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【怖い話】友達が霊にぶっ叩かれた話

以前、従兄弟が行方不明になってたぶん死んでる話と、それにまつわる祖母が拝み屋を頼って騙されたなんとも後味の悪い話を書いたが、この一連の行方不明騒動の最中、おそらく心霊現象だろうと思われることがあったので書いておきたい。


港でみつかった車

従兄弟の純(仮名)が行方不明になってから数カ月後、僕は10代の若者だけが出られるバンドのオーディションに向けて毎日仲間と練習をしていた。

その頃、純が乗っていた車のバンパーが港で釣りをしていた人によって釣り上げられた。

警察によるナンバーの照合で純と先輩が乗っていた車と確定し、それから数日後に重機を用いて引き上げることとなった。

車を引き上げる当日、立ち合おうとも思ったが、オーディション直前だったため、僕は港には行かず、自宅に泊まりにきた仲間と楽器の練習をすることにした。

現象1『暴力』

その日の夜のことだ。

深夜、練習に疲れた僕たちは、布団を敷いて眠りについた。
30分〜1時間くらい経った頃だろうか。
僕が眠るベッドの脇に布団を敷いて寝ていたベースのYが、

「いってぇ!!」

と言って飛び起きた。

盛大に寝ぼけてやがる。
そう思った僕は無視していたが、直後Yに起こされた。

「なんで叩いたの?」

どうやら頭をバチクソに叩かれたらしい。
必死に訴えるYだったが、僕は寝ていたのだ。叩く理由がない。
Yの隣に寝ていたもう一人の友人の手か足でも当たったんだろう。とりあえずそういうことにして眠りについた。

翌朝、そんなことをすっかり忘れていた僕たちは朝ごはんを食べて解散した。

現象2『猫と答えあわせ』

友人たちが帰ったあと、家にいた母が奇妙なことを言い始めた。
なんでも昨晩、当時自宅で飼っていた猫「チョロ」が仏壇の前にちょこんと座り、空中を見ながら、まるで誰かに遊んでもらっているように右へ左へと楽しそうにじゃれていたというのだ。

そこで僕はYが頭を叩かれた件を母に話した。
すると母はこう言った。

「間違いなく純が来てたね」

きっと車を引き上げたタイミングで我が家に挨拶にきたのだろう。そして猫と遊んでくれたのだ。
そして、Yのことが気に入らなくてぶっ叩いた。こういうことらしい。

Yにしてみれば理不尽ではあるが、なんともゴリゴリなヤンキーの純らしいエピソードだ。

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