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足も速くなく大きくない、うちの息子。

皆様元気にお過ごしでしょうか。

まもなく、6月も終わりを迎えようとしている今日この頃ではありますが、6月といえば私にとって、息子がサッカーを始めた月であります。

息子が小学2年生、校庭でみんなとサッカーをする楽しさに魅せられて、チームに入ってサッカーをやりたいとお願いされたあの時、「サッカーするのは遊び時間だけにしときなさい、うちにそんな余裕はないよ、それに君は今やっているピアノの方が上達すると思うよ」って、私は心の中で息子に訴えかけていました。でも口には出さなかったです。

足も速くなく、運動能力は中の下、身体的なメリットは全くなし、これから体が成長しても身体的に特別な才能を見せることはないだろう。これがスポーツに携わったことのある私からの息子への評価でした。それは息子が高校生になった今でも変わりません。

息子の意志を言葉で否定をしなくてよかったですね。

息子に伝えたのは、いったん始めたことは、切りのいい卒業まで、全力で続ける。切りのいいとこまでというのが肝です。ずっと続けるなんて言ったら嫌になっちゃいますから、私からすると自分が出来る精いっぱいのとこまででいいよって思いで、息子はサッカーライフをスタートさせました。

でも、すべてが楽しく順調ということはありません。

どんなスポーツでも、身体能力の高い子供が思春期を迎えるまでの間は上達も早く見えるんです。身体能力の高低で壁が存在します。年齢とともにその身体能力の壁はなくなるのですが、ジュニアの頃は高く厚い壁になります。

簡単に言ってしまえば、試合に出られる時間と回数が限られます。身体能力の劣る子は、そのことが壁となり、友達との楽しいはずのサッカーが、つまらなくなります。さらに、諦めちゃう。これはすごく大変で、だいたいこれが原因でサッカーをやめてしまうお子さんが多いと思います。

私はボランティアコーチとして、ほぼすべて一緒に息子のそばに居ましたので、息子がつまらなさそうにしてるのはすぐわかります。そんなときは、「自分がやると決めたことはやり続けよう。」といい方を変えたり内容を変えたりして、言葉をかけ続けました。時には強い言葉でやり続けることの大事さを帰りの道すがら子供がわかる範囲で話し続けました。

また、巷でゴールデンエイジって言葉があったかと思いますが、子供ってその年齢になる頃にやっと周りが見え始め、自分が何をやってるのか理解を始める年齢なんです。子供が体の成長過程で自然に上達を始めるんじゃなくて子供自身が上達することを感じ始める年齢なんです。

その時にそばに親がいるかいないかで大きく成長は異なります。個人差は当然ありますが、身体能力の劣る子であればあるほど、親がそばにいることを実感する子は上達します。ゴールデンエイジとは、そんな年齢です。

話を戻すと、そのゴールデンエイジを迎えた5年生くらいになる息子を見てて、切りのいいとこで6年生まで続けてくれればいいなって思ってました。

そして何とか、苦しいサッカーが楽しくならないかと、これまでいろんなものを見て、聞いて、読んで、息子に体験させた結果、一つの結論に行きつきました。

親子で何をやってたかといいますと、土砂降り、台風、大雪以外の平日毎日、私の仕事帰りに、自宅前の道路で、息子が1000回以上の利き足リフティング(連続ではなく落としていい)と、対面パスも200本くらい。

私が少々遅くなっても、疲れてても、息子が気分が乗らなくても、とにかく2人で夜な夜な外に出てました。

息子は黙々とメニューをこなします。回数を数えるのも自分でやり、自分に妥協を許してませんでした。

私は、息子のリフティングを黙ってみるだけ、パススピードの変化をつけてアスファルトのまっすぐな切れ目に合せて黙って息子に向かってパスをするだけ、の日々を送りました。

静まり返った夜のボールの音は、どこまでもよく響くみたいで今でもご近所の皆さんに「あの時は申し訳ありませんでした」と言うほどやってました。

ある有名な方の一言に、「100万回触れ」って言葉があったと思います。まさにそれです。当然、100万回とまではいってないですが、ひたすらやりました。そして、練習のベースにしたのは「利き足のみのリフティング」「ボールは利き足小指が置き所」「トラップしたボールを足元にキッチリ止める」です。皆さんのヒントになればいいですね。

また、それまで私が小言を言っていたチーム練習や試合のプレーについてのことは5年生を境に一言も言わず、息子自身がボールに向き合う時間を、ただ一緒に共有しました。

結果的に6年生になった時、ジュニアの県トレセンに選ばれるような選手にはなってはおりませんが上達しました。

毎試合、息子は足は遅くても、小さくても、強くなくても、誰とプレーしても気後れすることなく楽しくプレーするサッカー選手っぽくなりました。

何といっても息子がサッカーを通して、自分自身に自信を持ちました。

なぜ息子のことを、noteにしようと思ったかというと、

巷にあるメソッドなどと言われるスキルにかかわる育成論、技術論も大事だと思います。

でもサッカーをしている子供たちの大半は身体能力の劣る子たちなのです。その子達にスクールまかせで育成論、技術論をぶつけても上達にはつながりませんし、間違いなく、学年が上がるにつれ楽しさは失われます。

身体能力の劣る自分のお子さんが、自ら進んでやりたいと言ったサッカーで、自信に満ちて楽しくプレーする姿を見たくありませんか。

それには親が情熱を持ち、子供と時間を共有することだと思います。

皆さまのご家庭でそれぞれのやり方があると思います。そして、お子さんそれぞれ性格も違いますし同じではありません。しかし、どのようなご家庭であっても、あなたの情熱は、必ず子供に伝染します。

「親はいなくても子は育つ」ではありません。「親があれこれ口を出さなくても子は育つ」ということをお伝えしたい心のつぶやきをnoteにしました。

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中学に上がると思春期。そのお話をまた今度させて頂きます。

ここまで読んで頂けましたでしょうか? 有り難うございました。



















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