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『どんぐりと山猫』

宮沢賢治シリーズ 第四回

かいのどうぶつえん 園長です。
今回は、宮沢賢治の童話『どんぐりと山猫』(Wildcat and The Acorns)です。
ある秋の土曜日、一郎少年に山猫からの葉書が届きました。
「あした、めんどな さいばんしますから おいでんなさい」
下手な字の依頼状をもらって、一郎は大よろこび。翌日、山に登って裁判に立ち会いました。
集まったどんぐりの数は三百以上。それぞれが自分が一番えらいと大声で主張し、収拾がつきません。困り果てた山猫判事は「裁判も三日目だぞ。いいかげんに仲直りしろ」・・・。
怒鳴られても、どんぐりたちは聞く耳持たずで、言い争うばかり。そこで一郎はそっと耳打ちしました。聞いた山猫はアドバイスに従い
「この中で一番ばかで、めちゃくちゃな奴が、一番えらい」と申し渡しました。
どんぐりたちは黙り込み、争いは一件落着。よろこんだ山猫は、”一升枡”に詰めた金のどんぐりをお礼にくれ、一郎に名誉判事になって欲しいと頼みました。
白いキノコの馬車に乗せてもらった一郎が、家に着くやいなや山猫も馬車もかき消え、金のどんぐりは普通のどんぐりにかわり、葉書は二度と届きませんでした。

黄色い目玉、髭の立派な「山猫」
僕が一番!私が偉い!

☆補注:『どんぐりと山猫』は、宮沢賢治が生前に出版した唯一の童話集『注文の多い料理店』(1924・大正13)に収録されています。
           <収録9作品>
1.『どんぐりと山猫』2.『狼森と笊森、盗森』3.『注文の多い料理店』4.『烏の北斗七星』5.『水仙月の四日』6.『山男の四月』7.『かしわばやしの夜』8.『月夜のでんしんばしら』9.『鹿踊りのはじまり』

2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長

            <貝の配役>
「山猫」 頭:ツメタガイ 目:キイロダカラ+ムラサキウニ 鼻:ザクロガイ ヒゲ袋:ヒメカノコアサリ 耳:シマメノウフネガイ ヒゲ・口:アカウニ 胴:タルダカラ 手足:ミノムシガイ+ヒメカノコ 尾:カニモリガイほか
「どんぐり」:キイロダカラ・ハナビラダカラ・イボダカラ・メダカラ・チャイロキヌタほか 「地面」:ホタテガイ 「岩」:イワガキ


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