「リアル」すぎるバンコク。

こんにちは。
KARAKURI RECORDSの千野将です。
普段は主に企業やお店のプロモーション代行だったり、同名の音楽レーベルを運営したりしています。

2015年の一番のハイライトといったらタイはバンコクでの発見です。
とあるトレードショーのプロモーションのサポートと、自社レーベルの打ち合わせが目的ではじめてバンコクにいったんですが、その文化的な可能性の高さと人々のパワーに感動して帰ってきました。


それぞれの国にもいろいろな利権はあるんでしょうが、タイの場合はこれからさらに発展していくなかで街のデザインはどう考えられているんでしょう?2014年にクーデターで新政権が発足して以来、電車などの交通手段の開発も積極的に行われていると聞きます。バンコク北西部に伸ばすMRTパープルラインという鉄道線に、日本製の車両が納入されるなんて話も記憶に新しいですね。いくら発展していってもあまり日本みたいなゴミゴミしたレイアウトにだけはなって欲しくないなぁ。

これだけITインフラが整っているので、もうこれからの時代はやたらと従業員を詰め込む高層ビルなんてナンセンスですね。会社ごとにコンプライアンスやセキュリティを整えて、みんな自宅で仕事すればいいんです。

音楽の話。

バンコクの最老舗レコードショップNong taprachanの二人と。中心でいい感じに酔っ払っているのが僕です) なんだか画質が荒くていつの時代かわからないギャグみたいな写真ですがw、弊社所属のアーティストの将来的なプロモーションについてディナーしました。
バンコクにはCat Radioというインディーズミュージシャンに特化した最高にファンキーなラジオ局があるんです(リンク先サイトではリアルタイムにLiveで放送が聴けます)。聴いてもらえば分かりますが、R&Bからアコギ弾き語り、ポストロックからメタルまで、インディーズアーティストのリアルな作品が思いっきり流れます(笑) この局が主催する”CAT FES”や”CAT T-Shirts Festival”は、俗にいう”夏フェス”ならぬ”冬フェス”。タイピープルからは凄まじい市民権を得ています。詳しくは「Tripping!」の編集長が書いた昨年の記事を読んでみてください。(日本語)

夜風に吹かれながら音楽とビールを!タイで野外音楽フェスティバルに行こう。

このフェスがとにかくすごい。ビッグアーティストはもちろんのこと、アクティヴに活動する地元のミュージシャンがレーベルの垣根を越えて共演したりと日本でありえない演出もあります。特筆すべきなのが、平均来場者は3万人ですからね、3万人(笑)。タイの人々のリアルな音楽に対する意識の高さを伺わせます。上の写真に出たNong taprachanのマネージャーに聞いたところによると、タイでは今でもCDを買うという文化がしっかり残っているそうです。リスナーはライブに行って気に入ったアーティストが居たら、かなりの確率でお土産に物販コーナーでCDを買う。youtubeでMVは見るけど、気に入ったら作品をLIVE会場やお店でちゃんと買う。リスナーとアーティストの関係がとてもリアルですし、健全なものと言えます。それも、バンコクのあらゆるジャンルのインディーズアーティストのクオリティが異常に高いという事も手伝っていると言えます。

ラジオを聴いて感動した僕は滞在時から帰国してからも色んなタイニーズミュージックを漁るようになりましたが、今のところハズレがひとつもない。本当に全部いい。サウンドメイキングからアレンジメント、歌唱・演奏力も最高にぶっ飛んでいます。タイの環境なのか、それともシーンの醸成度なのか、何が起因しているのか分かりませんが、「本当にみんな音楽が好きなんだな」とそれぞれの作品を聴いていて思います。
バンコク在住の日本人ミュージシャンも活躍しています。aireというポストロックバンドには2人の日本人が居て、現地でもかなりのフォロワーが存在。チャットでのやり取りしかコミュニケーションしたことはありませんが、DrumのGinnさんとか滅茶苦茶いい人です。またバンコクに行った時はぜひ一緒に飲みたいものです。
(追記:Ginnさんもnoteをスタートしたそうです)



Cat Radio、ぜひチェックしてみてくださいね。
上のフェスにも日本のバンドも時々出演していると聞いたので、近い将来当レーベルからもアーティストをステージに送れるように頑張りたいところです。バンドのみんなと一緒にTiger飲みまくるぞー。

日本人がみたバンコク

最近では芸能人がテレビの旅番組などでタイにいったり、ネットでも「今タイが熱い」と特集されたりすることが増えてきました。熟成されてきたタイの独自の文化が、ITインフラの整備と政権交代によって一気に世界に表に出てきた形となるんでしょうか。その一方、まだまだ格差の是正には課題が残っているようです。現に僕の滞在時にも中心地と郊外の差には驚くものがありました。
国道を走りながら周りを眺めると、決して安全とは言えない家屋の群れや、整備されていない道などもまだまだ沢山。今回バンコクにいたのは数日間だったので、僕が知っているタイなど1mmにも満たないのは間違いありません。

それでも物価が鬼のように安いので、頑張れば毎月3万円あればなんとか生活には困らないのではないでしょうか。例えば屋台で売っている結構大きめのパンだとかは2バーツ(6円)くらいでゲットできるし、中心のそれなりのエスニックレストランでパッタイ一皿とビール4杯でも1000円で余裕でお釣りが来ます。バンコク国際便往復でもエアアジアなら確か15000円ほどだったはず。交通事情はまだカオスなところはありますが、住みたいくらいです。
「スケジュールを調整して2週間ほどバンコクのホテルに滞在して執筆する」とか実に効率的だし経済的です。環境って本当に大事ですから。大事なゲラとか長文の執筆時には本気で考えてみようと思います。

そんな中、日本人映画監督の富田 克也さんが次回作「バンコクナイツ」を現地でクランクアップさせたと聞きました。

映画『バンコクナイツ』特報

富田克也さんは同郷の甲府市出身で、独特の目線でアジアを切り取るアグレッシヴなクリエイターです。2011年、第64回ロカルノ国際映画祭にて独立批評家連盟特別賞、第33回ナント三大陸映画祭にて金の気球賞を受賞した前作「サウダーヂ」の監督としても有名ですね。

前作では地元甲府市を舞台に在日外国人の現状と日本の行く末を重ねた衝撃的な作品でしたが、今回の「富田ビジョン」にはどのような世界が映されているのでしょうか…。いま、日本人の富田さんからみたバンコクはどう映っているのでしょうか?監督自身もタイに惚れ込んで現地に長い間滞在されるほどの方。ただならぬ作品になる予感がします。現在編集中とのことですが、公開が待ち遠しいですね。

今回たまたまタイのことを書いていて思ったんですが、日本にも沢山の在留外国人がいる中で日本人はどのくらい彼ら彼女らとコミュニケーションが取れているのかなぁと。一瞬タイピングする手が止まりました。

海外の友人と話すたび、「日本人は英語に対してナーバスになり過ぎているよね」といった話題が必ず出ます。実際、英語がほとんど話せない人でも海外でも生活はなんとかなります。ジェスチャーでもいいし、今ではグーグル翻訳を使えばどうにでもなってしまいますしね。
普段とは全く違った環境に身をおいたその時に、本来その人が持っているセンスや度胸が試されるというもの。国内旅行もいいですが、実は都内からは沖縄と北海道に行くよりも安かったりする他のアジア諸国を見てみるほうが、よっぽど自分のアンテナ感度をアップできるのは間違いありません。

ライター仲間で、短期アジア滞在集中執筆合宿とか、面白そう。
仕事が終わったら屋台に飲みに行けばいいんですから(笑)

海外ネタ、面白いですね。長文を書いて有料化してみてもいいかな。

では、また。

Chino



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