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女性と過ごした夢をみた後で考えたこと


1. 夢にて


春の陽気が入り込まないようにカーテンを閉ざした部屋で昼寝をした。

過去に面識があった女性と再会した。
彼女とは10歳ほどの年の差があり、5歳児のままごと遊びに付き合って以来であった。
名前を憶えていなかったので教えてもらった。
2文字のかわいらしい名前の持ち主だった。
私のように名前ばかりがやたらと褒められるなんてことはなく、
現在も健在な彼女の愛らしい容姿と立ち振る舞いにしっくり合う名前だ。

2人で食事をした。
どうして長い間連絡をくれなかったのか問われた。
上手い言い訳が見当たらず、今後はまめに連絡すると返すしかなかった。

別れ際に「帰りたくない」と彼女は泣いた。
「また会えるよ」と彼女を抱きしめた。
彼女が私に力を預けるようにしているのが分かった。
彼女の体重が心地よかった。

彼女を離したくなかった。

ただ、この気持ちは彼女を抱きしめた後に生じたもので、彼女の本質に対するものではなかった。

体勢を変えて彼女の顔を見つめた。
彼女は頬に涙を残したままいつのまにか眠っていた。
日本人にしては色素の薄い直毛が美しかった。
瞼が閉じられているにも関わらず、瞳には幼さを感じることができた。
淡い血色がにじむ彼女の唇に吸い寄せられるようにして私の唇を重ねた。


2. 夢のあとにて

2.1 私の中に横たわる問題

目を覚ましたとき、性的な興奮が私の感情を支配していた。
彼女の名前は憶えていなかった。

性的指向の対象に恋愛感情を抱くことができない。

これが私の抱える問題だ。
私が性的な魅力を感じた相手は、私の性的な欲を満たす存在でしかないのだ。

人間同士の一般的な関係を構築するときと同様にして、相手を思いやり、尊重することはできる。
しかし、そこに長期的な信頼関係を築くことを可能にするような愛は無い。

2.2 同性女性を好きになれないのか

自己紹介にも記した通り、これまでに私が恋をしたのは4名で、全員を男性だと認識した上で惚れていた。
私以外の女性と一緒にいるところを見かければ嫉妬した。
独り占めしたいと思った。
相手に恋人ができたとしても、いつまでも私の心の中にいた。

性的指向が女性である認識したとき、私の恋愛指向は両性なのだろうと思った。
これまではたまたま・・・・4人連続で男を好きになっただけなのだ。
これからは女性と恋に落ちて女性と生活を共にすればいいのだ、と甘い見通しを立てていた。

自然と女性を恋愛対象として意識するようになった。
気になる子ができた。
親密になれるよういつも以上に丁寧に接した。
用事もなく彼女が連絡してきたときには胸が高鳴った。
返信が遅ければ気分が落ち込んだ。

彼女に男性の恋人ができた。
一友人として祝福した。
その男を羨ましく思った。
嫉妬の気持ちは無く、私の射程範囲から彼女が離れていったように感じた。
次は誰にしようかと考える自分がいた。

彼女を全く好きになれていなかった。
ただ性欲に踊らされていただけだったと悟った。
過去の恋と比較しても明らかである。
性欲に制御された知能の無い動物のような自らに愕然とした。

それからも女性へ性的な目線しか投げかけられない自分に絶望し続けている。
友達もしくは性的な存在。これ以外の選択肢を作れない。
私は女性を好きになることができないのだ。

2.3 別の可能性

バイロマンティックかつホモセクシュアル説は打ち消された。
ご存じの通り、ヘテロロマンティックかつホモセクシュアル説が一番有力であると感じている。

ほぼ確定的な恋愛指向に対して、性的指向はまだまだ検証の余地があると思っている。
バイセクシュアルもしくはパンセクシュアルの可能性を否定することができないからだ。
長くなるのでこれらに関しては稿を改めることにする。

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