見出し画像

インド市場でどんなスタートアップが調達調達しているかを調べてみた。<2018.7 第4週>

こんにちは、ぞえ氏です。

今回は、個人的に気になったインドのスタートアップ資金調達案件について公開情報をもとに2018年7月第4週に資金調達のニュースが流れたものを独自に調べてみました。

スタートアップ界隈の方に需要があれば幸いです。笑

VTION

概要    :メディアアナリティクス
拠点    :グルガオン、ムンバイ
競合    :Zapr
調達額   :28万ドル(約3,000万円程度)
調達方法  :AngelList India、エンジェル投資家
シリーズ  :不明
資金使途  :プロダクト群の拡充、人材確保、特許出願関連費、隣接するデジタル領域への製品ロードマップの強化など。

音楽ストリーミングアプリ等のユーザーデータ解析を、ダウンロードやMAU、DAUによらず、WEBサイト解析のように第三者による分析を可能にしたソリューションを提供している企業ですね。


Gympik

概要    :フィットネス集約プラットフォーム
拠点    :バンガロール
調達額   :約100万ドル(約1.1億円程度)
累計調達  :約1400万ドル(約15億円程度)
調達方法  :RoundGlass Partners(既存投資家)
シリーズ  :プレシリーズA?
資金使途  :サービス開発費

フィットネス専門家を検索できるフィットネスセンターのアグリゲーションサービス。

ユーザーとトレーナー双方に別々のアプリを提供することで、ユーザー側はパーソナルインストラクターの詳細情報やフィットネスセンター設備を一覧で見ることが出来、フィットネストレーナー側は自分の顧客のパフォーマンスをトラッキング、スケジューリング等をすることができます。


Digit Insurance

概要    :一般顧客向け保険
拠点    :バンガロール
競合    :Paytm、Olaなど
調達額   :約4,400万ドル(約49億円)
累計調達  :約9,400万ドル(約100億円)
調達先   :フェアファクスホールディングス
資金使途  :新規プロダクト投資、流通ネットワークの拡大

調達本体は、既存投資家であるカナダの億万長者プレム・ワトサ率いるフェアファクスホールディングスから親会社Fairfield社への4,500万ドルの調達。その中から4,400万ドルがDigitへの調達となる見込み。

自動車、携帯電話、旅行、宝飾品の保険など一般顧客向け任意保険分野に革新的な保険サービスを展開しています。同社は保険加入プロセスをすべてデジタル化し保険に手軽に加入できるサービスを提供することを長期的な目標としています。国内最大手の決済会社Paytmや配車サービスOlaなど他業界から一般向け保険へ参入を開始するなど、インドの保険市場からは目が話せませんね。


Awfis

概要    :コワーキングスペース
拠点    :デリー
競合    :wework、ClayWorks、IndiQubeなど
調達額   :約2,000万ドル(約22億円)
累計調達  :約5,100万ドル(約56億円)
調達先   :セコイア・キャピタル、TTS:IO、Radha、Raakhe,Yes Bank、Innoven Capital
シリーズ  :シリーズC
資金使途
  :既存展開地域でのコワーキングスペース開設、新都市展開

インド初最大手コワーキングスペース事業者。群雄割拠のコワーキングスペース業界ですが、その中でインド初コワーキングスペース事業者として最も累計調達額が大きい同社。インド全域で150万平方メートルのリース契約を結んでいるとされています。


LoginRadius

概要    :顧客識別管理プラットフォーム
拠点    :ジャイプール
調達額   :約1,700万ドル(約19億円)
累計調達  :約1,830万ドル?(約20億円)
調達先   :ForgePoint Capital、M12(Microsoft VC)
シリーズ  :シリーズA
資金使途
  :製品開発、顧客獲得、グローバル展開の加速

何十億という顧客識別情報を安全に管理し取引するプラットフォームを、ファッション雑誌のVogue、メディア企業のThe Weather Network(TWN)、健康関連のスナック会社KIND LLC、CBCを含む3,000以上の企業にサービスを提供しています。

以前はMicrosoft Venturesとして知られていたM12は、Microsoftのシード投資部門で、1社あたり200万〜1000万ドルの間で投資しています。一方ForgePoint Capitalは、サイバーセキュリティ分野に特化した投資を行う3億ドルのファンドとなっています。


Ather Energy

概要    :電気二輪車メーカー(スクーター)
拠点    :バンガロール
競合    :Ultraviolette Automotive
調達額   :約1,900万ドル(約20億円)
累計調達  :約6,200万ドル?(約70億円)
調達先   :Hero MotoCorp Ltd.

同社は2013年に設立され、当初は2016年に電動スクーターの発売を見込んでいましたが、製品テストに予想以上の時間がかかり2018年6月に2つの電動スクーターを発表しました。インドのスタートアップにしてはアプリもWEBもプロダクトもかなりイカしたデザインをしている印象を受けます。

同社は他スクーターとの差別化要因として、駐車支援、遠隔診断、オンボードナビゲーションといったインテリジェンス機能を挙げています。

実際にインドで販売されている一般的なスクーターの約2倍の価格設定になっているので2輪車版テスラ的な感じですね。


Trell

概要    :旅行動画ブログプラットフォーム
拠点    :バンガロール
調達額   :約125万ドル(約1.3億円)
調達先   :BEENEXT、WEH Ventures、Google IndiaのRajan Anandan、Anupam Mittal、Shaadi.comの創設者ほか
シリーズ  :シードラウンド
資金使途
  :製品、技術、データサイエンスの分野における人材確保

短時間のビデオベースのコンテンツを通じて旅行者の関心を集める、ミレニアル世代をターゲットとした「現地体験発見の動画ブログプラットフォーム」。動画コンテンツは、ユーザーが作成した動画からプロの撮影作品まで様々となっています。

Trellは現時点で、iOSとAndroidの両方で約60万人のユーザーを獲得しています(インドでは450,000人)。北米からは50,000人、東南アジアでは約3万人のユーザーが利用しています。収益モデルについては、YouTubeモデルを採用。

BEENEXTは、ブランド宅配買取のBrandear(ブランディア)を運営するデファクトスタンダードの親会社BEENOSを創業した佐藤輝英氏の立ち上げたファンドですね。

Lal10

概要    :インド職人とバイヤーのEコマース(B2B)
拠点    :ノイダ
調達額   :非公開
調達先   :エンジェル投資家
資金使途
  :新デザインの開発、人材確保

Lal10はインドの職人と世界中のバイヤーを結ぶオンラインマーケットです。約9,000人のインド職人と直接連携し、公平で透明性の高い価格設定メカニズムを保証しているとしています。現在18カ国に300以上のB2Bクライアントを持っています。

なぜか今サイトが開けませんが。笑

Entropik

概要    :感情認識ソフトウェア
拠点    :バンガロール
調達額   :約110万ドル(約1.2億円)
調達先   :Parampara Capital、Arthavida Ventures、Jitendra Guptaと共同でBharat Innovation Fund(BIF)
シリーズ  :プレシリーズA
資金使途  :AIプラットフォーム

Entropik Techは、2016年に設立され、脳波マッピング、顔面コーディング、視線追跡などの最先端技術を使用して、消費者の認知および感情反応を追跡する事業を展開しています。

そのサービスの核となるSaaSプラットフォームAffect Lab 2.0は、消費者の感情を解析するために開発され、潜在的なユーザーの反応を測定することにより、ユーザーが広告、予告編、プロモーションについてどのように感じているかといった情報を提供していくとしています。

確かに感情部分で測定できるというのが実現できれば、かなり幅が広がりそうですね。

AyurUniverse

概要    :ウェルネスセンターアグリゲーター
拠点    :バンガロール
調達額   :約100万ドル(約1.1億円)
調達先   :エンジェル投資家
資金使途  :AIとVRを用いた顧客体験価値の向上

こちらの会社は、病気や健康、リハビリのためのアーユルヴェーダ(インド発祥の世界最古の予防医学)およびヨガのパッケージを一覧で検索し予約できるオンラインプラットフォームを提供しています。

同社には現在、インド、スリランカ、ネパールのウェルネスセンター300箇所に2,500種類ものウェルネスパッケージを提供し、190カ国以上の国からのユーザーがいるといいます。

TheCapitalNet

概要    :SaaSソフトウェア開発
拠点    :デリー
調達額   :約50万ドル(約5,500万円)
調達先   :Lindwall Family Investments LLC(LFI)

同社は、起業家が容易かつ効率的にビジネスプランを作成し、投資家にストラクチャードな方法でアプローチできるよう、初の製品「TheBizPlanner」を開始したようです。

myHQ

概要    :コワーキングスペース
拠点    :デリー
競合    :Awfis、weworkなど
調達額   :約50万ドル(約5,500万円)
調達先   :Anupam Mittal(People Groupの創設者)Sachin Bhatia(TrulyMadlyとMakeMyTripの創始者)、Nitish Mittersain(Nazara TechのCEO&創設者)、Singapore Angel Network、Outbox Ventures、GEMBA Capital、および他のエンジェル投資家
資金使途  :新都市拡大、コミュニティの形成

サブスクリプションベースのモデルを使用したmyHQは、ワークスペースのすべての面倒事を解消しています。デポジットは無く、毎月のレンタルは無料で、ワークスペースも無料です。

myHQサブスクリプションでは、高速Wi-Fi、事務用品、無料の印刷、快適な座席、飲食物の提供など、標準的な作業設備を備えたmyHQのパートナースペースにアクセスできます。

weworkのように不動産を保有するのではなく、標準的な作業設備を提携先パートナーの一部に配置することで、どこでもコワーキングスペースにするという発想は面白いですね。


Shuttl

概要    :バス集約プラットフォーム
拠点    :デリー
競合    :Awfis、weworkなど
調達額   :約1,100万ドル(約12億円)
調達先   :Amazon India、Amazon Alexa Fund、電通ベンチャーズおよび既存投資家VC
シリーズ  :シリーズB
資金使途  :地域拡大、エンジニアリングチーム拡大

Shuttlは、通勤者がシャトルバスの座席を予約できるアプリです。現在、同社は150の路線を運行しており、デリー-NCR、コルカタ、プネで毎日45,000台の乗車が可能で、800本のバスを運航しています。

バスとタクシーの間のポジショニングで、好きな場所で乗り降りしてタクシーより安いといういいところどりなサービスですね。日本にほしい。


とりあえず、本日はここまでの紹介にさせていただきます。できれば毎週創っていきたいと思いますのでお楽しみに。

応援いただけると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?