現実離れした現実から現実逃避
旅先からコンニチハ。世はオリンピック2020開会式、あまりにも現実離れした現実に戸惑っていた世間も、そのムッとした熱気にうなされて、それとなく人々の心が動き始めたような気がした次第でございます。
当の私はと言いますと、旅先の質素な四畳半で、お茶をグビリと飲みながら開会式の様をテレビで見たり見なかったりしています。
さすがに3連続でティーバッグ氏を登用すると出るモンも出なくなってくる。アメニティで備え付けてあったティーポットでアッツアツの湯を注いでいる。もう投げられません、と悲鳴を上げているようだ。
薄いお茶で指を結って〜、一番茶と出涸らしの間の中途半端な三番茶をすする。温度が熱けりゃお茶なんて幾分マシだ、味なんて濃けりゃ濃いほど美味く感じる。
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ここ数日の規格外の暑さと湿度に完全にヤられてしまった。マスクのせいもあって、"夏"ってのを凝縮して口にグイと押し込まれているようだ。今日はもう歩き回って疲れてるし早く寝たいので、一刻も早くこの筆を折りたい。
疲れてるなら止めれば?と耳元で誰かが言う。打ち上げ花火、東京だけぶち上げてズルい。上からも下からも日本各地からも、そしてアナタの横からでも見たい。
饒舌ではあるが、確かに疲れてる。
ひとり旅ってのは、基本的には気楽で楽しいが、もちろん疲れることもある。人間ってのは、無秩序が幅を利かせすぎている状況になるとその反動で、ある程度の秩序を求めるようになる。ひとり旅を甘く見ることなかれ、お前はきっとひとりにはなれない。どこまでも私は私だから。
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少しくらい、現実離れした現実から現実逃避を、したっていいじゃない。
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