家庭内感染を防ぐための手立て(案)

厚労省からの指示が出ましたのでリンクを貼ります。以下参考程度にお使いください

20 4/28 PM1時現在における筆者の個人的見解をまとめたものであり、家庭内での感染が不安だという知人とのやり取りをもとに再構成したものです。多少の安全マージンを取って記述しているつもりですが、事実誤認などが私にあったり、読者に起こるかもしれないので、そのまま妄信せず、眉に唾をつけつつ読んでください

緊急事態宣言から2週間と少々。
東京都の感染者数も収まっていく傾向が見えてきたと思います。
医療関係者やモノを運ぶ物流および、飲食物の提供など、社会のシステムを支えているエッセンシャルワーカーの皆様、ありがとうございます。
外出自粛をしている皆様、自粛の効果が出てきました。引き続きよろしくお願いします。

これまでは、大きな流行を防ぐことが一番大事でしたが、ここからは小さな流行を防いでいくことも重要です。
家庭内でも適切な距離をとって安全に毎日を過ごしましょう

という気持ちでこのnoteを書き始めたところ、コロナ抑え込みに成功している韓国の事例を紹介している記事が二つ上がっており(所有せざる猫達さんの記事、ショーンKYさんの記事)そこの中にある

 家庭内でもクリーンゾーン/汚染ゾーンを分離

というものが特にイメージしにくいかなということでそちらに焦点を置いてまとめたつもりです
恐らく近いうちに厚労省あたりから、何をすべきかの指示があると思いますので、それまでの場繋ぎとして参考にしていただけると幸いです

現状の確認

感染拡大の状況

コロナウィルスは感染→発症までのタイムラグと、発症→診断までのタイムラグがあるため(図1)、今見えている感染者数の推移はおよそ2~3週間前の流行状態を示すデータになります。

詳細は下に示すuncorrelatedさんの図をご覧いただけると幸い

赤線が東京都の新規感染者数の推移から割り出した予測値
青線が、赤線を12日前に置いたものになります。
各種要請によって、感染者の増加が抑えられているようです。

PCRでの検出と、症状の現れ方と検査のタイミングについての模式図は下図のようになると思われます

忽那先生のこちらの記事が正確な表現になります。私のはそれを、PCR検出可能という軸で一つのタイムラインにまとめた形です
※数値は割と適当&現実を正しく反映しているわけではないので、気を付けて取り扱ってください。

PCRは感度の良い実験ですが、検体を採取する場所にウィルスがいなければ絶対増やせません。それを示すのが緑の破線で、ここを超えると安定して陽性を出せる…と思い込んで図を見てください
また、一番下に陽性から陰性まで3週間と書いてありますが、これは軽症の場合で重症の場合は1月程度かかるそうです。

こちらについて正しく知りたい方は、こちらのGoogle driveのP5,P6が参考になります

自粛要請→緊急事態宣言のおかげで、感染の拡大は抑えられてきました。

これは、3つの密を避け、手洗い、咳エチケットを行ってきた成果です(めでたい)

しかし、いまだに少数の感染者の確認が続いています。
この少しずつ出てくる感染者は何なのかというと、

・無症状陽性の人から感染した人の発生
 ・上記人物から感染した人が発生
  ・上記人物のうちの無症状陽性の人から感染した…

というように、無症状のうちの感染の連鎖から、たまに漏れ出てくる陽性の人だと思われます。

コロナウィルス感染者の多く…少なくとも半数以上…は無症状と言われています。ですので、緊急事態宣言の効果が目に見えて現れてきた今日以降も、ズルズルと陽性者が出てくると思われます。

とりわけ
職場から無症状感染→家庭内無症状感染→別職場でクラスター感染

というような、無症状感染を2回以上挟んでしまい、濃厚接触者からの探査では拾いきれないパターンの発生が想定されます

こんな感じに、day 15で発生したクラスタと、day0のクラスタのリンクを踏むのが難しいみたいな感じのイベントがこれからちょいちょいと出てくると思われます

ですので、ウィルスの陽性者を0にしていくためには、もうひと踏ん張りの頑張りが必要です。

とはいえ、やることは簡単です。上の図にもあるような、1対1での小規模な感染を防ぐためのひと手間を加えればよいのです。
つまり、これまでの3密を避ける。あるいはソーシャルディスタンスを保つことの延長を家で行うということです。

コロナウィルスの特性の確認

厚労省の資料をもとに、コロナウィルス感染防御の要素を分割すると、

・距離をとる
・空気を入れ替える
・唾を飛ばさない

この3点に集約されています。
距離をとるは良く図解されているので、空気を入れ替えると、唾を飛ばさないのふんわり図解を。

空気を入れ替える

このように、呼吸によって少しずつ漏れて出てくるコロナウィルスが濃密になっていくイメージです。
空気を入れ替えることで、感染の可能性が高い、コロナウィルスの濃い濃度の空気を作らないことが重要です

唾を飛ばさない

呼吸では自分の周囲に、しゃべりや咳では、前方にウィルスを含む空気を飛ばす行動だと思いましょう。

マスクもしくは腕の内側で空気の通り道を防ぐことで

このように、しゃべりや咳による、大きな飛沫の遠距離への飛散を抑えることができると思われます。

参考となる動画としてはこちらを。マスク有り無しで、前方への空気の動きが阻害され、大きな飛沫が拡散していないのが見て取れると思います。

また、確認ではありますが、咳を手で受け止めると、そのまま口や目からウィルスを移す恐れがありますので、下図厚労省資料のように咳を受け止めましょう

一方、呼気によるじわじわとした拡散に対してはマスクは効果が薄いと思われるので、こちらは換気の徹底・物理的距離をとることで対策をしましょう

初期のコロナウィルス感染例から上記要素の反例を取り上げると

・距離をとれなかった(タクシードライバーなど)
・空気が籠ってしまった(タクシードライバー、ジム)
・唾が飛んでしまった(ライブハウス、会食)

と、このあたりの要素を満たしているのが分かります。
呼吸によって、あるいは唾によって空気中に飛んでいったウィルスを、そのまま吸い込んだり、手で触れて口に入れてしまうことが危ないということになると思われます。

よって、これらの要素を家でも防げばよいのです。
それを、家の中でやるべき行動に起こすと下記の3つになると思います

・清めの空間の作成(外からウィルスの持ち込みを防ぐ)
・食事の工夫(唾を飛ばさない)
・生活上の工夫(空気を入れ替える、環境を汚染しない)

清めの空間の作成

外と中の間に、仕切りを作り、室内にウィルスを持ち込ませないことが重要です。外で出会った人、触れたものがコロナウィルスを持っていた
"かもしれない"
ので、外から室内に入る前に、清めの操作をしましょう。

しかし、家の中に帰るときそのまま室内に入ってしまう人は多いと思います。ですので、ソトの穢れをウチへ持ち込ませない意識づくりのために、清めの空間を作ると効果的だと思います。

玄関と部屋の間には廊下みたいな空間があると思いますので、そこにつっかえ棒でカーテン的なものを作るとよいと思います。
上記は少し準備が必要なので、段ボールの壁などで移動を妨げるなどの簡略な移動阻害でもよいです。
心理的な壁、心理的に室内と分離した空間(清めの空間と呼称)を作り、

清浄になってから仕切りを越える

という気持ちの上での整理をつけ、確実に実行することが大事です。
清めの空間には、アルコールのボトルと、マスク回収用のごみ箱を置いておきましょう

清めの空間でやること

大きく3つです。

・上に羽織っている服があるなら脱ぐ
・マスクを外して、蓋つきのごみ箱に入れる
・消毒用エタノールで手指を消毒(なければ羽織っていた服の内側で対応)

薄手の服を一枚上に羽織るようにして、家に帰ってきた時には外側を内側に折りたたむようにして脱ぎます

装着していたマスクはウィルスが付着している恐れが高いので、室内の清浄を保つために清めの空間で外します。ウィルスの拡散を防ぐために密閉出来るゴミ箱にしまい燃えるゴミへ。再利用する場合や布マスクなら後ほど回収します

消毒用のエタノールで手指を消毒して、洗面所に直行します。そして、着ていたものをすべて洗濯機にしまって、手洗いをしましょう。
エタノールや服がない場合は、洗面所まで掌底や肘などを使って障害物を避けながら進むとよいです。

上記の部位が代表的ですが、意識しなければほぼほぼモノと触れ合わない身体の部位がありますので、洗面所で手を洗うまではそういう部分を意識的に使用しましょう。
すくなくとも、様々なものを掴む指の腹よりは清浄です。
もしくは、触れた場所を後ほど拭けば、それでよいです。

こうすることによって、部屋の外(レッドゾーン)と部屋の中(クリーンゾーン)が隔てられます。また、安全な場所を意識的に確保することによって、家の中での緊張感の緩和につながる効果もあると思います。

家の中にウィルスを持ち込まない処理を徹底して行いましょう

食事の工夫

会食由来の感染からもわかるように、通常の食事もそれなりにリスクのある行いとなります。症状がない身内も、コロナウィルスをもっている
"かもしれない"
と思って対応することが重要です。

コロナウィルスは、感染が進むと唾にもある程度含まれると考えられてきています。ですので、他者の唾を口の中に入れないようにするため

食事中無言を保つ

ことが最も無難でコストの低い解決策になります。
ですが、それが難しい場合もあると思いますので、私からは2つの提案をさせていただければと思います。
空間的、時間的に隔離すればよいのです。

空間的隔離について

違う空間で食事をとれば、まず安全間違いなしですが、家族の個室がある家の人は珍しいでしょうから、一つの食卓を用いることを考えます。

大皿で取り分けるタイプの食事は、大皿が食卓の中心にあり、大きな飛沫の飛んでいく範囲に食品がある状態が長く続くためにリスクが大きいのではないかと推察します。

ですので、
・個人分の食事を小皿に取り分けて提供する。
・蓋のできる取り分け専用の容器、食器を用意し、取り分けを無言で行う(5/7追記…食器のフタを共通して触ることがデメリットになり得るので、上記の小皿に分けるが有効)
あたりが注意点かなと思います。

また、追加で行っておくと良さそうなのは、
・誰かの正面の直線上に他人の食器を置かない
・食卓中央にある程度の高さ(30~50㎝程度か?)の衝立を用意する

ことで、食品への大きな飛沫の付着の可能性を下げられると思われます。

時間的隔離について

これはやり方自体は簡単で、

・一緒に食事をとらない(食事のタイミングをずらす)

のが有効だと考えられます。とくに、感染すると被害の大きい人と同居している場合には、本人と相談の上で実施するべきかもしれません。

家族内で陽性が出てしまった場合、すでに家庭内で広がっている可能性が高いのが今回のウィルスです。
活動再開時までに各家庭にあった食事の仕方を探しておくと、家庭内感染のリスクを下げられると思います。

コロナウィルス重症化の目安(持病持ち、高齢など)と合わせて、リスクの大きさに合わせた対策をとっていきましょう

生活上の工夫

コロナウィルスの特性の確認でも触れましたが、このウィルスは空気中に一定量含まれていると感染する確率が上がっていく性質があると思われます。
ウィルスの吸入を減らすという観点から、以下の3点を守りましょう

・窓を開けて外気を取り込むことを行う
・15分以上の時間がかかる、至近距離(1m以内)での会話は屋内・屋外を問わず、避ける
・寝るときなど、長時間同じ空間にいる時は距離をあける

また、初期から言われていたように、汚染されたものを触った手で、口や眼、鼻を触ることで感染が移ることも考えられますので、
ウィルスとの接触を防ぐという観点から以下の3点もお願いします。

・モノを汚染しないように、室内専用のマスクをつける
・ドアノブなど、様々な人が触れるところは定期的に拭く
・タオルなど、体に触れるものは使い始めたら選択するまで個人専用にする

具体的なポイントについては感染者の看病の手順とほぼ変わりませんので、こちらのサイトの内容も確認していただけると幸いです

換気をするときのコツ

・対角線上を空気が通るように開ける
・空気の流れが一方通行になるようにする
・空気の入口は小さく、出口は大きく窓を開ける
・窓ガラスに高低があるなら、高いところと低いところをあける
・出口には換気扇を用いても良い

辺りが一般的な注意事項になると思います。
これからの季節、程よく暖かくなっていきますから、少しだけ窓を開けられるようにサッシ錠や補助錠を買っておくと防犯上少し安心かもです

ウィルスの不活化

ウィルスが働けない状態にすることを不活化と言います。これを行う手段が、手洗いだったり、アルコール消毒だったりします。

コロナウィルスは油で覆われた存在ですので、油を溶かす界面活性剤の含まれる洗剤で不活化します。
よって、洗剤にしっかりつけることができるならば、モノの洗濯、洗浄などは同時に行ってしまって大丈夫です。

ウィルスが体内に侵入するときに用いるタンパク質というものが重要なのですが、タンパク質の一般的な性質として、
80℃以上30分程度の加熱(タンパク質によって値が異なるので注意)
ハイター(pH13)で30分つけ置き
をすることで機能を失いますので、煮沸処理、アルカリ処理も効果的です

まとめ

最後の方、ちょっと雑多となってしまいましたが、これまでの感染例などからの類推で

・自身と周りの環境を意識的に清浄にする
・唾の飛散の防御
・空気の入れ替え

この三点を意識することで、家庭内感染のリスクを大きく下げられると考えられます。
また、自分や相手がウィルスを持っている"かもしれない"というかもしれないの気持ちを持って、安全運転に日々を過ごしましょう

より良い、緻密なデータや事実に基づいた対策案をクラスター対策班、厚労省から出てくると思いますが、ひとまず今までに分かった事実から対策できることを私見を交えて述べさせてもらいました。

それでは引き続き、これまでと同様の手洗い、咳エチケットを行い、ステイセーフな日々を送りましょう

個人個人がウィルスにかからない心がけをすることで、誰かの命を間接的に救っています。

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