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べらんめえ(349文字)


べらんめえ口調のあの親父に聞いてみたところそのやり方では四方八方うまくいかねえってことなんで何とか工夫しなきゃなんねえなと反省しきりな訳だが、お前がいうよりも容易くはねえ。その答えを探してるそれ自体が俺にとっては苦労だし工夫だし苦役ってものなんだがいまいち伝わってないのがなんとも歯がゆい。とにかく、まずは一歩ぶらっと街に出なくてはと思うんだがどうにもこの布団から出る気が起きない。足も出ない手も出ない。舌だけ出してみるかチラッと。そんなことでのんのんと毛布にくるまっていると気がつけば夕暮れ。銭湯でも行くかあとようやく這い出してみるとなんだ着信が六件か七件かなんだかやだなと呟いてみるが誰にも聞こえちゃいねえしましてや着信が消えるわけでもない。チラッと舌をだしてその場をやりすごして、財布を手に俺は銭湯へ。


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