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経営企画課長がプロコーチ養成スクールで学んだこと②〜基礎技術編

コーチングが目指すところ、仲間であるクライエントの「幸福の 3 条件」の感覚値を高めるためである。
人々には必ず善意があり、生まれながらに勇気があり、幸福につながる想いがある、協力できる存在であるという強い信念があってこそ、このコーチング技術が活かされるのでる。

仮説検証サイクルをまわして行動をしていくためには、まずどこに向かうか「目的」や「自分軸」をはっきりしておきたい。

ここまでは理論編でも述べていたことであったが、以下にコーチングで欠かせない技術的要素を挙げていく。


「未来制約がなかったらどうなりたい?」

といきなり問いかけられて、答えられる人はそういない。

素材がないからだ。

「本当はどうしたい?」を作り上げる為には、まずワクワクの素材集めが必要になる。
その素材というのは、その時の
「大事にしたかった事」や、
「楽しかった事」などに結びつく感覚などを言う。

それらの「感覚」は紐づけられた「感情」を入り口にして辿っていくことが出来るのだが、
ありありとした感情を思い出さなければ、
「正確な(精度の良い)素材(エッセンス)」とはならない。

再体験をすることで、その時の感情を振り返り、さらにはその質や強さ、他の感情なども触れることが出来、ありありと再体験しなければ、本人の意識下にある一部限定的な振り返りの情報に基づく精度の低い素材となってしまう。
ここで得られた素材(エッセンス)は、未来どうなったら良い?を作る際に、1つのパーツとして仮ビジョン作ってみて、他のエッセンスと組み合わせてどのようなビジョン(エピソード)になるか、何を優先的に、何を組み合わせるのか、など「未来どうなったら良いか?」のヒントになってくる。

仮に作った未来のビジョンやその素になったエッセンスを、現状の行動にどのように活かしていくかを、コーチングで考えていくのである。

つまり、ここで得られる素材(エッセンス)の精度が、事前体験する未来の「本当に欲しい度」に関わってくる。
しかし、ここで 10点満点じゃない未来でも、スケーリングを使いながら時間をかけて 10 点満点の未来を探っていくことも可能であると思われる。

つまりは出来事の再体験(臨場)をすることが、エッセンスを引き出すには有効と言えるのである。

下段にはありありとエピソードへの再体験を促し、感情を感じ、エッセンスを引き出すことにおいてのコーチングのポイントを記述していく。


エッセンスを引き出すには、エピソードを再体験(臨場)してもらうことが有効と前段では述べてきたが、クライエント一人でエッセンスを探るには、クライエントの視野が狭く限定的だったり、既存の思い込みが邪魔をして、正確なシーンや相手への感情、本当の想いが引き出せないことが多い。その時起きていた他の事象についてもスルーしてしまうことがある。

コーチングにおいて、コーチは出来うる限りの精度の高い再体験に誘うガイド役として振る舞い、時間軸、空間軸、他者目線、俯瞰目線という視野意識を広く持ちながら、クライエントが自身の体験からより多くの事柄に気づき、そのことから学びを得ることを支援するのである。

コンセプトとしては、あったことを見て聞いて感じたまま報告することではなく、「現場検証」のごとく、現場で「再体験」してもらいながらの体験・感情レポートをしてもらうのである。

現場検証にあたっては、コーチが現場の再現性を高め没入を促すために、雰囲気作りや感情を先行して表出したり、クライエントより少し強めに表現したりと、感情体験の呼び水となる

ような刺激を与えていくこともポイントとなってくる。

五感体験(VAK)を確認、まるでコーチがクライエントと同時体験しているように共感的に理解を深めながら、
サブモダリティ、
インタラクティブリスニング
「具体的には?」
「ほかには?」
「どうして?」、
出来事→思考→感情→行動
の順に辿ってみて、いままで気づきえなかった事柄やクライエントの意識になかったことに気づきをえられるように、上記の刺激を使って、深く思考や関係や感情を味わって、現場検証の精度を高めていく為、学習する視野意識を広くし、再体験を深める役割をもつのがコーチなのである。

前段では視野意識を広くもつ役割も体験学習を深めるうえで必要と述べたが、時間軸・空間軸のマトリクスに対し、周りの他人の状況であったり、客観的に見る俯瞰目線も学習を深めるにあたり有効な刺激、リソースになる。
過去(-)、未来(-)はリアルなビジョンを作りだす。
未来(+)、(++)はある種、上限であるが、未来(-)もあって光と影、輪郭がはっきりしたほうが欲しいものがより鮮明になるの

も、モチベーションを高めるためには、より明確な目的、目標を作るうえで重要なポイントになるだろう。

リソースのエリアを分けている意識をコーチが持っていると、そのエリアからのエピソードを引き出すことに役立ち、エッセンスを集めることにつながり、

過去(―)からは学び、同じ過ちを繰り返さないためのことを、

過去(+)は成功体験やパターンの素材を集めることにもなる。

自分の本当の想いに気づき、認知を切り替えるより良く生きる為の学習。
そのためには自分の奥深い部分を頭の認知地図を作り直す。

自分の内面で意味づけや整理できていない、ぼやけた状態では何が本当の自分の感情や、価値観、大切にしたい事に気づけない。

意識しきれていない漠然とした内的世界を、無意識下のことを、自分で認識しやすくするために、
ポジションチェンジ、
タイムライン、
付箋で字にする、
描いた絵、
イメージを投影したおもちゃを通して、
一度自分の外に出して見られるように、感じられるようにする。
そして出てきた想い、感情、価値観を自分の目で見てみると、初めて自分の現状に気づくこともある。(俯瞰)

言ってみて(どう?)、言われてみて自分の耳で聴いてみて気づくこともある。

そこから順序づけをしたり、優先度を確かめてみたり、周りの環境や状況、リソースも考慮しつつ、自分の本当の目的に沿って考えてみると、
どうしたら良いかということや、
相手や自分の本当の想いに気づいたところで、より目的に沿った形で自分の認知地図を書き換えることにつながる。

内的世界や自分の中の認知地図をはっきり明確にとらえようとするには、まずは外に出して、フィットする形に調整して、再び認知地図を書き込むという技術を、時と場所や特性を考えながら駆使している。

クライエントは時に、
「自分を認められない」、
「自分は変化を起こせない」、
「自分の人生の主人公として感じられない」、と思うことがあるだろう。

その時はいくらコーチングの技術を使おうとしても、クライエントは受け入れられず、動けない、未来や本当の目的を描けないことがあるだろう。

そんなクライエントを認め、それでも人生の主人公として、無限大の可能性があると信じ、リソースや、本当の想い、今まで頑張ってこられたその人の強さを感じ、
「なぜならば…」、
「私は嬉しい」とクライエントに伝える。

それにより、クライエントがほんの少しでも自分自身の意味づけが変わると、行動に変化

が起きるかもしれない。
うまくいってもいかなくて関わり続けてくれる人がいる。
たったそれだけでも自分の存在に意義を感じられる。

そこから、人生の本当の目的に向かって動き始めることができるのかもしれない。
それが勇気づけであり、
「自分 OK」、「自分のことを真剣に思ってくれる人がいる」「期待に応えたい」

“幸福の3条件”を高めるべく、根本な部分なのかもしれない。上で述べてきた技術を丁寧に、時と場所とクライエントの特性に臨機応変に駆使し、そして幸福の3条件への想いが存在することによって、クライエントの動き出す力を引き出して(ドライブにギアを入れてる状態)初めて、その技術が活かされるものなのではないかと考えた。【了】

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