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『カイロ団長』

宮沢賢治シリーズ 第二回

かいのどうぶつえん 園長です。
今回は、宮澤賢治の動物寓話『カイロ団長』(Commander Cairo.)です。
30匹の”あまがえる”が、森で花畑や庭をつくっていました。仕事の帰り道、新しい居酒屋に立ち寄り「一杯、二厘半の舶来ウェスキイ」を、粟つぶコップで二百杯、三百杯と痛飲。店主の”とのさまがえる”の狙いどおり泥酔し、勘定が払えずカイロ団の家来になりました。
翌日から、カイロ団長のとのさまがえるが「木を千本あつめろ」、「石を九百貫はこべ」、「できなければ警察にとどけるぞ」と、得意顔で脅しつづけました。
家来たちは疲労困憊。そこへ、空に浮かぶ”かたつむり”のメガホーンから、王様の命令が響きました。「自分で九千貫の石を運べ!」
しかし団長は大石を動かせずに、青息吐息でバタンと転倒。笑って眺めていた家来たちは、なぜか急に寂しくなりました。
するとメガホーンから
「あらゆる生き物は、かわいそうなもの。憎んではならん」と王様の声。
あまがえるたちは走り寄って介抱しました。とのさまがえるは、ポロポロ涙を流し、「もう、団長でもなんでもありません」・・・。

カイロ団長はダウンして大粒の涙・・・
かたつむりのメガホーンから多様の声が

補註:「一厘」(いちりん): 一円の1000分の1、「粟」(あわ):直径1.5mm位の雑穀、「九千貫」:33,750kg
『カイロ団長』(青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1918_18512.html

2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長

              <貝の配役>
カイロ団長:アサリ/ツメタガイ/サクラガイ/ヤクシマダカラ/カニモリガイ/ウノアシ/極小稚貝 他
あまがえる: アサリ/キイロダカラ/スガイ/ヒメキリガイダマシ 他
かたつむり(スピーカー):オシャレマイマイ 地面:マガキ :エダサンゴ


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