【エッセイ】カメムシたちよ(700)
田舎暮らしの方たちには馴染み深いと思うがカメムシという昆虫がいる。背中が亀の甲羅に似ているのでそう呼ばれている。触ると独特の悪臭を放ち外敵から身を守る虫である。
亡くなった祖母は「ヘクサ(ン)ボン」と呼んでいた。「ボン」とは「坊や」のことである。地方によっては「ヘクサ」とも呼ばれる。
触ると臭いがそれ以外は害がほとんどない。坊やと呼ばれるくらいなので愛嬌がある。
眺めていると動きもゆっくりでたまに飛ぶが飛行はあの忌々しいハエのように得意なわけではなく、その硬い体をコツコ