【軍隊生活の思い出 -1話-】少年時代~入隊
ひっこしの準備で片付けをしていたら、今は亡きわたしの祖父(父方)が晩年に綴った、軍隊生活の思い出を記録した手作りの冊子が出てきました。
この冊子、平成25年に御年92歳の祖父が綴ったものを、パソコンでテキストに起こして冊子にしたものです。
戦時中における当事者の鮮明な記憶が綴られていました。
祖父もまさか人生の一番濃い時期の記憶を、孫にnoteで公開されるとは思ってなかったと思いますが、その貴重な体験談を、以下の6話に分けて綴りたいと思います。
この記事はその第1話になります。
軍隊生活の思い出 ~祖父の記憶より~
少年時代~入隊
昭和七年から八年頃は、満州事変、支那事変など、大変な時代でした。
そのころ私(祖父)は小学生で、学校でも軍隊式訓練が毎週行われ、兵隊にあこがれていきました。
昭和十年、小学校卒業と同時に少年航空兵を志願し、甲種合格(五名)しましたが、志願者が多く、抽選漏れで残念に思いました。
昭和十五年、いよいよ徴兵検査の年となりました。当日は検査の手伝いを命ぜられ、検査場に終日おりましたが、なかなか合格者が出ませんでした。
五番目に初めて甲種合格者が出ました。私は四十五番で二人目の合格となり、大変嬉しい思いをしました。
翌、昭和十六年三月一日、熊本砲兵第六部隊へ入隊の命令が来ました。
いよいよ、二月二十八日出発です。
小学校の校庭で出発式があり、同級生 五~六名だったと思いますが、それぞれの部隊へ入隊の為、一緒になり見送りの人それぞれ国旗を振って送って下さいました。
駅に着くと、見送りの人で身動きもできない程の人の山でした。都城行きと熊本行きが同時出発だったので、歓呼の声でごった返していました。
その夜は旅館に泊まり、いよいよ三月一日は入隊です。
「入隊一年目」につづく
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