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『ありえない仕事術』を読んだ

久しぶりに本屋を数軒回って買えた。

『ありえない仕事術 正しい”正義”の使い方』
ドキュメンタリーを制作されている上出遼平さんの著書である(出版社:徳間書店)。

星野源がラジオで薦めていたのをきっかけに知った。
その後、ヒコロヒーがこの本の書評を書いたという投稿をXで目にし、さらに気になった。書評からはタイトルに「仕事術」とついていながら、いわゆるビジネス書ではないことが読み取れた。

私自身、社会人になってから好んでビジネス書を読み漁っていた。しかし、正直最近はビジネス書での語り口や内容に辟易していたので、読んでみたいと思った。

出かける先々で見つけた本屋に入ってはこの本の在庫を店員さんに聞いた。が、どこも在庫切れ。ならばと行った新宿紀伊國屋書店でようやく平積みされているのを見つけ購入できた。

そして読み終えた今。月並みだが、衝撃を受けた。
これから読む人のためにネタバレを書きたくはないが、どうしてもネタバレになってしまう部分があると思う。この先は個人の判断で読んでいただけると嬉しいです。





これまで私が読んできたいわゆる”ビジネス書”に書かれていたことは、ある一定の条件、環境の元でしか機能しないのだと思わされた。

書いてある通りに実行したとしても、その人の行動、動機に「心」がなければ全く意味をなさない。この事実を叩きつけられたような気になった。

そしてだからこそ私は、揶揄して言われる「意識高い系」になんとなく苦手意識があるんだなと思った。

SNSで見かける正義めいたことを言っている人、怪しい投資をやたら進める人などに対して「なんだかきな臭い」「怖い」と感じるのは人としての「心」がないと感じているからなのかもしれない。

儲けたい、自分だけが得をしたいといった感情が透けて見えて、温かい「真心」のようなものの欠如を感じ取っていたのかもしれない。

本から感じたことは自分自身に置き換えたとき、果たしてどうだろうか?と問いかけたくなった。ちゃんと心のある仕事、生活をしているか?

きちんと胸を張ってイエスと言えないかもしれない。それもあって心の奥にグサっと深く突き刺さった。

ビジネス書を普段読み漁っている人にも読んでほしい。

正しさって、正義ってなんだろうと考えさせられるところが、遠野遥の『破局』や朝井リョウの『正欲』を思い出した。

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