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毎日note

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400字以上の毎日note(内容は雑多)をまとめています。2021年12月からはじめました。2023年5月8日から、土日祝日を除く週日更新です。
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#読書感想文

600本のnoteを書きながら、ずっと頭に浮かんでいた「何のために書いているんだっけ?」が解消された話

毎日更新しているnoteが、600本になった。つまり毎日書くようになって、600日経った。 現在は土日祝日はお休みの週日更新だけど、それでも書き続けている自分をどこか誇らしく感じている。 一方で、苦しいときもある。いや、ほとんどそうで、自分の文章に目をつむりたくなったり、顔から火が出そうになったり、時に開き直りながら、書いている。 魂が抜けたような、死んだ目をしながら、なんとかポチポチとキーボードを打ったり、スマートフォンをスワイプしながら文章を書くことがしょっちゅう。

自炊への心づもり

山口祐加さんの『自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話』を読み終わった。 「自炊料理家」として活動する山口さんが、精神科医の星野概念さんとの対話も交えながら、自分のために料理ができないクライアント6人に対して行った3ヶ月間の「自炊コーチ」実践の記録を交えながら、三者三様の「料理ができない」を分解し、「自分のために料理をすること」はどういうことなのかを紐解いているのだけれど、本当にすばらしい本だった。 本の中で、「自分なら何のために料理をするのだろう?」と考え

横並びの惑星

べっくやちひろさんのエッセイZINE『ママになるつもりはなかったんだ日記』を読んだ。 ここが好きで、何度か繰り返し読んだあと、ふせんを貼った。 好きな人がいる。 なんとなく出会いを求めて、「おぉーい」と大きな声で叫び、手を振ってみても、相手に気づかれない。求めても求めても、手が届かない。そういう虚しさになんだか疲れて、一旦離れようとしたとき。 その人は、そんなふうに、自分が「もういいかあ」と、ふぅっとゆるみ始めたときに出会った。 最初は画面上だったけれど、わりと序盤

「自分を許す」ことのむずかしさをほどいてくれた、2冊の読書体験

「ひとりで生きていけるようにならなくてはならない」と心の底でずっと思っていました。人に頼れず、なんでも自分でできるようにならなくてはならないと。そしてそれゆえに、人と比べて落ち込んで、劣等感に苛まれる。 そんな自分に気づいて、受け止めて、少しは生きやすくなったと思っていたけれど、その奥にはまだ違う思いがありました。 それは、「今の自分をずっと許せないでいる」ということ。 それに気づくきっかけになったのが、土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』。そして、「許すためにどうしてい

出会えてよかったと心底思えた本ーー『そもそも交換日記』を読んで。

わたしにとって、お守りみたいな一冊になる。 桜林直子さんと土門蘭さんの共著『そもそも交換日記』を読みました。 東京と京都、それぞれの場所で暮らす2人が、noteを通じて行った交換日記が収録されています。2020年3月24日から2021年3月30日までの一年分。 「雑談」を仕事にしている桜林さんと、インタビューや創作といった文筆業を仕事にしている土門さん。そもそも2人の立場から、ぐっと惹かれるものがありました。「コーチング(わたしのなかで“雑談”)」と「書くこと」にアンテ

無色透明であることをめざす。

斉須政雄さんの『調理場という戦場 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』を読んだ。本の中で「ぼくにとって本は栄養です。言葉は最高の食料なのです」と斉須さんは言う。この本が、わたしにとってのそれだと、読んだあと思った。 言葉にしてしまうとひどく簡単になってしまうけど、「誠実な仕事」「誠実な人間」とは何かがたくさん詰まっている。 *** 単身フランスに渡った斉須さんが出会った最高の人たち。彼らはみな、「ふつう」の人だったという。「ふつう」とは何かを、同著の中で斉須さんはこんな

「対等」ってなんだろう。

「対等」って、なんだろうなあと最近よく考える。 情けない話だけど、わたしの中には「学歴とか、キャリアとか、くそくらえじゃ!」と肩をいからせている自分と、その一方でそういうものに劣等感を抱き、落ち込んだり萎縮してしまう自分がいる。 この、器が小さい状態が一生続くのは、しんどいなあ……と思う。いま受講中のTHE COACH Academyのプロコースで、そんな自分を見つめている。このコースは「自分の在り方」を探求するものでもあるからだ。 自分と相手を上下の視点ではなく、もっ

時代の感覚を掴むことは、流行りものを追うことじゃないんだ。

コピーライター・谷山雅計さんの『広告コピーってこう書くんだ!読本』を読みました。 こんにちは、のんです。 この本は、広告コピーの書き方についてのHOW TO本ではありません。いいコピーやアイデアを生み出すためには、発想法を知るのではなく、自分のアタマが〝発想体質〟になるようトレーニングをする必要がある。そのための方法論が展開されています。 2007年に刊行された本ですが、今読んでも説得力がある、納得できるものがたくさん。私はコピーライターになりたいわけではありませんが、

人を、おもしろがるチカラ。

奥野武範さんの『編集とは何か。』を読み終わりました。全736ページと、大ボリュームの本。分厚さに慄きつつも、楽しく、時にぎくりとしながらページをめくりました。 こんにちは、のんです。 17人の編集者の方々のお話が惜しみなく掲載されているこの本。読み通して見えた共通点は、「編集とは、人をおもしろがること」だということじゃないかと思う。本の中で「人を好きになること」にもたくさん触れてもいたけれど、好き、よりも「おもしろがる」が先行している気がします。 「おもしろがる」は、例