□□□とボードゲーム(1.2)〜デュシャンとチェス
前回は毎年恒例の索引でした。
で、前々回の記事はこちら。
今回、相変わらずゆるくまいりたいので小数点で刻みます。
前々回の記事より
前々回の記事で、こんなことを書きました。
はい、「どんな色をどこに置くかの集積物」なんてありますが、受け売りの言葉でございます。
参考としたのはこちらの文言となります。
発言者は、
マルセル・デュシャン。
以下の本からの引用となります。
以前、自分はこんな記事を書きました。
こんなことを書きました。
便器はデュシャンの代表作のひとつ『泉』です。
ホントは『泉』よりももっと前からレディメイドに取り組んでいましたが、ノリでまちがえております。
それはさておき。
デュシャンの先程の発言の続きですが、絵の具もまた(画材という)既製品であると見ています。
表紙が好き
中尾拓哉さんが著した『マルセル・デュシャンとチェス』が発行されたのが2017年で、『泉』が出展されたと言われた年が1917年ですので丁度100年目にあたります。
表紙はデュシャンがチェスを研究している写真ですね。
題字の配置が実に凝っていて好きです。
壁紙がチェス盤と同じくチェッカー柄になっていますが、そのマス目1つ1つに1文字が収まるようにしております。
加えて、
マルセル・
デュシャン
と
チェス
と「と」の間の空白をふくめると、丁度プレイヤー1人分のチェスピースの数(16個)と一致します。
ま、偶然かもしれませんが素敵。
デュシャンの考案したチェスピース
実のところまだ2/3しか読んでいません。
といいつつ、気になったところを取り出してみます。
先程の発言をしていたデュシャンは芸術家として、代表作の1つ『大ガラス』を作成中のさなか、1918年にブエノスアイレスに移住します。
そして芸術から次第に離れてチェスに接近し、チェスプレイヤーとして活躍していきます。
そんなデュシャンですが、こんなチェスピースを作りたいと考案したそうです。
―――の部分は「繰り返し」の意味となります。
この引用をもとにしたのが、以下の図となります。
色が加わっている、とはいえピースの動きに変更はなく、通常のチェスと同じです。
これを「マーシャルのチェスピース」として生産販売し、売上の10%をマーシャル(当時、デュシャンが所属したニューヨークの「マーシャル・チェス・クラブ」の創始者、チェスプレイヤーのフランク・マーシャル)に支払う予定でした。
販売はしなかったようですが、試作品は作られているようです。
赤青黄緑黒白の6色は、ディック・ブルーナを思い起こしますね。
しかし、また何故チェスピースに色を加えたのかですが、そこら辺はデュシャンの頭の中の話です。
締め
ということで、今回はこの辺で。
次回もこの本からまた引用しようか……と思いつつ、どうなることやら。
では。
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