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#9 熱中症について Part 2

こんにちは、ZONOです笑。

昨日は熱中症(熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病)の分類と症状について投稿しました。今日は引き続き、熱中症の予防と対策について説明したいと思います。

熱中症の予防(Prevention)

熱中症の予防策はいくつかあります。その中で最も効果の高い予防策の一つと言われているのが、”段階的に暑さに順応させる”という方法です。NATAのPosition Statementでは、1〜2週間かけて段階的に運動の強度&練習時間の長さを変えていくことを推奨しています。つまり最初の2〜3日は低強度&短時間の練習から始め、日付が経つごとに高強度&長時間の練習にするといった形で段階的に負荷を上げるという事です。指導者の人たちは練習メニューを考えるときに、是非この事を意識してみてください。その他の予防策として、適度な休憩&適度な水分補給が挙げられます。水分補給の際、練習の前後で体重が2%以上減らない事を意識しましょう。実際に選手に練習前後で体重を計らせて、教育するのも良い手段です。正しい水分補強については改めて投稿したいと思います。また、当たり前のことですが、バランスの取れた食事、7時間以上の睡眠も非常に大切です。

熱中症の対処(Treatment)

万が一選手が熱中症になったとき、素早い対処が必要です。まず熱射病なのかその他の熱中症(熱痙攣、熱失神、熱疲労)なのか正しく区別しましょう。昨日も述べましたが、熱射病の特徴的な症状は中枢神経症状(意識障害など)核心温度40.5度以上の2つ。正確に核心温度を測定するためには直腸体温計を使用します。熱射病の場合、すぐに選手を冷水(1.7〜15度)に入れ、核心温度が38.9度以下になるまではそのままにしておきましょう。熱射病の状態が長引くほど死亡するリスクが高くなります。発症後30分以内に核心温度を下げることが非常に重要です。30分以内に核心温度を下げることができた場合、生存率は100%と言われています。そのため、この手順を素早く行うために、日頃の練習から冷水プールなどを準備しておきましょう。熱痙攣、熱失神、熱疲労の場合は、選手を日陰に移動させ、服を脱がし、水分補給と冷たいタオルなどで体を冷やします。どの熱中症も練習再開をする前に必ず病院を受診し、復帰しても大丈夫なのかお医者さんに確認してください。

まとめ

熱中症は素早い判断と対処が非常に大切。正しく対処が出来れば、100%助かる症状なので、指導者や保護者、選手、チームスタッフなど全員が正しい情報を知っておきましょう。それではまた明日!

Seize the Day

文献

Casa DJ, DeMartini JK, Bergeron MF, et al. National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Exertional Heat Illnesses. Journal of Athletic Training. 2015;50(9):986-1000. doi:10.4085/1062-6050-50.9.07


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