見出し画像

消防団とか青年部とか地域団体の未来

地域には消防団とか○○青年部とか地域事業に従事する団体が存在する。存在は知っている、ただどんな団体かわからないし、大変そうだから自分は入りたくないなと思っている人が多いのではなかろうか。

自分は恩師からの依頼で入ることになったのだが、実際に所属してみての感想は、やはり旧態依然としているというものだった。各員もそれは重々理解しており、少しずつ改善されてはいるようだが、男性社会・過度なコミュニケーション・効率度外視の作業はまだ現代レベルまで到達していない。長い歴史の中で蓄積したしがらみも相当なものだ。俗っぽく言うと「イケてない」。これでは入りたくないと思われても仕方ないだろうというのが正直なところだった。

現役メンバーも一定の「やらされている」感があり、士気はお世辞にも高いとは言えない。学びの場、交流の場として捉えても、地域団体より「効率的」で「経済的」なものは今やネット上でいくらでも見つかるだろう。時代にそぐわない組織は淘汰されるのが世の常。実際、人員は年々減少しているようだ。ではこのような地域団体は消滅して然るべきなのだろうか。ちょっと思考を巡らせてみた。

地域団体はいらない子なのだろうか。少し考えてみたが結果としては結論はまだ出ていない。ただ、一つだけ思ったことがある。それは彼らのように曲がりなりにも地域を想う組織が消滅した地域は恐らく不幸になるだろうというものだ。

消防団や○○青年団といった団体はあまり見えないところで地域の役に立ち続けている。交通整理、消防・警察など各種団体との交渉、清掃活動、災害時の対応etc…

あげればキリはないくらい彼らの活動の幅は広い。平たく言うと地域の便利屋さんである。一つひとつを見ると確かに形骸化していたり、旧態依然としていたりと「イケて」ないものもあるが、それらが地域の元気を担っている部分は、確実に存在する。

仮に青年団やらが消滅すると地域の伝統行事やその他細々としたアクションが一気にやりにくくなるだろう。実際、自身の力のみで完結しない事業をおこなったことがある者ならわかると思うが、資金調達・関係者の利害調整・当日の運営を行うための労力は相当なものだ。それを地域の為に本業とは別に陰ながら担う彼らの献身は貴重なものと言わざるを得ない。

仮にそもそも、そんな「イケて」ない事業とか、伝統行事とかわざわざ無理してまでするものじゃないよねと言われれば、地域団体はお役御免だ。ただ、そのような地域は果たして幸せなのだろうか。人と人との交流やふるさとへの愛着も生まれない、有事の際に主体的に動く者が存在しない。そのようなドライな人たちが作る社会は果たして良いものとなるのだろうか。

先ほどは「やらされている」感があるといったが、それでも彼らは確かに地域のことを想っている。その想いは団体をただ批判する人間よりはるかに強力だ。そのような人たちがいなくなることは地域にとって大きな不幸であることは間違いないように思える。とはいえ地域団体が時代にそぐわない組織となっていることも事実。地域団体は変わっていかなければならないだろう。変えるのは容易でないだろうが、陰ながら人の温かみを生み出すため、所属している以上は自分も可能な限り力を尽くしていきたいと思う。

時間:20分


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?