紙で遊ぶ プレゼント
ある日、テレビを見ていると、病気で髪の毛が抜けてしまった子どもが出ていた。お母さんが、おしゃれな帽子をかぶせていたけど、その子は元気がないように見えた。
髪の毛を伸ばすくらい、子どもの私にもできるんじゃない?伸びるに任せておけばいいだけなんだから。勉強も運動も容姿も関係ないよね?
髪を伸ばすのは思っていたより大変だった。けれど、なんとかやり抜いた。
そして、ついに夢見ていた日がやってきた。
久々にカットした。頭が軽くなった。帽子の子は、笑顔をくれた。「ありがとう。」「こちらこそありがとう。病気がよくなりますように。」「うん。がんばるよ。」
あげるだけでもない、もらうだけでもない。私たちはプレゼントを交換しあったのだ。私はただ、嬉しかった。