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#8 熱中症について Part 1

こんにちは、ZONOです笑。

ユタ州はここ最近ずっと天気が良く、気温30度以上の暑い日が続いています。これから夏本番に近づくにつれ、気をつけなくてはいけないのが”熱中症”。特に日本のような気温が高く、湿度が高い環境では汗の蒸発による熱の分散が阻害されやすいため、熱中症のリスクがより高くなります。そこで今日は自分の頭の整理&アウトプットという意味も含め、NATA(National Athletic Trainers' Association)が発行しているPosition Statementなどを参考に、熱中症の症状や予防、対策について投稿したいと思います。因みにPosition StatementとはATC(アスレチックトレーナー)が最低行わなくてはいけないガイドラインのようなものです。

まず、熱中症とは熱失神(heat syncope)、熱痙攣(heat cramp)、熱疲労(heat exhaustion)、熱射病(heat stroke)の総称。日本救急医学会から発行されている熱中症ガイドラインによると、日本では熱中症を、I度:熱失神&熱痙攣、II度:熱疲労、III度:熱射病の3段階に分類されます。I度の熱失神&熱痙攣の主な症状はめまい、立ちくらみ、大量の発汗などがみられ、II度の熱疲労からは頭痛、嘔吐、倦怠感などが含まれてきます。III度の熱射病は熱中症の中でも最も深刻な状態です。熱射病の状態が長時間続くほど死亡率、重症化のリスクが高くなります。熱射病の特徴的な症状は中枢神経障害(意識障害や発作など)と核心温度の上昇(40.5度以上)の2つがあり、核心温度とは、胸腔などの体の内側、深部の温度のことを言います。核心温度は直腸体温計と呼ばれる体温計を肛門から挿入し測定しなければいけません。直腸体温計は核心温度を速く、正確に測定する唯一の方法であり、NATAのPosition Statementの中でも強く推奨されています。その他の測定方法(脇の下など)は、運動をしている人を対象にした場合、体の外側で温度を測定するため、正確な核心温度を測るのは困難です。これらの症状、評価は熱射病と他の熱中症を区別するとき、そしてその後の対処をするときに非常に大切になるので、是非参考にして下さい。

今日は一旦ここまでにして、明日、熱中症の予防と対策について投稿したいと思います。それではまた明日!

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文献

日本救急医学会:熱中症診療ガイドライン2015.https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf

Casa DJ, DeMartini JK, Bergeron MF, et al. National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Exertional Heat Illnesses. Journal of Athletic Training. 2015;50(9):986-1000. doi:10.4085/1062-6050-50.9.07


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