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食の話

先日、「特別展和食」に行ってきた。満腹な状態で、身体中からカレーの匂いを纏いながら上野の銀杏の上を歩いて科博にたどり着いた。まあ上野でカレーと言えばの所に先に行って来たのだ。せっかくなので一番盛り沢山のセットを頼んだ。ご飯がデフォルトであんなに多いとは思わなかったので、次回はご飯少なめにしようと思う。そう次回も行く。一人でも行く。上野は何か感覚的に自分に合った土地ではない気がするが、美術館も住んでる所からの利便性もいいのでこれからも何度も訪れる地になるだろう。土地の話はまた今度にする事にして、今回は食だ。私は食には結構こだわりがある。コロナ前は一人で食べ歩きが趣味だった。仕事が暇だった時は平日に有給や半休を取って行列に並んだ。大体食べログを見て行った。あれ?これはむしろ食にあまりこだわりが無いのか?ただのミーハーか?後者か。世間一般の美味いが美味い。好きな人のタイプもそうだ。多分。異論は受け付けます。


さて、特別展和食だが、それこそ盛り沢山だった。日本に今ある野菜がほとんど外国から来たものだったり、発酵の話だったり、魚の話だったり。人類で初めて酒作った人って何なんだ?!酵母とか生き物みたいな?(生き物?)ものを利用するとか、魔女?深掘りすると何時間も必要になりそう。もっとその単元をゆっくり味わいたい。もっと知りた苦なった。日本の歴史からその時代の人は何を食べて来たかみたいな展示もあった。しかし、庶民と上流階級の人の食事の違いたるや!酷い、平安貴族が白い飯に鯛のお刺身やトコブシ何かを食べてる時に、庶民は米?玄米?と菜葉の汁のみとか。ああ酷い。我々の祖先なんてほとんどが農民だったとして考えると、今の自分は白飯は食えるが何だか怒りが湧いてくる。大河も戦国武将やらが出て来る歴史小説も読みたくなくなるってもんよ。俺ら庶民は這いつくばって米作って、年貢に取られて…。って今はそんな事ないか、いやあるか。消費税とか色々。って食の話だった。しかし、エライ人たちの食膳には大体鯛と鴨、鮑、トコブシ。後、何か芋の煮たの。その中でも鯛、多かった。なんで鯛? それも刺身。塩焼きはわかる。美味い。しかし、私鯛の刺身、そんなに美味いと思ったことがない。白身は火を通したい。その方が味がある気がする。刺身だと醤油だったりポン酢食ってんじゃねえかって思う時がある。醤油もポン酢も好きだが。きっと本当に美味い白味の刺身を食べていないのかも知れない。庶民だから。


そして、思い出したんだが、昔はいいもん食ってたと。実家にお婆ちゃんがいた頃、お歳暮かなんかで鴨?かなんかがそのまま送られて来たことがある。さすがに母は捌けず、お婆ちゃんが羽をむしって綺麗に捌いた。それが鍋になった。私の小さい頃はまだ祖父母ぐらいの年齢の人はそうやって生き物を捌けたんだな。一家に一人が二人そんな人がいたんだな。教えてもらったらよかったかも知れないけど、そんな技術使うことそうそう無いもんな。いや、先のことはわからないけど。そうだ、ネマガリタケ?姫竹?みたいのは剥いたことはある。あと、栗。両方虫出てきたな。栗はそれで一時期食えなくなったな。ナイーヴで情けない。しかし、私には少し変わったところがあって、食えないものに果敢に挑戦するところがある。食べられないのが悔しいのだ。食い意地だろうか? まずブラックコーヒー。苦くて飲めたもんじゃなかったが、カッコつけて無理して飲んでいたら飲めるようになって今はブラックの酸っぱいやつが好き。そんな感じで、その後、ビールだの日本酒だの焼酎(物によって飲める)だの飲むようになったが、いまだに南瓜の煮付けとサツマイモの焼いたりふかしたした奴の美味しさがわからない。喉に詰まる。自分ではDNAの中に戦争中に食べ過ぎて嫌になった、っていう情報が組み込まれているのだと思っている。しかし、いつか挑戦したい。美味いと思える焼き芋を食べてみたいのだ。そうそう、特別展和食の最後の方に、「あなたにとっての和食とは」みたいなのを来館者に付箋に書かせるようなコーナーがあって、「母の作ったブロック状のチーズの入ったコロッケ」と書いて貼った。何だか母が懐かしくなった。そしてやたら鰻が食べたくなった展示だった。(行ってみたらわかる)


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