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「生きがい」と「生きがい感」

「やりたいこと」がない子を考える (12)

名著『生きがいについて』を書いた精神科医、神谷美恵子は生きがいを次の二つに分けています。
一つは、生きがいの対象になるもの。
例えば、サッカーとか、野球とか、ボランティアなどといった、自分の外にあるものです。
自分のエネルギーを注ぎ込む先、というとよりわかりやすくなるでしょうか。
普通、生きがいというとこちらを想像しがちです。

もう一つは、生きがいを感じる心のこと。
サッカーをした時の心の高鳴りや、ボランティアをした時の充足感といった、自分の内にあるものです。
一つ目が自分のエネルギーを注ぎ込む先だったのに対して、こちらは根本的な自分のエネルギーの部分です。

神谷美恵子は自分の外にある対象を「生きがい」、自分の内にある生きがいを感じる心のことを「生きがい感」とよんで区別しました。
そして、僕がここで重要だと考えているのは自分の内側にある「生きがい感」についてです。
なぜならば、自分の外にある「生きがい」にとらわれて苦しむ人が大変に多いからです。

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