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【雑記/文フリレポか?】行って見なければわからないこともある

 おそらく創作をされている方なら誰もがかかったことのある病があります。きっとコロナよりもこのnote街でも蔓延しているであろう病。正式名称は知りませんが、私は「私なんかよりもずっとうまくて面白いものを書く人がいるのに私が書く意味無くね?病」と呼んでおります。

 もちろん私も何度もかかっていまして一番ひどい時は、松本侑子『巨食症の明けない夜明け』を読んだ時でした。この後は何年か書いてません。ちょうど拒食症の話を書こうとした矢先に読んだ本です。頭の中で考えていた話を軽く吹き飛ばすレベルで面白く印象的でした。

 この前にも後にも、軽度の病には侵されていますが、ここ最近もそれがうっすらありました。上記の時に学びましたが、重症化するのは決まって書こうとした矢先に同じ方向性で私よりずっと面白い話を読んだときです。

 で、最近のダメ押しがこれ。

 ちょうど陰陽師ベースの話を書こうとしていたときに読み出し、手が止まりました。重症ではなく中等症で済んでいるのは、ロクハラ(って訳すらしいよ)はご自身の中での設定がかなり確率されていて、丸カブリというのを免れているから。
 言わずもがなですが、白鉛筆さんはレべチな作家さんです。もともと漫画を描かれていたとのこともあり、情景が鮮やかに浮かぶしアクションも魅力的。一篇一篇の精度が非常に高い(私ならこの一篇が書けたら半年はダラけます)。それをポンポンと書いてあげていらっしゃいます。
 未見の方がいらっしゃれば、是非ご覧ください。白鉛筆どころか油性ペンでゴリゴリと記憶に刷り込まれる一品。
 そしてほぼプロの記事のコメントを埋めるのは錚々たるセミプロメンバー(私は「白鉛筆親衛隊」と呼んでいます)。ここにコメントを遺す勇気はありません。


 ……前置きが長くなりました。
 そんな病を抱えながらの初の文学フリマへの来場です。

 ようやくお会いできた福島太郎さん
 はじめましてなのに、病の話をカミングアウト。福島さんは「それでも自分にしか書けないものはあると信じて書き続けるのだ」と語ってくださいました。そうなんですよね。そうなんです。自分で言い聞かせるより他人の口から聞く言葉はジンと響くものです。


そるとばたあさんとは坊っちゃん文学賞大賞作品「ジャイアントキリン群」のお話をしていたつもりが気づけば同じ悩みをカミングアウト。「そうですね、その気持ちはわかります」と同調され、会場の中心でセラピーを受ける。辛抱強くお話を聞いてくださり、それでも書き続けなければならないのだ、と思わせてくださいました。


秋さんからはかねてより「はじめて文学フリマへ行くならまず東京へ」とお誘いを受けていました。壁際の落ち着く席で会場を見渡しながら、「文学に関わろうとする人がこれほどまでにいるのだということを知って欲しかった」とお話いただきました。たしかにこれだけ多くの人が創作し、それを求めてやってくる人がこれだけいるのです。数字ではなく、肉眼で目の当たりにできたことは本当に良い経験でした。


 そしてそして。ダメ押しをくださった推し、白鉛筆さんと初体面。今年は春から夏にかけて、一部地域で白鉛筆祭りが開催されていますが、このお方がその中心人物か、と感慨深く謁見しました。なんだか美しく繊細なもので構成された結晶体のような方でした。本来なら親衛隊隊長の豆島圭さんを介すべきところを不在を良いことに、雑食のブロイラー如きが直接口をきいてしまいました。なんか雑菌が移ったらすみません。


 今回は初参加ということで、できる限り多くの人にご挨拶をさせていただきました。数が多く全員を紹介するのは諦めます(数えたら約30人!)。が、どうしても語りたい三名はここで挙げておきます。
 今まで文字でしか交流してこなかったため、想像していた年代・性別と異なる方が多々いらっしゃり、衝撃的なイベントでした。みんな隠しているわけではないようですので、ここでご紹介させていただきます。絶対私だけではないはず!


秋さん

 勝手な想像でしたが30代くらいのバリキャリ女性だと思っていました。誰よりも長く一番お世話になっている方なので、会場について真っ先にブースへご挨拶へ行きました。
ひよこ:「秋さんいますか?」
秋さん:「はい」
 と手を挙げられる男性。完全にふざけているのだと思い込み、笑い飛ばすひよこ(思い込みはお前だ)。
 そこから「ん?」「ん?」「え?」「ん?」「ん?」「ん?」「え?」「え?」の応酬が続き、事態を把握するのにえらく時間がかかりました。いやもうほんとにすみませんでした。私の思い込みのせいで完全に困らせてしまった美男子(多分あの方は男性のはず。もう自信ない)にも平伏して謝りたい。


マノ・イチカさん

 愛らしいサメ?(?)のイラストから、キュインとか鳴きそうな小柄な女性だと勝手に想像してブースへ訪問。ブース名も「マノ・イチカ&峰松智弘」となっており、ブースに座る男女の姿。当然のように女性に名刺をお渡ししたら、戸惑われました。あれ? ピンと来られてないな、と思っていた矢先に、ご本人登場。まさかのあごひげの似合うイケメンでした。いやだってイチカって。ほら想像してたイメージに近い女性が席に座ってるから。


たらはかに(田原にか)さん

 マノ・イチカさんより「田原さんに会いました? 想像よりもバイブス高めっすよ」という情報をいただき、「ほほう。バイブス高めな冷蔵庫と魚の間くらいの女性か」と想像を書き換えておりましたが、一回目の訪問では会えず(この時にそるとばたあさんのセラピーを受ける)。
 二回目の訪問の前にりみっとさんと会い田原さんの話をすると、「え? 背の高い男性、だと思うよ、多分」と言われ、思わず膝から崩れ落ちる。おかん系ツートン消しゴムのイメージが崩れました。アイコンの雰囲気に似た年齢性別不詳のバイブス高めの人の形を成した何か(田原にか)にお会いできたのはひとえにりみっとさんのおかげです。

 しかしもうここまで想像していたイメージが覆されると感覚が麻痺してきていて、これ以降にお会いした方は驚くもののショックを受けなくなっていました。たとえコッシ―さんの髪の毛が度を越えたチリチリだったとしても、月山六太さんが女性だったとしても、おだんごさんがマジでガチ茶店スタイルで店番していたとしても。
 いやそもそも、福島太郎さんとお話していたときに「呼んだ?」と新川帆立さんが来てくれるような世界です。もう何も驚くまい。


 この度はnoteを通じて交流いただいているたくさんの方にご挨拶することができました。名刺をお渡しした際、「お前かー!」というリアクションをくださったフォロワーさん、またコメントすら残したことが無いのに認知してくださっていた皆様に本当に感謝しております。

 また、今回の新刊『電車にゆられて』を購入くださった皆様、本当にありがとうございます。終了前20分くらいはブースに座らせていただきましたが、ワサッと減ってました。お楽しみいただければ幸いです。

 どうぞ皆様、今後とも末永くよろしくお願いいたします。


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