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ビジョナル(ビズリーチ)売上250億、時価総額1500億で上場。ビジネスモデルと今後の成長について考察

みなさんこんにちは林です。
普段は教育系ベンチャーの「POPER」でCOOを務めています。

CMですっかりおなじみの「ビズリーチ」を傘下に持つビジョナル株式会社が2021年4月22日東京証券取引所マザーズ市場に上場します。

時価総額は1500億円を超え、ITビジネスとして2021年最大級のIPOとなる同社のビジネスモデルを、いつものように同社の1の部を紐解きながら考察しようと思います。

リクルートやマイナビのように売上1000億を超えるような人材企業に成長するのか、あるいは別の方法で成長を目指すのか。非常に気になります。

それでは早速いってみましょう!

ビジョナルって何をやってる会社?

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「ビジョナル」という社名は聞き慣れない人もいるかもしれません。同社は2020年2月に株式移転により株式会社ビズリーチの完全親会社として設立されました。

設立は2007年。
2009年にプロフェッショナル人材とのダイレクトマッチングプラットフォーム「ビズリーチ」を開始。

その後2014年に20代の転職サイト「キャリトレ」、2016年に採用・人材管理クラウド「HRMOS」などのHRサービスを展開してきました。

また、人材領域以外にも
-2010年:セレクトアウトレット型ECサイトLUXA
-2017年:事業承継M&A「ビズリーチ・サクシード」
-2019年:物流DX推進の「トラボックス」
-2019年:オープンソース脆弱性管理クラウド「yamory」

など、HR領域以外の事業も展開しており、グループミッション「新しい可能性を、次々と」に従い、今後もプラットフォーマーとしてのポジショニングと築くことを経営方針として掲げています。

創業者はどんな人?

創業者は楽天イーグルスの創業メンバーでもある南壮一郎さん。

南壮一郎(みなみそういちろう)/1976年生まれ
6歳~13歳を父親の海外転勤に伴い、カナダ・トロントで過ごし現地の小・中学校に通いながら、サッカー、野球、アイスホッケー等、季節ごとのスポーツに明け暮れる。帰国後は静岡の高校のサッカー部キャプテン。
1999年、米・タフツ大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券・東京支店の投資銀行部に入社し、その後、2004年には楽天イーグルスの創業メンバーとなる。2009年に株式会社ビズリーチを創業。
引用元:https://keyplayers.jp/archives/6058/

なんともピカピカな経歴の方ですが、上記の引用元の取材記事にも記載のある通り、異常なまでの行動力も武器のようです。

起業背景

起業意識がもともとあったわけではないようですが、楽天イーグルス時代の上司(三木谷浩史さんや小澤隆生さん)達と「いつか肩を並べて仕事をしたい」と憧れを抱くようになり起業意識も芽生え始めます。

ビズリーチのヒントはまだ有名になる前のビジネスSNS「LinkedIn」。

そもそも社会構造の変化から起こる企業寿命の短命化と、日本的な雇用制度がどこかで限界を迎えるという考えから欧米諸国の変化に目をつけ、米ボストンの集中セミナーにてLinkedInに出会います。

そこから得たダイレクトリクルーティングのヒントからビズリーチを着想し、日本的な文化に落とし込み、よりクローズな「TheLadders.com」という会員制転職サービスを参考にビズリーチを創業します。
※このときに「TheLadders.com」のCEOに直談判で話をしにいっているのも南さんの強烈な行動力の一例です。
参考記事はこちら

ビジョナル社の主な事業のご紹介

前述の通り多角的に色々な事業を展開している同社ですが、売上の大半は人材関連事業ですのでそれに該当する2つの中核事業についてご紹介します。

1)ハイクラス転職サイト「ビズリーチ」

前述の通り手広く色々な事業を手掛ける同社ですが、全社売上250億円のうち70%以上の200億円は主力事業である「ビズリーチ」から生み出されています。

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ビズリーチは一言で言うと「年収が高い人向け転職サイト」なわけですが、特徴としては「ダイレクトリクルーティング」という「転職したい求職者」と、「いい人材を採用したい企業」とが直接繋がことができる点が、従来型の求人情報掲載メディアと異なります。

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従来型は求職者が行動し、企業側が選ぶというような構図でしたが、ダイレクトリクルーティングの概念を持ち込んだビズリーチは企業側やヘッドハンターが働きかけることで求職者側もフェアに自分の価値や市場と向き合えるというメリットがあり、爆発的にユーザーを増やしていきました。

結果として下記のような成長を遂げております。
売上が150億を超えてなお年で30%以上の成長です。

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2)人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」について

HRMOSは採用管理、人材管理ツール、で企業の人事が採用中の候補者の管理や、入社後の社員の管理を行うサービスです。
2016年に採用管理からスタートし、2019年に人材管理クラウドとして拡張、今後も勤怠、労務、給与の領域へも展開予定であり、総合HCM(Human Capital Management)
としてHR領域に幅広く浸透するサービスとなるよう成長を目指しています。

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また、HRMOSで採用から採用後の管理を一貫して行うことで、企業の人材活用・人材戦略を促進させていき、得られたデータを活用してビズリーチに繋ぐことで企業にあった最適な人材を採用できる仕組みを構築することも目指しておりこちらも堅調に売上を伸ばしております。

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ビズリーチのビジネスモデル

同社の稼ぎ頭であるビズリーチ事業のビジネスモデルについて解説します。

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ビズリーチのビジネスモデルはキャッシュポイントが複数存在します。

1)求職者:月額課金(月3,278円~5,478円)
2)企業側:アカウント利用料(6ヵ月850,000円)
3)企業側:採用成功報酬(年収の15%)
4)企業側:追加プラチナチケット(上記図では割愛)

売上の過半数は3)の採用時の成果報酬です。

・有料会員と無料会員の違い

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無料会員でも転職活動自体は問題なくできますが、有料会員だと選択肢が広がりアクション数も圧倒的に増やせます。

また、会員も二種類あります。

・タレント会員とハイクラス会員

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タレント会員かハイクラス会員かは登録時にビズリーチ側で振り分けられ、それぞれの会員で有料会員になるか無料会員のまま活動するかを選ぶことができます。

・企業側のメリット

企業がビズリーチを利用するメリットは、優秀な人材に安価に出会えることです。
人材紹介会社経由だと一般的に理論年収の30-40%程度を支払うケースが多いかと思いますが、ビズリーチであれば15%です。

ある一定規模を超えた企業ならば毎年中途のハイクラス人材を複数名受け入れることになると思いますが、そうなると社内の採用担当人件費+ビズリーチ手数料の合計が人材紹介会社へのFeeを下回ることになるわけです。

また、ヘッドハンターも依頼主に紹介する対象者を探す場として利用することが可能なため、企業数、ヘッドハンター数ともに利用者が増加しています。

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売上・利益

ビジョナル社の売上・利益をHR Techセグメント(ビズリーチ、HRMOS他)とIncubationセグメント(新規事業)でわけたグラフがこちら。

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HRtech事業は順調に成長を続けており2020年売上249億、営業利益33億円。
新規事業はまだ赤字なものの売上は伸びており10億円に届こうかというところ。まだまだ水準としては「第二の柱」になるには時間がかかりそうです。

ビジョナル社の今後の成長について勝手ながら考察させていただきます

それではビジョナル社の今後の成長の余地や、その方法についていつもどおり勝手ながら考察を行います。

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同社が今までビズリーチという事業を中核におきながら成長してきたことを踏まえ
同社の戦略として考えられるものを整理してみます。

①市場浸透戦略
稼ぎ頭であるビズリーチをさらに現状の市場(ハイクラス人材)においてシェア拡大

②新市場開拓
ビズリーチを現状同社がターゲットとしている「社員101名以上の企業」以外に提供していく

③新商品
ビズリーチ顧客に対して別商品をクロスセルしていく。
2016年から展開しているハーモスがこれに該当するため「ハーモスを更に伸ばす」という考え方。

④多角化
すでに前述のとおり同社が行っている、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」や物流DX推進の「トラボックス」などが該当。


個人的には②はあまりイメージができません。
101名未満企業は年間の採用人数の観点からターゲットにならず、大手企業についても、直接ビズリーチを利用していなかったとしても、付き合いのある人材紹介会社がビズリーチを使っている状況なのではないか?と考えました。

また、④の多角化に関しては実際にすでに同社内で推進されているため、今後展開していくことは間違いないのでしょうが、主領域と別で立ち上げた新規事業の成果の是非を論ずるのは困難です。。

ということで、本記事内でビジョナル社の今後の成長を考える上でのポイントを
①市場浸透・・・ビズリーチは後どのくらい伸ばせるのか?
③新商品・・・ハーモスはどれだけHRtech市場を獲得できるだろうか?

の2つにおき、それぞれ深ぼってみます。

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ここまで読んで下さってありがとうございます。
ここから今後の成長に関する考察部分に入りますが、有料とさせていただきます。

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