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刺激・反復・習慣

「やりたいこと」がない子を考える(28)

サリエンシーとは、精神生活にとって新しく強い刺激のことであり、興奮状態をもたらす未だ慣れていない刺激のことです。
人間は生まれた時、この世界の何物にも慣れていないので世界はサリエンシーであふれていることになります。
しかし、人間は次第にそのサリエンシーに慣れていきます。
物ははなせば落ちるという刺激も、ドアノブを開けると扉が開くという刺激も、自動販売機にお金を入れると商品が出てくるのも、反復によって習慣になります。
そうして、行ったことのない国に行くとまたサリエンシーで溢れ、反復し、慣れていく。
世界とはサリエンシーであり、サリエンシーに慣れることが人生であるとも言えます。
では、もし人間が決して慣れることの無いサリエンシーに遭遇すると、一体どうなってしまうのでしょうか。
決して慣れるのことない刺激はその人の中でずっと存在し、強すぎる刺激によって興奮状態を維持し、心を内側からチクチクと痛めるようになります。
そう、これが「トラウマ」と呼ばれるものです。

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