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11/13開催 Cの辺りイベントレポート|焚き火ブックカフェ vol.7『みえるとかみえないとか きこえるとか きこえないとか』

こんにちは。Cの辺りで一箱図書館の一角のオーナーをしつつ、焚き火ブックカフェの企画のお手伝いをしているイシヅカです。今回の7回目の会についてもレポートを書いてみました。

7回目の焚き火ブックカフェで取り上げたのは、ヨシタケシンスケさん作 の絵本「みえるとか みえないとか」。

「え、焚き火ブックカフェ?ナニそれ?」

という方は、まずはこちらのnoteをどうぞ。冒頭のイベント紹介を読んで、またこちらに戻ってきていただけたらとても嬉しいです。

実はこの日の茅ヶ崎サザンビーチは、朝からビュービューと強い風が吹き荒れていて、残念ながら焚き火は中止。

でも参加していただいた10名ほどの皆さんの頭の中には、焚き火の煙並みの「モヤモヤ」がたくさん立ち込めていた気がします。今回はそれくらい大きなテーマ。

そのテーマを一言でいうと「『違い』って、おもしろいもの?こわいもの?」です。

ヨシタケシンスケさん作「みえるとか みえないとか」ってどんな本?

今回の参加者のモヤモヤポイントを紹介する前に、肝心の今回のテーマである絵本「みえるとか みえないとか」の内容についてちらっとご紹介。

宇宙飛行士のぼくが降り立ったのは、なんと目が3つあるひとの星。普通にしているだけなのに、「後ろが見えないなんてかわいそう」とか「後ろが見えないのに歩けるなんてすごい」とか言われて、なんか変な感じ。ぼくはそこで、目の見えない人に話しかけてみる。目の見えない人が「見る」世界は、ぼくとは大きく違っていた! (Amazon商品ページより引用)

著者である茅ヶ崎生まれのイラストレーター、ヨシタケシンスケさんは、伊藤亜紗さんが書いた本「目の見えない人は世界をどうみているのか」という本をきっかけにこの本をつくったそうです。

ぼくは茅ヶ崎在住にも関わらず、あまりヨシタケさんのことを知らなかったのですが、素敵な絵本をたくさん作られています。興味がある方はこちらのヨシタケさんのオフィシャルサイトをどうぞ。

今回のモヤモヤポイント紹介

「本を事前に読んでなくても参加できる読書会」というコンセプトのこの読書会、まずは皆での本の内容のおさらいから始まります。

今回、事前の朗読を担当してくれたのは、一杯ずつ丁寧に淹れるドリップコーヒーのサーブも担当してくれた珈琲と本とぼくのことさん。抑揚がありつい、つい惹き込まれる朗読でした。

読み聞かせの様子

皆が本の内容についてなんとなく理解してから、次にそれぞれが感じたことを話す「モヤモヤトーク」をスタート。

そしてこのイベントタイトルには、絵本のタイトルに加えて「きこえるとか きこえないとか」という言葉が追加されているのに気づいた方もいらっしゃるかと思います。

なぜかというと、この日は聴覚障害者がかかえる様々な社会問題を広め、その解決のための活動をしている(一社)4Heartsさん代表の那須かおりさんと、理事の津金 愛佳さんにもご参加いただきました。トークタイムの中で、先天的な聴覚障害をもつ代表の那須かおりさんに対して、「音の聞こえない世界」がどんなものなのかについて、津金さんの手話通訳を交えながらヒアリングもさせてもらいました。

そこでは、以下のような話が出ました。

・そもそも「聴覚障害」は「目に見えない障害」とも言われ他者からも認識されにくい。
・日本は障害者を子供の頃から別の学校などに通うので、触れ合う機会がない
・聴覚障害を持っている人も、その他の障害を持っている人とも、一度コミュニケーションを始めてしまえば、それほど障壁自体を感じない(面白がれるし、突っ込んだことも聞ける)

そして、今回のテーマである絵本「みえるとか みえないとか」を読んだ皆さんが話していた、モヤモヤポイントを挙げてみると….。

・「違いに対して、好奇心を持つことが大切」ということを学んだ

・目の見えない暗闇の中での体験では、視覚障害がある方の方が自由だった

・大人より、子供の方が違いに対して好奇心を持ちやすい?

・違いに関して表立って話しにくい空気を感じることがある

・自分の片方の耳が難聴になったことに気づいた時、それを個性として受け入れたら楽になった

・後天的に難聴になった父が、羞恥心から自分では障害について言い出さなかった

・他人からはわかりにくい違いが世の中には沢山ある。それによって苦しんでしまうことをなんとかしたい。

・この本に書いてあること(=身体的違いや価値観の違いを面白がること)が、いつか当たり前の世の中になって欲しい

・違いに対する好奇心と不安は表裏一体

・理解し合えない違いを感じた時、わかってはいながらも怒りを感じてしまうこともある

・違いを面白がれる人、違いに臆病になってしまう人。その分岐点はどこにあるのか。その分断を乗り越えて、理解し合うにはどうしたらいい?

などなど、この日も違いを目の前にした経験のある参加者のモヤモヤは尽きません….

最後に

この日の海辺に舞う砂埃のように、吹き寄せられて集まったり、風で舞い上がっては、また散り散りに。この日のとりとめのない参加者の「モヤモヤ」たち。

そんなまとまらない、いや敢えて「まとめない」読書会「焚き火ブックカフェ」は、今のところ開催日すらもモヤモヤとしていて、不定期開催。今後の開催に興味がある方は、コワーキング&ライブラリー「Cの辺り」までお問合せください。


ものをつくるひとを応援するために、いろいろな現場を取材しています。ここで得たサポートは、その取材活動に活用させていただくことにしています。