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あちこち世界が広がっていく。

大好きなトークバラエティ『あちこちオードリー』を初めて観たのは、昨年の春、大阪に出張に行ったときのことだ。泊まっていたホテルの1室で深夜、ぼーっとテレビをザッピングしていた時に見つけた。

居酒屋を彷彿とさせるカウンターのセットに、オードリーの若林さんが座っていた。少し間隔をあけて、その隣に春日さんがトレードマークのピンクベストではなく板前の格好をして立っている。ゲストは、アンミカさんとお笑いコンビの宮下草薙のお二人。11時台へ枠移動してからの初回放送だったようだ。

番組自体は残りもう10分ほど。終盤も終盤で、何の話をしていたかは正直覚えていないのだが、とにかくゲストがリラックスして、楽しそうに話している姿が印象的だった。その様子を見て、「最初から観たかったなあ」とベッドの上でぼんやり思ったことは覚えている。

以来、毎週必ず録画するようになった。声をあげて笑わない回はなくて、「あちこちオードリー」があるから、水曜日が楽しみになっている。DVDも購入した。ローソン店頭のLoppi端末による予約購入にちょっと苦戦した。

なんでハマったのかなあ、好きになったのかなあと考えてみると、オードリー2人による「話しやすい場づくり」の雰囲気が大きい気がする。見えないところ(たまに佐久間プロデューサーたちが映るけど)では、たくさんの大人があのカウンターを見つめていて、カメラに囲まれて。いわゆる「取材の場」とは違うし、テレビ画面で見るあの番組には編集が施されている。何もかもすべてそのままお送りしているわけじゃない。けれど、それでも、「裸のトークバラエティ―」と銘打っている通り、ゲストの内面とか流儀とか、そういう深いところにポップに迫っているのが観ていてすごく面白くて、惹かれる。

以前ナインティナインの矢部さんがゲストの回(この人がゲストって言うのもすごい新鮮だった)で、最後にぽろっと矢部さんが「言っちゃいけないことまで話しそうになったなあ」というニュアンスのことをつぶやいているシーンがあって、それがすべてなんじゃないかと思った。ゲストにそう思わせる場を作っているこの番組に痺れた。

『M-1』で準優勝された頃から、ずっと知っているお笑いコンビなのに、今さらオードリーのことが大好きになった。ちゃんと聴いたこともなかったラジオを聴くきっかけになった(今は定期的にオードリー、マヂカルラブリー、空気階段、Creepy Nutsを聴いている)。まだ自分がリトルトゥース(『オードリーのオールナイトニッポン』リスナーの呼称)と胸を張って言える気はしないけれど。発売されている若林さんのエッセイ集は全部読んで、「なんでもっと早く読まなかったんだろう。読書芸人も見ていたのに。こんなに共感するなんて、思わなかったな」と驚いている。最近はついに彼のnoteマガジンの定期購読も始めた。あちこちに、どんどん楽しみが増えて、心躍っている今日この頃である。

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