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避けてるかもしれないけど、パック酒だって良い所あるんだぜ

随分と前の出来事になりますが、折角なので記事にしておこうと思います。

この前の記事では散々地酒を持ち上げておいてなんなんだって思うかもしれないですが、それはそれ。

時は2019年6月
場所は錦糸町
LITTLE SAKE SQUERE

所謂セルフ飲み放題系のお店
他店にあまり無いテーマを決めたブース分けがなされていて、飲みたいジャンルのお酒が見つかりやすく、寿司やお惣菜などの食べ放題イベントを頻繁に行なっているこのお店。

こちらの更に面白い所は定期的に興味深い飲み比べを行うところにあります。
県別、何でそんなの残ってるのか分からない古酒、有名銘柄など色々・・・

その企画のうちの一つがこれ。

大手酒メーカーの造るパック酒一斉飲み比べ。

皆さんも普段のお買い物の際に一度は見たことのあるであろうお酒たち。
なかなか壮観ではないですか。

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何で参加したかって?

そりゃあこういう機会でもないと買わないし飲むこと無いでしょうし
販売数の多いパック酒を知らないことには地酒も語れない訳さ。

そうだろう?


大手酒造メーカーといえば灘と伏見。
2大産地といってもいいでしょう
今回集められたのも殆どがその地域のお酒

価格は一升瓶換算にしても、純米大吟醸クラスでさえ2000円には届かない。
これで納得出来るのであればいかにお財布に優しいことでしょう

果たして納得出来るものだったのか
記憶を掘り起こしながら見ていきましょう。


結論からいうと

「初心者には勧めにくいけど、思っていた以上に悪くないし、中には旨いと思うものもいくつかある」

まずこの地域のお酒の傾向として、柔らかくふくよかな印象の旨味があるように思います。伏見は軽め、灘はやや重めで。

これはパック酒にも大方当てはまっており、初めての人が飲むと濃いとか甘ったるいと思われてしまうような味と取られてしまうこともあるでしょう。
ただ、日本酒にある程度慣れてきた方ならそのあたりは大丈夫かとは思いますが、それでも「日本酒らしい」味わいに感じるかもしれませんね。

次に感じたのは
大きなプラスになる要素は少なめではあるけれど、欠点になる要素(目立った苦味や渋味、バランスの悪さ、味わいの不安定さ、など)もかなり少ないということ。
常温で数カ月放置はアタリマエ。開けて味わいが悪い方向に変化してしまえばクレームが来るかもしれないような過酷な状況を強いられる大手メーカー。
その上でも売れ続けている安定感と安心感のようなものを少し感じるでしょうか


次。
これはこの地方のお酒だからかもしれないのですが
純米大吟醸より大吟醸の方が爽やかでおススメしやすいテイストになっている。
今回の会では、大吟醸と純米大吟醸を2つのメーカーで比較が出来たのですが、そのどちらも大吟醸の方が自分には好印象。
ベースがふくよかなので、後口が切れる方が飲み口が良かったですね。


次。
これはかなり印象的な点。
菊正宗さんが凄い。

以前から何度か飲む機会はあった菊正宗さん。
今回のように並んでいると、その中でもかなり光り輝くものがありました。
「きもと樽酒」ももちろん良かったのですが、やっぱりこちら
「しぼりたてギンパック」
このお酒は外せないでしょう。
発売から3年程経っているでしょうか。パック酒の中では新商品に入るでしょうが、やはりこの味わいの方向性は他社はまだ表現できていない世界でしたね。
パック酒のイメージが変わるような1本ですよ、これ。


最後。
様々なニーズへの飽くなき探求心。

並べてみると色々な特徴があります
樽酒
純米酒企画ではないけど米と米麹だけの日本酒
甘口
など。

その中でも一同を最も悩ませたお酒が
「糖質0の日本酒」

味も非常に興味深く。
味わいの輪郭ははっきりと感じるのだけれども、味わいの中身がまさに虚無を見ているような・・・
こうなるのか、って衝撃を受けましたよ

悩んだ末に、実験をすることになりました。

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カクテルベースとして活用したらどうなるでしょう。

いや、温めても虚無は変わらずだったので仕方なく・・・

ただ、飲んでみると意外と美味しいもので。
焼酎ベースのものに比べてアルコールの刺激がかなり弱く、なめらかな飲み口に。

こういう使い方でもいいのかと驚きでした。


自分はこういったパック酒について最近、
「1周半くらい回ってきた人が雑に扱えるようなときに良い酒」
みたいに表現することがあるのですが
ある程度色々な日本酒を飲み比べた中級者以降の人がその良さを理解出来るお酒
というようなイメージですかね

ふと思いだしたときに飲んでみると、新しい発見があるかもしれません。

最近新商品もまた発売されているようなので
気になる方は是非試してみてはいかがでしょう。

案外楽しいですよ。

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