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忘れた
自転車の鍵を忘れたことで、バスに乗ることになり、なんやかんやでマクドのひとつ110円のケチャップの味しかしないハンバーガーを食べた。風が吹けばファストフード店が儲かるのだ。
鍵の他に今日はイヤホンも忘れた。突発的な意識の逃げ場が作れない事で、今日は余計な思索に縛り付けられてしまい、せっかくのエッセイの中身も筒抜けだ。
急停止と急発進と小刻みな加速を繰り返す市営バスに揺られているうちに、体の中で揺れる何かを不意に吐き出してしまいそうになった。慌てて胃に押し戻した時に、ふと目に入った後部座席の乗客は皆うなだれていた。
夜9時、生きた心地のしないバス。つぎ停らないでいいから、このまま。
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