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ショートショート

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#小説

ショートショート(36話目) 死神先生 

どれどれ。 今回のターゲットは…。 私は死神カルテに目を通した。 名前:蓮野沙也加(はすの…

ショートショート(35話目)Percentage

空は青で繋がっていた。 東京大学の本郷キャンパス内にある石製ベンチに座り、校内のスターバ…

ショートショート(33話目)Sunday

日曜日、渋谷は人で溢れていた。 映画館を出た僕と尾藤優里は道玄坂から少し離れた路地裏の喫…

ショートショート(32話目)SMILE

『ねえ、相原くん。その笑い方、私にも教えてよ』 中学2年の秋、横山美晴にはじめて話しかけ…

ショートショート(31話目)世界が終わる10分前

10分後、世界は終わる。 だから、この日記は10分以内に書かなくちゃね。 もっとも、この日記…

ショートショート(30話目)白と黒の間

白黒つけるのが、人間は好きだ。 だが、白と黒の間には果てしなく広がるグレーが存在している…

ショートショート(29話目) Change (B side)

窓から陽が差していた。 時計を見ると、4時30分だった。 今日は寝ずに学校にいくことになりそうだ。 昨晩、チョークパステルを手にとったのは確か23時だった。 もう、あれから5時間以上も作品を描いていたことになる。 完成したのはフランスのジヴェルニー地方にある草原の風景画だった。 印象派の父と呼ばれたクロードモネが終の棲家に選んだジヴェルニー。 (いつか、いけるといいな) そんなことを思った。 明日は雨が降るらしい。 気圧が低くなると、割れるように頭が痛くな

ショートショート(28話目) Change (A side)

東京の夏は暑い。 照りつける太陽の下、街路樹が植えてある通りを自転車で駆け抜ける。 ブリ…

ショートショート(2話目)夏祭りの日しか開かない喫茶店

夏祭りが終わり、わたしは自宅へと歩いて帰っていた。 夜の9時とはいえ、まだまだ暑さは厳し…

ショートショート(27話目)スプリンター

『走る』というのは実に単純な作業だ。 速く走る際に意識すべきことは、まず身体と地面とを垂…

ショートショート(26話目)あの日の自分

そろそろ彼がくる時間だ。 11月の銀座にビル風が吹いた。 冬を感じさせる冷たい風だった。 …

ショートショート(11話目)シェアリング彼氏

「映画でもいこっか」 翔琉(かける)はアイスコーヒーを飲みながらそう言った。 日曜日、い…

ショートショート(10話目)ショートショート作家の苦悩

アイデアが出てこない。 ショートショート作家の蛍(ほたる)は行き詰っていた。 4年前、蛍…

ショートショート(8話目)必要ないけど欲しいんだ。

世の中には必要ないけど欲しいものがある。 例えば、最高時速300キロのスポーツカー。 日本の法定速度は高速道路でも100キロ。 アウトバーンにでもいかない限りそんな高性能な車はいらない。 それでもフェラーリを見ると、欲しくなる。 必要ないけど欲しいんだ。 ~~~ 例えば、金のかかりそうな女。 街を歩いていると、ブランドものの服にブランドもののバックで着飾っている女がいる。 こんな女と付き合ったら、金がもたないことはわかっている。 それに「美人は3日で飽きる