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エンジニアにとって大事な能力を育むには?

エンジニアにとって大事な能力はなにか。
そしてそれはどうすれば育めるのか。私なりの考えを書いてみる。

ここで言うエンジニアとはITエンジニアだけはなく、機械であれ、電気であれ、化学であれ、ITであれ、モノを作る技術者のことを指す。

僕が新人の時、実験データの解析を任せられた。制御ソフトが期待通りに動いてないから原因を突き止めてほしいと。
その時僕は実験データの数字だけを見て、パターンを探し、ああでもないこうでもないと上司に報告していた。結局本質には辿り着けなかった。

思い返せばあの時本当は、実験データがどういう場面で取られたのか、制御ソフトの背景にある制御理論は何なのか、制御ソフトの演算はどうなっていて、どのようにして測定データに表れているのか。
これらを理解してからデータをみて、本質を想像する必要があった。データのパターンを見てるだけならAIと同じだ。

エンジニアにとって想像力はとても大事。
測定データはただの数字の羅列である。そこから実際にはどんな事が起こっているのか、どれがノイズでどれが重要な現象なのか、どんな物理現象が起こっているのか、色々想像し、理解する必要がある。

何かを設計するときも同じ。この数字を2から3に変えたら製品を使うお客様にどう影響するのか、使いやすくなるのか悪くなるのか、お客様はどんな使い方をするのか、お客様に価値を生むのか。色々想像必要がある。

妄想ではない。脳内シミュレーションとでも言おうか。
この想像力によるシミュレーション能力を育み、精度を高めるには、色んなものを見聞き、体験して経験を増やす必要がある。人間の脳とはそういうもの。
蓄積された情報、過去の経験から驚くような速さで想像することができる。
だからエンジニアこそ外に出て物事を観察したり、読んだり、人と話したりして経験値を増やすとよい。

コンピューターによる数値シミュレーションのように定量的ではない。
ちなみに数値シミュレーションは本質的に人間が書いた数式と、与えた境界条件を元に計算を代行しているに過ぎない。だから良い数値シミュレーションをするためにも、想像力はとても大切である。想像外のことは計算外だからである。

日本の特にコンシューマー製品の斜陽はエンジニアの体験の乏しさによる所があると思う。
朝8時から11時まで会社にいて、家事も子育てもせず会社の中の体験しかない。だから日常生活で製品がどう使われるか、何に困ってるか、何があると嬉しいか、消費者の目線に立って想像するのが難しいのだろう。


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