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ぶらり町歩き 谷根千

2024/3/15  関東 晴れ

まだ3日目なのでスタイルが全然確立されていない。とりあえず日付と場所と天気を書いたらかなり日記っぽくなった。

昨日の日記で「今日は久しぶりに休みだぜヒャッホーウ!」とか言ってたくせに今日も丸一日休み。友達がいないわけじゃないもん!

時間があるので、シドニーで作成した「日本でやりたいことリスト」を確認する。
ふと目に止まったのは「吉祥寺 武蔵家」。

多分どこかで目にした家系ラーメンの情報だ。今日の昼飯はこれにしよう。吉祥寺もあまり縁がないのでどんな街かよく知らない。そういうところをあてもなくフラフラ歩いて見つける「偶然の出会い」が大好きなのだ。

が、ふと営業時間を調べてみたら昼の2時間くらいしかやっていない。
今から出ても間に合うが、これは行列に並ぶ必要があるかもしれない。
ラーメンは好きだが、行列に並んでまで食べるほどの熱はない。誰かと行くならまだしも、1人では並ばない。

ふーむどうするかと思案していたが、結局やめた。意外と吉祥寺が遠かったからだ。それにラーメンは昨日も食べている。


さりとて、知らない街に行きたいという欲求は治まらない。しばらくGoogleマップと睨めっこして決めた行き先は、谷根千だった。

そうと決まれば善は急げ。「お洒落なカフェでPC広げて作業しよ♪」などという子供用プールより浅い考えで、ノートパソコンを風呂敷に包んでバスに乗る。

日暮里駅に向かう道中で、付近の安いランチを調べる。今のうちに食べられるだけ和食を食べておけ、という謎の使命感に駆られ、「まま屋」というお店に行くことにした。

途中、乗り換えの北千住駅で漂ってくる立ち食い蕎麦の香りに負けそうになったがなんとか堪えた。偉いぞ自分。


日暮里駅に到着。春の陽気の中、軽快な足取りで進む。思えば日本の日差しは柔らかくて優しい。オーストラリアでは日差しが強すぎて常にスリップダメージが入っている感じだ。これが日本のおもてなしか。

少し歩くとお目当ての食事屋さんが。
チャキチャキしたお母さんがすぐさま出してくれたご飯は美味しかった。あぁ、やっぱり和食は沁みるわ。

優しいお味。

お腹を満たした後はついに谷根千へ。
有名な夕焼けだんだんの方へ歩いていくと、思いのほか外国人を多く目にするようになる。

おお、俺英語ちょっとは話せまっせ!困ってる人がいたらいつでも役に立てまっせ!と内心思っていたが、特に困った様子の人はいなかった。日本は今日も平和です。

でも時折聞こえてくる英語が聞き取れるのはやっぱり嬉しい。成長したなぁって。
夕焼けだんだんを「sunset step」って言ってた時は、なるほどと思ったけど。

Sunset Step. 言うてもただの階段。


お腹が満ちているので、通りに並ぶ雑貨屋などにふらりと立ち寄る。
なぜかこのエリアでやたらと猫を推していたので店員さんに聞くと、しばらく前まで野良猫がたくさんいたらしいが、マンションができて空き地が潰され、多くは保護猫となったらしい。

よって猫の雑貨屋とか像はまあまあ見かけたが、肝心の猫がいない。猫好きだけど猫アレルギーって人には良いかもしれない。


歩いているとトルコ雑貨のお店があったので中を覗く。なぜかゾロアスター教の最高神、アフラ=マズダのステッカーと説明があったのでトルコ人の店員さんと少し話した。

話の流れで、10年前にトルコ行ったことあるよって言ったら「今日ソウイウ人多イ!日本人私ダケネ!」って言ってた。愛想笑いって便利だよね。

それはさておき、ゾロアスター教は非常に興味がある。世界を巡る際は是非とも関連するものを見ておきたい。忘れないよう、すぐにその場でメモった。


そんな調子であの店にフラリ、この道にフラリと歩いていたのだが、谷根千はぶらり町歩きにとても良いということがわかってきた。

古着屋・雑貨屋・カフェ・古本屋・ギャラリーなど、メインストリートではない裏道や住宅街にひっそり佇んでいることがよくある。
有名店よりもディープでマイナーな隠れ家の方に惹かれる自分としてはたまらない。

住宅街に突如現れたタルト屋。

そんな、あてのない街歩きをしていると、道中の店で不忍マップというものを手に入れた。
このマップが結構よくできていて、ひとまず近場の良さげなお店へ行くことにした。

……のだが、その途中でさえ気になる路地裏やマップに載ってない道などを歩いていると、1つの古本屋が目に留まった。

例のマップには載ってなかった。

何の気なしに立ち寄ると、薄暗い店内の奥のカウンターで、白髪のオーナーらしき人がコーヒーを飲みながらパソコンで作業をしている。

ほとんど言葉を交わさないまま店内を見ていたが、やがてとある一冊が気になった。
少し中を読んで面白そうだと思い、たった300円だったのでその場で購入した。

著者は夫婦で、どちらも既に他界している。

これで後はいい感じのカフェを見つけるだけだ、とルンルン気分で店を出て、マップで目星をつけていたカフェに向かう。
この時点でカフェでPCを開くという当初の考えは綺麗さっぱり消え去っていた。マジで重いノートパソコン持ってくる必要なかったわ。

目的のカフェに着いたが、意外と店内は狭めでお客さんも入っていたため断念。
仕方ないので近くの個人経営らしき本屋に入り、オススメのカフェ情報を聞く。

教えてもらった次なるカフェは、手にした不忍マップに載っていた。そこに向かう道中、ふと横道を見ると鳥居が立っている。こういうところも良きである。

もちろんお参りした。

目的のカフェは案外近く、雰囲気も客数もいい感じだった。喉が渇いていたのでアイスコーヒーと柑橘のロールケーキを注文。
先ほど購入した本を読みながら、満ち足りたひと時を過ごす。

店内はゆったり。
窓ガラスに書かれた文字が
いい味を出している。
コーヒーの左奥に映り込んでるのは風呂敷。

やがて日も傾き、美味しいケーキも食べ終わったので、店を後にして家路に着く。

春はもう来てるんだなぁ。
なんてことない風景だけど、
とても日本を感じた。


***

今日一日、知らない町を散歩しながら意識していたことがある。
それは人と話すこと。

もちろん街ゆく人に誰彼構わず声をかける訳ではないが、立ち寄ったお店などでは結構店員さんに話しかけてみた。

それには理由があって、1番は世界一周目を見越してのことだった。
世界を巡るにあたり、1人ではどうしても孤独を抱える。それは旅の先輩に聞いてもそうだし、今までの一人旅の経験上そうなのだ。

なればこそ、いかに人と関わるか。
日本にいた時はあまり店員さんと話さなかった自分だが、今回は積極的に話しかけてみた。

すると当然だが会話が生まれる。そしてそれは決してネガティブなものではない。むしろ人によっては色々情報をくれたり、気づきを得られることも多い。

人と話すことで、通り一遍ではない自分だけの旅ができるのかもしれないなぁ、と思ったりもするので、今後も出来るだけ話しかけてみようと思った。

さて、今日の日記はこの辺で。
思ったより長くなってしまった。

今日もいい一日でした。
Hasta la vista!

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