ちょっとした無欲の積み重ねが文化を殺す。

音楽離れは「有料の音楽」離れに限らず「音楽そのものから距離を置く」と共に  (Yahoo! JAPAN 2016/4/7)

ういう記事が出てきたとしても、アーティストが音楽を創らなくなったり発信しなくなるなんてことはないんですけどね。
ただ、そこにクリエイターとリスナーの本格的な質の低下があるわけで。
ここで大事なのは、作曲者・プレイヤーの質の低下よりもリスナーとしての中身や購買力の低下の方がよほど恐ろしい、ということです。

完全に無機質な土壌には何も育たない。
青々とした花も、綺麗な花も生えてこないのです。

音楽レーベルを経営している身としては、こんなニュースは数年前からわかりきっていることですし、全く驚くことではありません。
その分、今超熱いシーンの東南アジアなどが注目されているんです。

そもそも、この「無料ですら飛びつかない」という泥沼は何も音楽に限ったことではないよね。一億総ウルトラデフレです。

本格的な二極化社会に突入してほぼ10年ほどになりますが、二極性をもっているのは収入面に限らず、物欲についても大きな差があるのは日本の特徴。

例えば、スマホをどういう使い方をしているかで、10代〜20代のこの先の人生は大きく変わってくるんだろうなぁ。無限の可能性を秘めているアイテムだけれど、毎月定額課金で無限の無欲泥沼へ誘ってくれる恐ろしいものでもあるわけです。スマホで音楽の購入・リスニングを解決できるユーザー層だって、実はものすごい低い。みんな聴いているようで、無料で観れる新作のCMや、無料で読める漫画アプリでインスタントな欲望を消費している。

そりゃ、アーティストだってクリエイターだって、ビジネスマンだって、日本から出たくなるさ(笑)
最近テレビの一つの潮流となっている「日本すばらしいよ」的な番組群に黙されていてはいけない。気がつけば、どんどんつまらない国になってきました。

一人のちょっとした無欲の積み重ねが、確実に文化を殺しています。
でも、負けないよ。これはビジネスとは別次元の話です。


では、また。




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