました。実際に日本に帰ってきてからは協力隊の合宿に頼み込んで参加させてもらったりもしました。それくらいの熱量がありました。

転機となったのはミクロネシアでの活動が2年目に差し掛かったときでした。当時は大学から補助金や助成金をいただいて活動を拡大させていたんですが、突然大学から「活動に関する補助金を打ち切ります」という話があったんです。最初は「じゃあバイト増やして頑張るか!」という感じだったんですが、やっぱり限界があったんですよね。その時に、ボランティアっていうのはお金を持ってる人が僕らに活動資金をくれて、それを使って僕らが誰かを助ける形であることを実感したんです。ボランティア自体はとても尊いものですが、活動の持続可能性を考えると、ボランティア以外の形での社会貢献も考えないといけないといけなかった。そこで「ビジネスを自分の活動に活かせないのかな」と思ったんです。

―そこからはすぐに自分で事業を立ち上げようとされたんですか?

はい。当時、僕たちはミクロネシアで廃材のタイヤを使ってサンダルを作るアップサイクルプロジェクトを立ち上げていました。それを思い出して、「あ、これをビジネスにできないかな!?」と思ったんです。

それからはすぐに行動に移しました。起業するなら、まずはお金を集めなきゃいけない。そこで、一番最初に僕が口座を持っていた銀行の窓口に行ったんです(笑)そしたら「すみません、ここではなく担当部署にアポをとってください」って言われて、そのまま何もできずに帰ることに。
次に誰かから聞いた「ベンチャーキャピタル」に行きました。そこでも「事業計画を持ってきてください」と言われたんですが、当時の僕は何も分からない状態で、「それ、なんですか?」って聞き返したんですよ。そしたら「PLと…」って言われて、「何ですかそれ、わかりません」としか返せませんでした。やばいぞ、なんかわかんないことが多すぎて起業できないぞってなりましたね。

―銀行やVCを回って断られて、「自分には無理かもな」とは思わなかったんですか?

自分がこんなにも物事を知らないのかということに大きな衝撃を受けましたが、分からないことを知る面白さもありました。だから、辛かったり、落ち込んだりとかはなかったです。できないことはしょうがないので、勉強して教えてもらって出来るようになるだけかなって。

実際にそこから勉強するためにいろいろな社長に会うことにしたんです。その後出会った社長の会社で1年間インターンをさせていただき、経営者向けに営業をする中で、なんとなく世の中の事を学びました。

あとはインターンでお世話になった兄貴分的な存在の上司も大きかったです。「分かんないことがあったら分かる人に聞けばいいんだ」が口癖の人でした。だから分かりそうな人を見つけて、その人に頭を下げて質問しに行っていました。分からないことを分からないと言うのは恥ずかしいことではないんです。誠意をもってお願いしたら、大体みんな教えてくれるというマインドで、聞きまくって勉強しました。知識が足りないことを自覚すると「自分でちゃんと勉強しないと」と考える人が多いですが、個人的には人に話を聞きに行く方がいいと思っています。人から話を聞いてからすぐ別の人に会うことで、聞いた話をすぐにアウトプットできるため圧倒的にスピードが早いです。

『誰の、どんな課題を解決したいのか』が見えていなかった

―その後ソーシャルビジネスや社会起業を知ったきっかけはなんだったんですか。

インターンの経験自体は学びの多いものではあったんですが、本当に自分のやりたいことをやっている感覚はなかったんです。僕は就活もしていなかったので将来どうしようと悩みました。色々自分の中で考えながら、「国際協力×ビジネス」というキーワードで検索していたら、たまたまボーダレス・ジャパンの田口代表のTEDを見つけて。そこからすぐに電話とメールをしました。そして当時は募集していた起業家育成プログラムがあったのでそれに申し込みました。

エントリーに必要なソーシャルコンセプトシートには「ミクロネシアのゴミ問題を解決するために、アップサイクルのエコバッグを作って売ります」と書きました。ところが審査員の方に「そもそもそれは誰のなんの課題なの?」って言われてしまって。僕はそのとき困っている人の顔が見えてなかったんですよね。それを課題だと思っているのは僕であって、本当にこの問題で困っている人は誰でなんだろうと考え直す必要がありました。

元々の事業テーマを「環境問題」にしていたんですが、その後考え直していく中で、「人の流出」に変わったりして。最終的に「エネルギー」に行きついたのは、人が出ていってしまうのが課題だって気づいたからです。本当は島で働きたいんだけど仕事がない。そこで、エネルギーで雇用を創出するビジネスができたらいいなと思いました。特に環境問題って大きな課題だからこそ、誰の課題を解決するかが見えにくくなってしまうと思うんです。そんな時は未来の人のことを想像してみるのがいいのかなと僕は考えています。

仲間は一生の宝、志を共にする仲間を作ってほしい

 ―ここまでお話を聞きながら、池田さんの行動力がとても魅力的だなと思いました。実際に事業を立ち上げてからは、池田さん一人で進めてきたんですか?

いえ、学生の時からの仲間と共に進めてきました。本当にここまで来れたのは、チームのおかげだと思っています。僕の「代表取締役」という肩書はただの役割でしかなく、チーム全体でお互いをカバーして仕事を進めているんです。僕は、事務作業とか細かい作業が苦手なんです。逆に、フロントに立つような営業などの攻めの仕事が超得意なんです。それを、チームの仲間はみんなわかってる。だから、しばらくすると「お前もう、その事務仕事はやんなくていいんじゃない?」って言うようになりました。僕の特性をわかった上で、「ここはあいつがやるべきじゃないから、俺らがやろう」って。

 ―個人の得意を生かして、会社全体で最適化しているんですね。

 ビジネスの勉強は、いつでもどこでもできると思うんです。でも仲間と一緒にやれるのはすごく貴重です。僕が大学に行ってなかったら、多分今の会社はできていません。起業する上で、仲間の存在がすごく大きかった。同じ志を持ち、社会問題を解決したいっていう仲間と共に、切磋琢磨できる期間があることはとてもいいことなんじゃないかと思います。このゼロイチプログラムの特徴でいうと、個人的には「ビジネスを勉強できる」こと以上に、「一生の仲間に出会える」ことの価値もあると思っています。

分からないことを恐れず、とにかく行動すること

―ありがとうございました。最後にゼロイチプログラムへの参加や社会起業を考えている学生にアドバイスをいただけますか?

一つ目は無知の知です。自分は無知であるっていうことを心底自覚した方がいい。僕は、本当に自分は馬鹿だなって思ってたからこそ開き直れた。逆に、ある程度の知識は持っておかないといけないと思いすぎると、わからないことをわからないと言えなくなる。これはすごい機会損失だと思うんです。
 
二つ目は、足を動かすこと。「行動!行動!行動!」です。「即断・即決・即行動」が今でも自分にとってのテーマです。一つ目とも繋がりますが、分からないことはすぐ聞きに行く、これだと思ったらすぐ試す、みたいなことを大事にして欲しいなと思います。 


🔹応募締め切りまで残り僅か!ゼロイチ参加者募集中!

7/2の応募締め切りまであと5日になりました。
ゼロイチは現在参加希望者向けのプログラム説明会を開催しています。
 
▼開催日時
6/27(火) 19:00-20:30 オンライン開催
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