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ミズナラスティック実験前半戦~この棒の特性を掴め~

SAKENOMIRAI研究所の企画に参加した際に頂いたアイテム

MIZUNARA AGING STICKS

24時間の漬け込みで2~3年の熟成感が出せるという面白い棒ですね

こちらにも書いたように、新政さんのお酒を使って実験をしていきたいと思います。

なんで新政さんなのかというと
生酛
モダン系の味わい
開栓後の味わいの変化がマイナス方向に行きにくい
樽香との親和性が高そう

こんなイメージで選びました


で、まずこのミズナラの木材の特性はというと

このあたりなどを参照すると
・伽羅や白檀など、高貴なお香を想わせる芳香と独特の甘やかさが出る
・新樽では木の香りがかなり強い
・樽では繰り返しの使用や長期熟成で真価を発揮する  ←!?
など

一回使い捨てのミズナラスティックではどうしたものか、というような特徴に・・・


とりあえずはやってみてから考えましょう、というのが前半戦。


開始前に新政 生成(エクリュ)の特徴ですが
・かすかに黄色がかった色調
・香りはクリーム様の柔らかさと、控えめにリンゴ系の爽やかさ
・甘味や旨味は軽快、柑橘の酸味と乳酸由来の酸味が飲み口~余韻までの味わいの形を作る。苦味や渋味は極小。
・爽酒の域ではあるが、薫酒の要素も含んでいる

簡単ですがこの具合でしょうか
これをベースに観察していきました。

期間は最終的に一週間


結論からいうと
・最初から黄色の色調になっていると、大きな変化では無いが少し色は着く
・木の香りは爽やかさと穏やかさのある若い印象で、重たさは殆ど無い
・バランスの面では漬け込んで48時間後が木の香りともともとのお酒の香りの調和が取れていた
・48時間後以降は木の香りがお酒の味わいを上回り、やや強く感じる
・熟成が進むごとに推奨飲用温度帯が上昇傾向にある
・木の香りが馴染んで柔らかくなるのが先か、開栓後の時間経過でお酒そのものの味わいが変わってバランスが崩れかけるのが先か

日ごとの特徴なんかは三代目𝐌𝐫 𝐒𝐀𝐊𝐄の並里さんが八海山を使って2週間に亘って観察していただいているのでそちらも見て頂いて。

正直な感想ですが、さっぱり系やキレイ系日本酒でこれを試すのは少し難しく感じますね
そもそもこういったアイテムに向いていたのがウイスキーやワイン・焼酎などの本来から香りの強い酒類というのもありますが
ある程度の長期の漬け込みでも木の香りがお酒の香りを追い越さない、言い換えれば木の香りが補助的な香りになるものを選ばないとバランスが取りにくくなりそう
甘味や酸味、旨味もあるような西日本の芳醇系、貴醸酒のような甘味の強いタイプ、熟成古酒あたりがやはり使いやすそうですね
またはシーバスリーガルのミズナラカスクフィニッシュの要領で、既に樽貯蔵されて販売されているお酒に対して漬け込むか・・・

単体での使用では、漬け込むお酒の特性も踏まえたうえで時間の調整をした方が美味しく頂けそうです


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次回の実験の予定ですが

前回の記事をご覧になった方はもしかしたら覚えているかもしれませんが

新政がもう一本残っています。

PRIVATE LAB 陽乃鳥

こちらを使っていく訳ですが
ただ漬け込むのは意味が無いので

ワインに数日漬け込んだ棒を
日本酒に移してその経過を追いたいと思ってますよ

使うワインもある程度条件を設けるつもりです

美味しく飲めるように工夫していきたいと思いますよ

ではまた次回。

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