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奨学金なろう #3 学歴コンプの憂鬱

*四肢切断 猟奇表現注意


「そうだ、賢者様。この団体に、名前をつけてはどうですか?」
 秘書代わりにしている猫耳娘が言う。眉下で切り揃えた前髪、横髪を顎のラインに合わせた戦国時代の姫を思わせる清楚なロングヘア、品のいいゴシックロリータのワンピース、ちいさな膝小僧、その上に鎮座する猫耳を思わせるニーハイソックス、まだ発育を迎えていない薄い胸板、ゴテゴテしたメイクなどと汚らわしいものがなくとも十分に華やかで、清らかで、あどけなく、そして愛らしい顔立ち。女とは、かくあるべきなのだ。幼女しか、勝たん。
「ふむ、それもそうだな。ではJaxya-Antifeminism Student Services Organization…略してJASSO、というのはどうだろう?通称は、弱者アンフェ学生支援機構としよう。」

「…ぷはぁ、ご主人様、しゅごいにゃ!」
「さっすが賢者様、あったまいい!」
「ひゃひゅあれひゅ、おにぃひゃま!」
奴隷たちが、ある者は涎を垂らしながら、ある者は頬ずりしながら、口々にほめそやす。

 俺がふんと鼻を鳴らし、満足げな表情を浮かべると、四肢のない奴隷たちは、競うように俺の陰茎にふたたびむしゃぶりつく。陰嚢に吸い付くものもいる。安楽椅子に座る俺の足元には、三匹の奴隷たちが俺の陰茎を奪い合うようにして群がり、蠢いていた。

 この女たちはみんな元々自殺願望者で、心中仲間を探していたのだ。俺も酒場の掲示板に自殺願望を抱えている旨を書き込み、心中仲間を募っているふりをした。この書き込みに釣られて、のこのことやってきた馬鹿な女どもを、スタン魔法で気絶させ、アジトへと連れ去ったのだ。そして手足をもぎ取ったり、歯を抜いたり、新しく習得した魔法のサンドバッグにしてみたり、夜伽の相手をさせたりと、ただただ俺の欲望を満足させるためだけに使ったのだ。はじめは抵抗していた女たちも度重なる調教の中でようやく自らが劣った性別であると悟ったらしく、俺の命令に逆らうこともなくなった。誤解のないように言っておくが、夜伽とはいってももっぱら口淫をさせた。俺の高貴で優秀な子種をこのような肉便器どもに注いでやる義理はないからだ。俺の尊いザーメンを初めて注ぎ込むのは、純粋無垢にして天真爛漫、猫耳娘のような汚れを知らぬ幼女こそが相応しい。

 口淫用の肉便器としては、歯のない奴隷が一番のお気に入りだった。歯のない口による吸茎は、歯があたる心配がないことはもちろん、歯茎独特の感触が堪らない。これは説明しようのないものだが、シリコーンに似ているようで、オナホールとは違う。喉の奥を突き上げると粘度の高い唾液が溢れ出てくる。それをローションがわりにして、舌全体で締め上げさせるのだ。

 またこの肉便器、生きた人間に本来あるべき手足も歯も目もないカタワであることが、俺が見捨てたが最後、やらねば生きては行けないか弱い存在だと改めて思わされ、庇護欲と優越感を掻き立たせるのだった。背中に所有印を押し当ててやった時も、短い手足をばたつかせ、声にならない声で叫んでいた。かわいそうに、舌を噛み切って死ぬこともできないのだ。もともと過食嘔吐癖があったらしく、歯は薄汚く黄ばんでいた。また、胃酸によって溶かされたのであろう、ガタガタと歪な形をしていたことを記憶している。
 また、この奴隷は間の抜けた言葉しか喋ることができないという点についても俺にとって都合がいい。俺が、時折この奴隷のみ部屋において口淫をさせ、いわゆるオホ声で獣のような嬌声をあげて絶頂していることは、俺とこの奴隷以外知る者はいない。そして、そのことをろくに喋ることのできないこの奴隷は声に出して誰かに告げ口することも、字を書いて俺に関する醜聞を広めることもできないのだった。

 JASSO。我ながらいい響きだ。
 弓使いの娘だけでなく、全国にひしめいているはずの貧乏学生、親なし学生を鴨にして、利息によって巨万の富を築くのだ。そしてまた新たな年には次の貧乏学生を鴨に。元の世界にいた「ホスト」とかいう男娼は、バカな女を誘惑し、借金を作らせ、自らが斡旋する風俗店で女を働かせ、女に貢がせるだけでなく、風俗店からも紹介料をもらっていた者もいるらしい。正直俺は、この「ホスト」とやらを決してよく思っていなかった。俺の中学時代の同級生のような、その場の空気感で孤高の存在を痛めつけ、そのノリをエスカレートさせることによって協調性を強め、Fラン大学にすら通えない、そういう存在だと思っていた。しかし、俺とて我が身を振り返ってみれば、バカな若者に借金を作らせ返済で雁字搦めにする、という点ではなにも違わないのかもしれない。
 俺は、俺の魔羅棒の裏筋を舐めようとするエルフの髪を掴んで、喉の奥まで咥えさせた。俺は絶頂の快感に打ち震え、全身を快楽触手に寄生されたエルフは、口の端から白い泡を吹いた。




「うーん、やっぱり浪人、しちゃだめ?お願い、一年だけ!」
「しつこいぞ。お前、うちにそんな金があるか?」
 あたしは魔法科アカデミーを諦めきれず、お父に尋ねる。無事、私立の魔法科アカデミーには合格した者ものの、公立の魔法科アカデミーには受からなかった。私立は公立に比べて倍くらい学費がかかるのだ。それに、村から街へ出なくてはいけない。街には、村のような美しい田園風景がなく、殺風景な建物ばかり立ち並んでいるらしい。それに、物価も高く、人も冷たく、治安も悪く、空気も水も食べ物も不味いらしい。あたしは、正直あまり行きたくなかった。高いお金をかけて、行きたくもない私立魔法科アカデミーへなんて。自宅で浪人をするいわゆる「宅浪」でもいいから、もう一度公立魔法科アカデミーを目指したいなと思っていた。

「そうだよねぇ。あたし、私立の魔法科アカデミー行くのやめて、村に残ろうかなぁ」
 試すように呟くと、お父はぎょっとした表情で反対する。
「なにをばかなことを言っているんだ。せっかく受かったんだから、私立でもなんでも通いなさい。初心を忘れちゃあいかん。」
 お父は最近よく家を空けるようになった。また、お父は30半ばくらいの、バツ1子持ちだという女シーフとよく連れ歩いているようだった。この女シーフは、時に家に上がり込み、まるでお父の奥さんヅラをして、家事や掃除も行うようになった。私を追い出して、女シーフと暮らそうとしているだなんて、まさかお父はそんな人じゃないよね?
「私立とはいえ、魔法科アカデミーに進学できるなんて、この村で一番の才女じゃあないか。なんて言ったって、村には最終学歴がアカデミー卒の者は数えるほどしかいないんだからなぁ!」
そう誇らしく思ってくれているのなら、やっぱり進学しようかな。

 すっかり母親ヅラで、うちに上がり込んでいる女シーフは、ふーっとパイプを吹いた。あたしが魔法科アカデミーに進学することを決めたと聞くと、安堵したようだった。あたしが街へ行くことが嬉しいような羨ましいような、そんなそぶりを見せて言った。
「まぁ、女が魔法科アカデミーなんか出ていても、何の役にも立たないけどねぇ。」

 はぁ?お前、魔法スクール中等科しか出てないじゃん。しかも前科多数、窃盗犯で現行犯逮捕されて現在執行猶予中の身じゃん。何言ってんだ?ろくに教育も受けないからろくな職にも就けず、犯罪行為に手を出すんだ。この売女が。あたしはあんたと違って、魔法科アカデミーで倫理道徳を身につけようと固く誓った。

 シーフなんて名乗っているが、そもそも泥棒って職業なんだろうか?


(続)


*この記事は全てフィクションです。実在する人物・団体・主義主張などとは一切関係ありません。あと、私は別にフェミでもアンフェでもありません。また、なろう系についての知識はまとめサイトやブラウザからなんとなく得た聞きかじり読みかじりものを使用しています。


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