「選択肢を広げる選択」

「選択肢を広げたいです。」

いや、どちらかというと、「選択肢を狭めたくないです。」
就活生と話していると、そんなことばを本当によく耳にする。

「幅広い経験ができて選択肢が狭まらない企業に就職したい」
「選択肢を広げるために人気の高い企業に就職したい」

すっごくよくわかる。その通りだなと思う。
自分だって「勉強頑張っていい大学入ったら選択肢広がるから」という言葉を信じ、勉強頑張ったりしたし、就活の時もそんな思いはあった。

でも、なんでかいつもこの言葉を聞くたびに違和感を抱く。その答えが最近自分の中でなんとなく見えてきた。

皆さんの人生の選択肢を広げる要因は、「選択」それ自体以上に
その前後の「行動」じゃないか。

どうやらそう感じていたらしい。

強豪サッカー部に入部した彼がプロ契約の切符を手に入れたのは
「強豪サッカー部への入部」という選択が(1番の)理由ではない。

東京大学に入学した彼女が、自分がやりたかった仕事ができる企業に入社できるのは、「東京大学への入学」という選択が(1番の)理由ではない。

その選択を実現するために必要だった努力の分だけ、選択以前に彼らの選択肢は広がっていたはずだ。
その選択の後、目の前のことに向き合ったからこそ、同じ選択をした人の中でも、さらに選択肢が広がったはずだ。

もっといえば「学生時代に頑張ったこと(いわゆるガクチカ)」が、面接で必ずと言っていいほど聞かれ、それが選考通過の主因になることを考えれば、
「行為」が選択肢を広げることは容易に想像がつくはず。

どうか、これまでの自分の「選択」前後の「行為」をもっと評価してほしい。
そして、就活というこれまでの人生の中でも比較的大きな選択に向き合うにあたって、それまでにやってきたことはもちろんだけれど、選択後の「行為」に思いをはせてほしい。

決して、
この会社に入社すれば必ず選択肢が広がる、なんて考えないでほしい。
選択肢を広げるのは入社後の行動以外の何物でもない。

自分がまさに、その行動において選択肢を狭めた苦い記憶があるからこそ、強くそう感じる。

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