格差の可視化について

最近「格差の可視化」という言葉をたまに聞く。

「格差の可視化」とはどういう事かというと、現代のSNS(tiktok,X,Instagram,youtubeなど)の発達によって、今まで見えにくかった格差が可視化しているという事である。

具体例をあげると、20代のフリーターで年収200万円の人がいたとする。その人自体は身の丈にあった生活をしていて、生活に不自由はない。

SNSが発達する前であれば、特に劣等感を抱くこともなく生活する事ができただろう。

しかし、現代の社会では20代のほぼ全員がSNSをやっている。SNSで入ってくる情報の中には、20代のホストやキャバ嬢やインフルエンサーが年収数千万稼いでいる給与明細や購入したブランド物、かわいい恋人などが多数存在する。

誰もが自分の生活の中でも特にキラキラしている所をSNSに載せるので、尚更である。

これを見た20代のフリーターはどう思うだろうか。
とてつもない劣等感を抱く事は想像に難くない。

自分と同じ20代が、やりたい(と思われる)事を仕事にして、多くの人達から承認されて高額を稼ぎ、好きな物を買ったり行きたい所に行ったり充実した生活をしている。

その一方で自分は、毎日朝から晩まできつい仕事をし、上司や客には怒られ、安い給料で欲しい物も我慢する生活をしている。

SNSが発達する前であれば、ここまでの劣等感を抱く事は無かっただろう。なぜなら、現実でのまわりの人間関係は自分と同じ生活水準の人ばかり(の場合が多い)なので、そもそも自分がピラミッドの下層にいる事を認識しづらいのである。

しかし、SNSにはお金・収入に関する情報が溢れかえっており、現代の若者は自分のピラミッドでの位置を容易に認識できてしまう。

では対処法はあるのだろうか。私が考える対処法は以下の2つである。

①とにかく年収を上げる・やりたい仕事をする為の努力をする。

20代からの数十年間を劣等感と共に生きるのは、大きな苦痛である。現実逃避せずに、劣等感をエネルギーに変えて、自分のピラミッドの位置を上げる努力をするしか解放される道は無い。

しかし上には上がいるので、これだけではいくら努力していても幸せになるのは難しい。そこで大切なのが②である。

②自分の置かれている環境に感謝する。

いくら日本のピラミッドで下層にいるといっても、世界的に見ればかなり恵まれている方である。

世界には、毎日飢えと戦ったり、強制労働させられたり、空襲の恐怖におびえている人が沢山いる。

普段日本で生きていれば気付きにくいが、自分の置かれている環境がいかに恵まれているのかを再認識し、感謝する事が必要である。

①と②の両方が、幸せな生活を送るには不可欠である。「劣等感からの努力」と「現状への感謝」は全く矛盾しない。

ただ、これを両立するのは心理的に難しい場合もある。その場合は、まず最優先で①を行うべきである。

自分の努力が認められるにつれ、自然と感謝の感情も感じやすくなる。

格差の可視化という時代の流れから逃げずに、向き合っていく事で道は開ける。


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