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春とニアミス

 春の気配がする。確かな物証はなくとも、それは誰にでも感じられる。冷え込んだ週末が明け、冬を抜け出そうとする私の身体はほのかに火照っていた。

 掠れた日記を読み返すような、不明瞭な日々が続く。新たなページに書き込もうとするも、その筆が動かない。振り絞って書き出した1行や2行の言葉も、やがては掠れた単なる文字列になるのだろう。

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 それにしても今日はかなり暖かった。インナーダウンがかなりオーバースペック気味に感じたほどだ。今年の冬はどちらかというと暖かい日が多かった気がする。季節なんてのは、いざ終わってしまえばなんてことのない、ただの節目なんだ。

 脱皮の時期が来たか。纏う衣を一枚、薄く剥ぐ絶好の機会かもしれない。春はもうすぐそこ、それとも?


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