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感謝の気持ち(旅の途中で...)

ここ10年ほどの間に日本旅行をしたという人がドイツでぐっと増えました。遠くて高い国だったのが、長い飛行時間さえ我慢すれば比較的お手軽に個人旅行もできる国として受け止められるようになったのが原因のようです。


先日、旅のお供として手荒く乗り回している折りたたみ自転車がパンクし、直してもらった自転車屋さんでも私が日本人だと分かると、お店の男性が1年半前に奥さんと行かれた日本旅行の話をしてくれました。


「東京、京都、広島。伝統と新しいものが同居しているのがおもしろい。でも何よりも街が清潔で、人々が礼儀正しくて本当にいい国だ」


彼だけでなく、日本に旅行したことのある他の人からもこのような日本を誉める言葉を何度も聞きました。それを耳にするたび、いつもうれしさと温かなものがふわーっと心の中に広がるのを感じます。そして私が返す言葉は「ありがとう」です。それからもう一度「日本を好きになってくれてありがとう」と付け加えます。

二度目のありがとうは、わざわざ日本を訪れてくれて好意を寄せてくれたことに対する目の前の人への感謝。でも最初の「ありがとう」はドイツからの旅人に親切にしてくれたり、街をきれいにして日本の印象を良くしてくれた日本にいる人達へ向けた感謝の気持ちなのです。


タクシーの運転手さんだったり、ただ通りすがって道を教えてあげた程度の人かもしれません。公衆トイレがきれいなのも、お掃除する人のルーティンワークなのかもしれないです。そしてその人たちにとっては当然で特別ではないことだったのかもしれません。でも日本がいい国だと思ってもらえたのは何気ない会話だったり、ちょっとした気遣いだったりしてのこと。そしてそれは世界的に当たり前ではないのです。

君の国はいい国だねって言ってもらえることは私の日本人としての軸を強くし、元気づけてくれます。そしてドイツで暮らしている私も日本の人に恥ずかしくないように生きねばと背筋がしゃんと伸びるのを感じるのです。

植物を巡るドイツの旅で、私も道を聞いて親切に教えてもらったり、その土地で長年暮らす人達が工夫をこらして自分たちの地域を守ろうとしている姿を目にして、ドイツは良いところだなとしみじみと実感しています。

そして人を通じた旅の思い出は時に美しい景色や珍しい史跡を見た感動にもまして心に明るい光を灯してくれます。
だから私のありがとうが日本の誰かに直接届くことはないけれど、見も知らないたくさんの人にあてて、これからもありがとうを言い続けるでしょう。



最後にこのnoteで私のとても拙く、個人的な旅の記録を読んでくださった、あるいはこれから読んでくれる方に感謝します。どんな人が読んでくださっているのか、あるいは間違ってクリックしちゃっただけなのか、数字という形でしか分からないのですが、誰かに届いているのかも、という気持ちが大きな支えになっています。本当にありがとうございます。

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