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勘違い女が自分の立ち位置を把握するまで

思えば、小さい頃は見た目なんて気にしていなかった。

美醜に関するセンスが皆無な私は他人の容姿に善し悪しを付けることが出来なかった上
高校生くらいまでは見た目の善し悪しを測る事すら考えたことすら無かった。

母親が、私が学校から持ち帰った学級写真を見て

「この子は可愛いね」と勝手に評価していたが
私はどの子も同じ様な顔に見えたし
母親が可愛いと言っていた子は実際クラスでは目立たなかったり虐められたりしていた子も居たので

恐らく、私の地域の同級生達は
中学生位まであまり容姿で人を見る事が無かったのだろう。

その事もあって、私も人を見た目で判断していなかったし、されるとも思っていなかった。

強いて言えば、弟の容姿が整っている事で「弟くんはイケメンに生まれて良かったね。それに比べてお姉ちゃんは…」と親戚に会う度に言われるイベントが定期的に発生する事が少し刺さっていたが

それもまぁ美人姉妹がいる家庭よりはマシな比べられ方なんだろうな、と問題視していなかった。

また、少女漫画を愛読していた思春期頃は

「女の子は無条件に皆可愛いし、年頃になったら素敵な恋愛を送ることが出来る」

と、漠然と淡い期待を抱いていた。

初恋から獲た教訓


だが、現実はそう甘くはない。

私は高校に上がって初めて男の子に恋をした。

「男の子は皆女の子が好きだし、女の子が少し思わせ振りな態度を取れば皆愛される」

恋愛に関しては少女漫画の知識しか無かった私は本気でそう信じていた為

漫画に習った思わせ振りな態度をとろうとした。

しかし、当たり前だが興味のない異性から思わせ振りな態度を取られても相手は困るだけだ。

さらに、当時流行っていた言葉が「ツンデレ」という事もあり

少し冷たい態度を取ったり

2人きりの時にだけ優しくしたりしていた。

完全に情緒不安定な奴だ。今思い返しているだけでも穴があったら入りたい。

高校生にしては幼すぎる恋愛知識しか無かった私は無事、彼に避けられる形で撃沈。

当時の迷惑は謝罪してもし切れないと思っている。この十字架を一生背負って私は生きていくつもりだが、ワガママを言えるなら謝罪する機会を与えられた上でこの枷から逃れたい。

ただ、同じ様な方法で彼氏を作っていた同級生も居た。

彼らは直ぐに別れていたが、彼女は学年一の美人と謳われていたので
「私もあの子位の容姿があればなぁ」と、密かに羨望していた。

一目惚れにより、自分の容姿の評価を知る

その後、大した恋愛もせず大学生になった私は

同じ部活のイケメンに一目惚れした。

「思わせ振りな態度は良くなかった、これからは勢いで生きていく」と心に決めていた私は

出会った翌日に告白していた。

クラウチングスタートよりも早い。もちろん、一目惚れなので内面なんて一切見ていない。

恋をするとIQ3になるとはよく聞くが、当時の私はまさにIQ3。

結果

「気持ちは嬉しいんだけど…俺、部内恋愛はしたくないんだ。ごめん。」

無事撃沈。


しかし、後に彼が友人と話している所をたまたま見つけた。

「お前アイツに告白されたの?」

私のことだ。良くないと思いつつ聞き耳を立てたら
どうやら、断った理由は「部内恋愛だから」ではなく
「私の容姿が可愛くないから」

とのことだったらしい。

過去に投稿したこちらのエッセイに詳細が載っているので時間があれば見て頂きたい。

https://mirror.asahi.com/article/14374764


これが、「自分が可愛くない」という事を正面から突きつけられた初めての出来事だった。

まだ大学1年生だったのに一生懸命私を傷付けないよう本音を隠して捻り出し
断りの言葉をくれた彼には頭が上がらないと今では思っている。

と、同時に

彼は学部一可愛い特待生と言われていた才色兼備の先輩と結婚間近という噂話と

「やっぱ美男美女は目に優しいね」

という噂をよこした友人の発言に自分の立ち位置を覚えた。

初カレから言われた事実

やがて、幾つもの片思いからの失恋を経て自己肯定感をすり減らす日々を経た数年後

私に好意を寄せてくれる人が見つかった。

あまりその人には関心が無かったが、恋愛経験の浅さがコンプレックスだった私は彼と付き合う事になった。

「こんな私にでも恋人が出来た」と少しだけ上がった自己肯定感を

「俺ってさ、B専だから。お前が彼女で嬉しいよ。」

この一言が打ち砕いた。

と、同時に「好きでもない相手と付き合うもんじゃない」という学びを得た。

中々向上しない自分磨きのセンス

可愛い子が無料の飲み会で、私は男性達と彼女の飲み代を折半するよう言われ

「どうして自分磨きをしようとしないの?」という悪意なき言葉に刺され

かと言って少し化粧を頑張った日には「老けて見える」と言葉の暴力に逢い

「可愛い子には優しく教える」と言っていた先輩から強く当られるなどの経験を経て

自分の容姿が劣っていることを十分自覚した。

だが、普通の女の子には劣るかもしれないが、私も一応自分の容姿を磨く努力はしたつもりだ。

ここで問題になって来るのが冒頭に述べた「センスの無さ」だ。

自分で服を吟味したり化粧動画を見て研究したが、センスの備わっていない私が1人で動いても思うように行かない。

そこで、可愛い子にあれこれ聞いて、通っている美容室を教えて貰ったりもしたが

その美容室で切ってもらった髪型についたあだ名は「夜になると髪が伸びる日本人形」

可愛い子には、元々の可愛い顔面があるから何をしても可愛いのだが、私はそうでは無いという事を悟った。

自分でもここまで容姿に執着する必要は無いだろうと思っている。だが、反芻される過去のトラウマがそれを辞めさせない。

なので、その事を忘れる為に沢山人を褒めて
「良い奴になろう」と努めた。

そのお陰か、有難いことにようやく周りの人間関係に恵まれるようになってきた。

こんなに必死に人間の形を保とうとしている私と仲良くして下さっている方々には頭があがらない。

本当は蝶よ花よと育てられたかったが、これも何かの試練なのだろう。

自分の容姿で悩んだことがない、人からブサイクと言われたことがない、或いは自分が美人だという自覚がある

こういった人達を羨ましいと思う反面

彼等には私の気持ちは理解出来ないだろうなという諦めの念を抱いているところもある。

でも、変えられないものは変えられないので羨んだりしてもしょうがない。

受け入れて、今日も私は性格の良い奴を目指す。

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