葦会 yoshi-kai

「思考」する事を楽しみ、毎月1回、同志が集まって一つのお題について議論する会。

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最近の記事

葦会#08 東浩紀「訂正する力」

今年最初の葦会とnoteへの記録 2024年最初の葦会を1月13日に行った。第八回目。今回の本は東浩紀氏による『訂正する力』。参加者は3人。 会が終わる度に、交代でこのnoteに記録を残していくというルールを作っているが、各々の仕事の忙しさなどもあり、これまで会に参加している4名全員がそれぞれ一回分の宿題をもっている状況となってしまった。 このnoteへの記録というものが、いつの間にか少し気合を入れて書かなければならないものとなっていたことも一つの原因かもしれない。本来

    • 葦会#09 藤原辰史「ナチスのキッチン:「食べること」の環境史」

      3月30日(土曜)に行われた葦会について、 前回の投稿と同様に今回は簡易的な自分たちの備忘録として、書くこととする。宿題として溜まっているコラージュシティの投稿は骨がいることもあり、未来の自分に託したいと思う。 今回は、参加者4人(うち一人オンライン参加)というかたちで行なった。選書である『ナチスのキッチン──「食べること」の環境史』について、簡単な概要は下記だ。 ーー 1919年から45年のドイツ(ナチスによる空前の支配体制下)での、台所の現代史。 システムキッチンの発

      • 葦会#04 福岡伸一「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」

        第4回葦会が5月27日に開かれてからほぼ4ヶ月が経った。その記憶は相当に朧気なものとなった。今回テーマに選んだ本によれば、数ヶ月経てば人を構成している分子がすべて入れ替わってしまうという。すなわち葦会の日の自分と、この文章を書いている自分は全く別の物体だけれど、流動的ながらも平衡を保つシステムをもっているため同じ自分だと認識できている。 「葦会」について この葦会という会は、1〜数ヶ月に一回、毎回参加者の誰かが選んだ本を事前に各々で読んでおき、調べたことや考えたことを5分

        • 葦会#02 ティム・インゴルド , 工藤 晋 「ラインズ 線の文化史 」

          第一回の投稿から、早3ヶ月。 なかなか筆が進んでいなかった「葦会」の議事をGWの時間を生かして重い腰をあげた筆者である。 投稿が遅くなった言い訳をすると 2月開催予定の会が諸事情により1ヶ月延期になり、 更に個人的な事由だが新生活への準備に思った以上に手間がかかってしまっていた。 そんな緩い構えや偶発的な出来事によって右往左往する様は「葦会」的であり、まさに今回輪読を行なった「ラインズ 線の文化史 」の総括ではないかと思う。 早速、以下に3月12日日曜の15:00から行

        葦会#08 東浩紀「訂正する力」

          葦会#03 小川公代「ケアの倫理とエンパワーメント」を読む

          F:選書担当、Y:レポート担当、参加者:N、K #03は小川公代著「ケアの倫理とエンパワーメント(講談社)」を対象に葦会を開催。小川氏は論考において、文学作品内の登場人物たちが抱える悩みや葛藤を借りて<ケア>の概念にアプローチする。当日の葦会では、著作内で扱われる豊富な文学作品とそれを解釈するケアの哲学との交錯に、葦会メンバーは都度翻弄される。とは言いつつ、四者四様の立場や背景を以って、論考に対しての考えを擦り合わせと議論の場をつくることができたと思う。 本編に行く前に…数

          葦会#03 小川公代「ケアの倫理とエンパワーメント」を読む

          葦会#01 篠原一男「住宅論」

          2023年1月の終わり、小さなちゃぶ台を囲んで、記念すべき「葦会(よしかい)」の第一回が開かれた。 筆者(F)は現在大学院を卒業して1年目のペーペー社会人なのであるが、今まで自分の興味のある限り好きに生きてきて、初めて社会に出るとあっという間に脳ミソが凝り固まっていく感じが耐えきれなかった。 基本、人と違う方向へ進まないと気がすまない(天邪鬼)な性格でもあり、このまま社会に流されるものかと、濁流の中で必死に岩にしがみつくがごとく、その岩(居場所)が欲しかったというのが筆者サ

          葦会#01 篠原一男「住宅論」