【回想録】先輩修復職人からのメッセージ
家具修復の師匠・レナートの所で特に記憶に残っている修復の仕事がこれ。
1800年代の鏡台
輪染みや欠損パーツが多く見られ、全体の塗膜も薄くなっていました。
磨き直しのために鏡を一度外してみると、
1911年のオーストリアの新聞が鏡のクッションとして使われていました。
修復士がよくやる遊び心のようなものでいつどこで修復をしたかが次の修復士にわかるようにこういったものを中に残すことがあるそうです。
まだアンティーク家具の時間の感覚に慣れていなかった自分はびっくりして感動してしまいました。
アンティーク家具の修復というのは自分のやった仕事が最後というわけではなくまた次の修復士へと受け継がれていく可能性が十分にあります。
その修復士たちに恥ずかしくないような仕事をしっかりと残す、その場しのぎの誤魔化しはしない!そんなことをこの家具から伝えられた気がしました。
塗膜を一度剥がした後にフレンチポリッシュで磨き上げ。
新品の家具では出せない、なんとも言えない雰囲気に仕上がりました!
こんな貴重な経験をさせてもらいつつ時間はどんどんと過ぎていきます。。。
続く
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