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アブストラクトゲーム総合誌『Il fogliaccio degli astratti』について書いてみる

前回の記事はこちら。

こちらで紹介した「Fractal Tic-Tac-Toe」。
イタリアの方が考案しましたが、この記事を書いて調べると、また妙な鉱脈にあたってしまいました。


アブストラクトゲームの情報源

アブストラクトゲームについてまとめられたサイトはいくつかあります。
いってみれば「Boardgamegeek」や「ボドゲーマ」のボードゲーム全般情報サイトも入ります。

珍ぬが今まで記事として取り上げたものとしては『Abstract Game (Magazins)』や、

『The World of Abstract Games』を

あげてきました。
どちらも英語となりますが、GoogleやDeelLなどの翻訳アプリにお世話になりながらなんとか読むことができます。

じゃあ、他の言語、イタリア語でもいいよね?

Il fogliaccio degli astratti

ということで、今回紹介するのが『Il fogliaccio degli astratti(イル・フォリアッチオ・デリ・アストラッティ)』です。

Google翻訳で日本語に訳すと「抄録の葉」となりますが、これだと味気ありません。
イタリア語全く勉強しておりませんが、調べてみました。

「astratti」は英語だと「abstract」。
言い切ってしまうと「アブストラクトゲーム」を指します。
「degli」は英語だと「of」で、「Il」は英語だと「The」。
これらはこれ以上いじりません。

「fogliaccio」ですが、「fogli」と「-accio」に分けます。
「fogli」は英語だと「sheet」にあたり、日本語だと「紙片」とか「箋」とか(なので「葉」的な要素も含まれる)になります。
「-accio」は、「軽蔑」や「悪化」などの意味が加わる接尾語です。
なので「fogliaccio」は、「紙っ切れ」とか「落書きメモ」などの意味合いになります。
日本でも「愚息」とか「拙書」とか、わざと貶めて謙遜の意をあらわしたりしますが、おそらく同様でしょう。

ということで、『Il fogliaccio degli astratti』を訳すると『アブストラクトゲームの端書き』程度と思います。

活動概況

『Il fogliaccio degli astratti(イル・フォリアッチオ・デリ・アストラッティ)』の第1号創刊は2003年7月31日。
約20年前です。

バックナンバーは創刊号から残っています。
2004年まで発行された26号までは、テキストとしてアップされてお
り、ブラウザで直接読むことができます。

おそらく発行して2年間(〜2005年)はメールマガジンで配信などしていたのでは、と推測します。

2005年以降の27号からは、PDF形式になります。
これ以降は不定期は発行です。

取り上げるボードゲームの数も文量も次第に増大していきます。
テキスト形式期は多くても4つくらいでしたが、PDF版最初の27号で5つ紹介。
27号のページ数も2ページしかなかったのですが、45号では10ページに。
45号までは、最初のページの上部に書名があり本文もかかれる「新聞形式」ですが、46号からはじめて表紙がつきます。
発行ペースも、当初は月1回ですが、どんどん落ちて現在は年1〜2冊のペースですが、現時点での最新号(76号:2023年8月発行)は82ページ

質量ともに侮れません。


Tavolando

『Il fogliaccio degli astratti(イル・フォリアッチオ・デリ・アストラッティ)』を発行しているというか、親サイトに当たるのがTavolando(タボランド)のようです。

イタリア語で「Tavola」は「机」「テーブル」です。
「-ando」は、英語だと「-ing」にあたるようなので、「Tavolando」を意訳すると「ボードゲーム」でいいかな、と思います。

非常に気になるモノが並んでおります。
【Abstract Game League】
2021年より開催されているアブストラクトゲームのオンライントーナメント(使用するアプリはLittle GolemとBoard Game Arena)。
1年間に23回(月3回で、7月だけ2回)異なる種目で開催されて、順位ごとにポイントが与えられて総合ポイントで年間チャンピオンが決定します。

「Registration」の隣「Close(またはOpen)」を押すと、トーナメントの結果や進捗をみることができるようです。
また、トーナメントが開催されずキャンセルしたものもいくつかあるようです。

【Tavolando Project】
「La storia dei giochi」つまり「ゲーム(ほぼ伝統ゲーム)の歴史」の冊子を作るプロジェクトです。
現時点で最新バージョンは2021年2月に更新した4.0です。

【MOCHALUNT】
「MOCHALUNT(モカルント)」は、「MOnda CHampionado de Abstraktaj LUdoj por Naciaj Teamoj」、英語にすると「World Championship of Abstract Games for National Teams」で、訳すと「各国代表向けのアブストラクトゲームの世界大会」です。

で、この大会に関わっている人物の1人が前回紹介した「Fractal Tic-Ta-c-Toe」の考案者でもあるCesco Reale(チェスコ・レアーレ)さんです。

「モカルント」とコラボレートしているのが、Mind Sports OIympiadとイタリアのPerGioco.net

大会のスポンサーとなっているのが、以前の記事でも紹介したCosmoludo

と、Studio Supernova/XV Games。

XV Gamesのゲームは、バネストでも輸入販売しているのでご存知の方もいるでしょう。


締め

ということで、『Il fogliaccio degli astratti(イル・フォリアッチオ・デリ・アストラッティ)』の紹介でした。

……正直、本誌の記事をほとんど読めていませんけど。

というか、イタリアにここまでのアブストラクトゲーム熱があるとは。
本当、無知でした。

では。

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