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600本のnoteを書きながら、ずっと頭に浮かんでいた「何のために書いているんだっけ?」が解消された話

毎日更新しているnoteが、600本になった。つまり毎日書くようになって、600日経った。

現在は土日祝日はお休みの週日更新だけど、それでも書き続けている自分をどこか誇らしく感じている。

一方で、苦しいときもある。いや、ほとんどそうで、自分の文章に目をつむりたくなったり、顔から火が出そうになったり、時に開き直りながら、書いている。

魂が抜けたような、死んだ目をしながら、なんとかポチポチとキーボードを打ったり、スマートフォンをスワイプしながら文章を書くことがしょっちゅう。

用事があったり、眠気と闘いながら「とにかく早く終わらせたい」と乱暴に書いてしまう時もある。ただ恥をさらしているだけのような気がして、呻いてしまうような時もある。

そんなことがたくさんあって、時折「何のために書いているんだっけ?」とすら思う。

けどある時、不定期に表れていたそんなモヤモヤが、クリアになった。

きっかけは、『さみしい夜にはペンを持て』を読んだこと。

うつくしい装丁

同書は13歳に向けた児童書で、「書くこと」のおもしろさについて書かれている。自分のことが大嫌いで、学校に居場所がない主人公・タコジローが、不思議なヤドカリおじさんとの出会い、「書くこと」によって変わっていく寓話だ。

挿絵もとてもかわいい

そもそもnoteを毎日書くようになったきっかけ自体が、同書の作者であるライターの古賀史健さんだった。

2021年の7月から半年間、「batons writing college(バトンズの学校)」に参加した。

バトンズの学校とは、古賀さん主宰の次代を担うライターのための学校だ。8回の講義と、当時持ちうる力で必死に向き合った、受講生32人分の7つの課題と、そのすべてに対する古賀さんからのフィードバック。これらがすべて凝縮された学び舎だった。

あの時の膨大な学びを無理矢理一言でまとめるなら、「考えが足りていない自分」をまざまざと見せつけられた(認識させられた)ということ。

そう、改めて振り返ってみると、あの時から「考えること」について古賀さんは幾度となく伝えてくれていたし、それをきちんと理解した気になっていた。

古賀さんは、毎日noteを書くことの先輩でもある。講義中、何度も「毎日noteを書いても、文章が上手くなるわけじゃない。でもやるかやらないかだったら、やったほうがいい」と言っていた。

文章は上手くならない。じゃあ何のために書くのか。

学校が終わるころ、どこか焦りを覚えていた。「何かしなければ、何者にもなれない」と、縋るように始めたのが「毎日note」だった。

これまでずっと、「日常を観察する目を養いたい」「とにかく、考えるクセをつけるために書こう」と思いながら書き続けてきた。

さらに今年、2023年から目的が一つ追加された。それは「わたし自身を知る」ということで、書くこと以外にもコーチング等も利用しながら向き合ってきた。

そう意識するようになってから、いろいろな気づきがあった。

それでもやっぱり書いていると苦しく、不安になる日がある。「結局、これが一体、わたしにとっての何になるのか」と。

考える力をつけて、自分を知る。その先に何があるのか、わかっていなかった。

でも、この本を読んで気づいた。

教室にいる自分のことを好きになれなくても、「日記のなかの自分」のことを好きになることは、できるんだ。

『さみしい夜にはペンを持て』(P240)

つまり、自分が書いた自分のことなら、素直に「好き」だと思える。そう思うには、ひるがえって、やっぱり「考えること」「考え抜くこと」が必要だということ。

思えば600本以上あるnoteの中で、自ら読み返そうと思うものは少ない。

読み返せるnoteは、そこに書かれた自分のことを好きだと思えるからなんだろう。それは慰めでもなんでもなく、「あの頃があるから、今がある」と、本当に、書いて心からそう思えたものでもあったりする。

反対に、書いた自分を好きになれない時は、面倒くさくなって、持てる力で隅々まで考えられていない文章だと言うこと(書いてみると耳が痛い)。

そんなことを、改めて『さみしい夜にはペンを持て』で思い知らされると同時に、励まされたように感じた。

書けた!と思えた時と、惰性で書いてしまった時の文章の違いが、「何のために書いているんだろう」というモヤモヤが、くっきりした。

これからも、書けるだけ書いていこう。たとえ、もし書くための手段が変わったとしても。絶対「書かなきゃ良かった」と思うことはないだろうからと、そんなふうに思えた。

どうして、毎日書くの? 書くと、どうなるの?

自分を知って、そんな自分を好きになるために、毎日書いている。

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