絵本はまるでパッチワークのように
ちいさい時、こぞって両親が毎夜読み聞かせてくれたのは「はらぺこあおむし」という絵本でした。
あおむしが食べたものすべて暗唱しちゃうくらい何度も何度も読み聞かせをねだって、当時のわたしは食べるのもだいすきで、そういう絵本って大人になった今でもだいすきなんだよね、
絵本ってまるでパッチワークみたいに、表紙や背表紙、なかの1ページ、何らかの断片的な記憶でもおおきくなった自分を形作る要素のひとつだったりするところが好き。
おおきくなった(かつてちいさかった)私はやっぱり相変わらず絵本が好きで、今日は大好きな友人と大阪中之島へ絵本を読みにいってきました📖´-
そんな訳で今日はわたしがだいすきな、そしてだいすきだった絵本をnoteにします。
絵本を好きにさせてくれた、読み聞かせをしてくれたあの夜の両親へ感謝を込めて⸜🌷︎⸝
すてきな三にんぐみ
トミー・アンゲラーさく いまえよしとも やく
好きな絵本と言われてぱっと思いつく中に、この深い青と鮮烈な赤が印象的なこの絵本があります。
どうしてこんな不気味そうな絵本が好きだったんだろうと未だに疑問に思うのですが、昔からとにかく、どこか暗い絵のあかるいお話が好きだったように思います。
この絵本のすてきなところはその色使い!
暗い背景にぼんやり、でもはっきりと分かる三人組の黒い影や、赤いまさかりや武器たち、それから怯える人々と、かわいらしいティファニーちゃん。
それからあの金銀宝石の黄金色といったら!
こどもだった私の目にあれほど強烈にうつった黄色はなかったんじゃないかってくらい、要は暗いところとのコントラストが魅力的な絵本だったんですね。
そう、この「暗いところとのコントラスト」というのがまさにストーリーでもすてきなところで、おそろしい悪事を重ねているという背景に、ハツラツとしたティファニーちゃんの肝っ玉とか、ただお宝を集める他に実は目的がなかったという滑稽さとか、さいごに三にんぐみがどうなったかという描写とか。
ただおそろしく暗いだけの絵本ではないというところを見抜けていて、さらに虜になっていた幼少期の私、なかなかにセンスがいいです。ほんと。
今でも図書館で見かける名作絵本ですが、すてきな三にんぐみを手に取る子がいると「あ〜それきっとおとなになっても覚えているやつだよ、」と何だか仲間を見つけた気分になります。笑
加えてティファニーちゃんのキャラクターですが、彼女、ただ肝っ玉がすわっているだけじゃないところに魅力を感じます。
彼女は自分の意志で三にんに着いていく決断をしているんですが、ちょっとおもしろいことありそ〜!!!みたいなノリでついて行くフッ軽さ?が好きだったり…
おとなになっても彼女のような軽さというか、おもしろいものに着いていくというワクワク感は持ち続けていたいな〜なんて思います。
かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダックさく じんぐうてるお やく
もうこれはほんっっっっっとうにだいすきな絵本で、どちらかというと今も昔も私はセンダックのファンです。
今日も中之島のこども本の森にて、センダックの絵本をいくつか手に取りました🫶
「かいじゅうたちのいるところ」以外にも「まよなかのだいどころ」だったり「父さんがかえる日まで」だったり、あとは「チキンスープ・ライスいり」なんかもよく読みました。
そして今日は、読んだことのなかった「ミリー」を。(原作は彼ではないですが)
一言で言うと彼の作画が好みだったんです。
細かく細かく線を描きこんでいるその緻密さや、登場人物たちの表情の細かさ、かと言ってほかの絵本でははっきりとした線でもこもこ描かれていたり。
ひとつの人物に対してよく描き込まれているということと、絵本を開いた隅から隅までセンダックの絵が広がっていること、それらがすごく見ていて楽しかった覚えがあります。
ぜんぜん作画が違う絵本でも不思議と好きだったので(たとえば「かいじゅうたちのいるところ」の作画と「まよなかのだいどころ」の絵の特徴は結構違ったりしています)、きっとどちらの絵も好みだったんだろうなぁと思うと、やっぱり私はセンダックのファンです。笑
そしてこれは訳し方の問題かもしれませんが、テンポよく言葉が連なって物語が進んでいくところにも心地よさを感じていました。
ぽんぽんと軽快なリズムで言葉がでてくるのに合わせて、物語も滞ることなくテンポよく進む感じ。
まるで歌を歌うみたいな、というかわらべ歌を歌うみたいなセンダックの絵本がだいすきでした。
バムとケロのおかいもの
島田ゆか さく (バムケロシリーズ)
「おかいもの」を引き合いに出しましたが、島田ゆか先生の絵本はガラゴからバムケロシリーズに至るまでぜーーーーーーんぶだいすきでした!
今でも家にぜんぶあるんじゃないかな。レシピ本まであります。笑
島田ゆか先生の描く絵って、ほんとちいさなところにまで物語が潜んでいたりするんです。
バムケロのお部屋のインテリア、雑貨、テーブルの下、散らかったおもちゃ、それからお外ではお店のひとつひとつだったり(おかいもの では、お野菜売り場の野菜たちが好きでした)、茂みの中や木の洞穴だったり…
絵本の隅から隅まで見飽きることなく、何度も何度も読み返して、まるで宝物を探すみたいに必死で1ページずつを眺めた気がします。
おてんばなケロちゃんとしっかりもののバムを中心に、個性豊かでかわいいキャラクター達が進めるストーリー構成もほんっとに楽しくて…
もしもバムケロの世界に行くことが出来たら、バムケロのお部屋にある雑貨で部屋を埋めつくしたいですし、あのかわいいお風呂も欲しいですし、あとはひみつの小屋にもいってみたいなぁ。
先程センダックの絵本でも言及しましたが、「隅から隅まで絵がある」ということが自分の中ですごく大きなことでした。
大人になってからも「絵本」を「絵の本」としてたのしめているのは、上記の絵本のおかげ。
(バムケロシリーズが好きな方は「かばん売りのガラゴ」を読んでみることをおすすめします👜)
わたしが好きな絵本もろもろたち
📖´-みにくいむすめ
📖´-さむがりやのサンタ
📖´-はろるどのふしぎなぼうけん
📖´-よるのようちえん
📖´-ティモシーとサラのとりかえっこ
📖´-いろいろへんないろのあつまり
📖´-おおきなおおきなおいも
📖´-ぐるんぱのようちえん
📖´-三びきのやぎのがらがらどん
📖´-おしいれのぼうけん
📖´-コッコさんのおみせ
📖´-ずーっとずっと だいすきだよ
📖´-おおきな木←🆕!(今日読んだ、よかった)
etc...
あげ始めたらきりがないです。本当に。
もっともっと、もーーーーっとあります。
そして今日思ったのが、えほんってなにも子どもだけへ向けたものではないんだなということ。
私たち大人も、というかかつてちいさかった人も、いつでも手に取っていい。
あの日小さな手でめくったページを、今は大きくなった手で。
パッチワークのひとつひとつを、指先でもう一度確かめるように。
そうやって昔親しんだものをもう一度触れ直すと、やっぱり次々に思い起こされるものはあって、今日は何だか人生のアルバムをめくりに行った気分でした。
皆さんも機会があれば、おうちの近くの図書館で、ぜひ💐
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