【web小説感想】『高校生vsクラスメイト 〜ワケの分からない映画の誘いを潜り抜けろ!〜』著:一木 川臣+α
皆さまごきげんよう。夏の読書感想文企画でございます。
企画概要は第1弾の冒頭をご覧くださいませ。
noteでは第4弾となりますが、今回で最終回です。
長かったけど楽しかった~!
普段あまり推し作家さん以外のweb小説を読まないので、新鮮だったし何より勉強になりました。
これは最後の『終わりに』で少し触れますね。
さて、第10回は一木川臣さんの作品『高校生vsクラスメイト 〜ワケの分からない映画の誘いを潜り抜けろ!〜 』の感想を述べていきたいと思います。
第9回はノベルアップ+の作品でしたので、投稿サイトにてレビューしております。
よろしければ以下のリンクからどうぞ~。
あらすじと作品傾向
<作品傾向>
日常/ほのぼの/ギャグ/男主人公/現代/短編
感想
本作は、主人公である男子高校生の売木(うるぎ)が、自分に降りかかる無理難題をなんとか振り払おうと奮闘するコメディ『戦う高校生シリーズ』の1編です。
今回、売木が対峙するのは『見たくない映画にやたら誘ってくるクラスメイト』。
このクラスメイト、前作が”0に限りなく近い”と評価されたクソ映画を「名作だ」と絶賛し、売木を続編に誘ってきます。
逆に、売木は前作を視聴済みで、二度と見たくないと評価していたという状況。
これは絶対に断らなければということで、売木とクラスメイトの舌戦が開幕します。
まず率直な感想を言います。
めちゃくちゃに笑いました。
それはもう、声に出して笑いました。
コメディ小説はあまり自分から読まないので、小説読んで声に出して笑ったのって初めてなんじゃないかしら。
疾走感のある会話も面白いのですが、売木の一人称視点で語られる地の文のツッコミが本当にギャグセン高いんですよね~。
普段からどんなコンテンツを摂取したらこんなギャグセンスを養えるんだろうと本気で考えました笑
また、出てくる映画のタイトルがくせ者なのです。
その名も、『1兆1匹のわんちゃんvsエイリアン』。
そういう組み合わせする?
しかもこの1兆1匹のわんちゃんは全部ドーベルマンなんだそうです。
よりにもよってドーベルマン…
いやもう、正直ドーベルマンじゃなくても面白いんですけどね。
なんで全部同じ犬種にしちゃうんだろう…ってスペキャ顔になりました。
発想の勝利ってこのことを言うんだなあと脱帽でございます。
キャラクター設定もすごく良いんですよね~。
売木がなんとか別の映画を見るように誘導しようとするのを、その言葉の端々を摘み取って『1兆1匹のわんちゃんvsエイリアン』につなげるクラスメイトはなんだか狂気を感じるレベルのクセの強さでした。
大喜利ですか?と何度ツッコミを入れたことか。
というか、恋愛、アクション、SF、その他諸々のジャンルを網羅する『1兆1匹のわんちゃんvsエイリアン』は一体何のジャンルなんでしょうか。
もう『1兆1匹のわんちゃんシリーズ』というジャンルなんでしょうか。
そのジャンルに沼った人間って全員このクラスメイトのようになってしまうのでしょうか…もう神話生物じゃん。
ちょっとSAN値が削れてきたのでこの話はやめておきましょうかね。
また、そのクラスメイトに対峙する主人公、売木もなかなかにクセ強キャラでした。
作中で売木が『1兆1匹のわんちゃん』について解説するシーンがあるのですが、クソ映画と言いながらそこまで語れるのはもうすでにファンなのでは?と思ってしまいます。
多分誘っているクラスメイトは売木のそういうところをわかっていて誘っているのでは…と邪推してしまいました。
それに、一般的な高校生はシリアル食品を毎日お弁当として持ってこないのよ、売木くん…?
ずば抜けた語彙力とテンポで綴られるコメディ小説。
果たして売木くんは『1兆1匹のわんちゃんvsエイリアン』を回避できるのか?
とにかく笑いたい方はぜひ!今すぐ!読んでいただきたいです。
終わりに
冒頭にも書いたとおり、これで夏の読書感想文企画は終了です。
いや~、めっちゃ読んだ~!
めちゃくちゃ楽しかったです。やっぱ夏は読書ですね。
10作の中には続きの気になる長編小説もあったので、今後はそちらを読んでいこうかなと思っています。
私自身、webで小説を公開している身なので、今回の企画は大変勉強になりました。
いろんな方の作品を好き嫌いなく読むのって本当に大事。
文体はもちろん、体裁とかも参考にしたいな。
これは若干下世話な話なのですが、やりながら「この企画、私は勉強になるし、作者さんはPVが増えるし、めちゃくちゃwin-winなのでは?」と思いましたね笑
年末年始あたりも長いお休みがとれるので、また冬にでもやろうかな。
(需要があればですが…)
ラスト10作目として参加してくださった一木川臣さん、本当にありがとうございました!
企画を笑って終われたのは一木さんのおかげです。感謝!
本作は以下のリンクから読むことができます。
『小説家になろう』のアカウントを持っている方も、持っていない方もぜひ読んでみてくださいませ~!
https://ncode.syosetu.com/n6555hm/
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?