JFL 第18節 高知ユナイテッドSC プレビュー

第16節 東京武蔵野ユナイテッドFC 1-3 高知ユナイテッドSC

前節の新宿戦では、71分にCKから左WB16番の左足で蹴ったボールを長身左CB3番が頭で合わせ、第10節しまね戦以来となる勝点+3を獲得した高知。開始早々からその勢いのままハイプレスとハイラインで武蔵野を圧倒。2分には、武蔵野がまだ落ち着かないところを右サイドのスローインから高知が押し込み、右ST8番の打ったシュートがCF9番に当たりコースが変化。さすがに武蔵野のGK1番も反応しきれず先制点となるゴールを幸先よく奪った高知。武蔵野は前節三重戦と同様に立ち上がりからの失点を繰り返し喫してしまった。そこから、高知はますます勢いに乗りハイプレスとハイラインで武蔵野に全くつけ入る隙きを与えさせない。ところが16分に、右サイドの混戦を抜け出した武蔵野が、素早いワンツーからのクロスに一度はシュートブロックされたが、詰め寄った右SB6番の打ったシュートが見後に入り同点とした。しかし、その4分後の20分には、センターラインより少し相手陳内へ入った左サイドから、左WB16番が右足で蹴り上げた大きなミドルクロスに、ペナ内で競り合った右ST8番が武蔵野の左CB3番からファールを受けたという判定によりPKを獲得。それを中CB10番が冷静に決め追加点を上げた。その後、高知は立ち上がりから押し進めていたハイプレスとハイラインから、守備に重心を置くディフェンシブな戦術へと切り替えることで、武蔵野からゴールを奪われることはなかった。さらにAT+1分には、ダメ押し打となるゴールを左ST7番が決め、これで高知は今期初めての2連勝を上げた。

第17節 高知ユナイテッドSC 3-0 ホンダロックSC

試合開始は、お互いリスクを嫌ってかロングボールを蹴り合うところからこの試合はスタートした。しかし、10分過ぎた辺りから少しづつホンダロックが試合の主導権を握る展開へと進んでいった。高知も守備に重きを置きながらも、攻撃時には最終ラインやサイドからCF9番へハイボールを送るなど、カウンターでの反撃を虎視眈々と狙っていた。そんななか、55分、ホンダロックのクリアボールをホンダロックのMF24番が、どういう判断だったのか分からないが頭で勢いよく最終ラインへリターンしてしまったために、高知の左ST11番がそのボールを収めて左WB16番へと繋げ、16番の精度の高いピンポイントクロスに逆サイドの右WB28番が打ったダイレクトボレーシュートが先制点となるゴールを奪った。その後、再度ホンダロックが押し込む展開となったが、75分、ホンダロックは最終ラインからビルドアップを始めるところで、右SB20番がイージーなトラップミスでタッチラインを割ってしまう。そこから高知は、素早いスローインからボランチ2番→CF9番へと繋ぎ、右ST11番が追加点となるゴールを奪う。2点差となったホンダロックはますます押し込もうとするが、84分、右CB5番の蹴り上げたロングボールのセカンドボールを、CF9番が収めて右ST11番とのリターンをもらう。その際にホンダロックのボランチが、2CBの左脇のスペースを埋めることができずに、そこを突いた9番がフリーに近い状態で勝利を決定づけるゴールを奪う。この勝利で高知は3連勝を飾ることになった。一方でホンダロックは、自チームの守備の乱れから3失点を喫してしまい痛過ぎる4連敗となった。

第8節 高知ユナイテッドSC 0-1 奈良クラブ 振り返り

第7節三重戦から中3日とタイトなスケジュールに加え、感染症のためトップチームの選手5名が出場できないという緊急事態のなかで開催されたのがこの試合。そのため、前半は守備を重視して何とか失点を0に抑え後半勝負というプランを立てて望んだであろう高知。一方で奈良は、最終ラインとダブルボランチの活躍で中盤を制して相手陳内でゲームを進める展開となった。そして32分には、加藤選手からのロングボールに浅川選手が決勝点となるゴールを頭で決める。その後も奈良がペースを握るが、82分には、高知の左ST14番からのクロスにフリーに近い状態でCF9番が頭でシュートを打たれるも、ボールはアルナウの正面だったためキャッチする。結局高知はゴールを奪えず奈良が勝つことになった。

noteでの感想

高知ユナイテッドSC プレビュー

この2試合を見てみると高知の基本フォーメーションは第8節とほとんど同じの3-4-3に感じた。攻撃時も変わらずおそらく3-3-3-1で、ビルドアップ時はボランチの6番を起点に縦に速い攻撃から、左WB16番と右WB28番が両サイドから正確なクロスでチャンスを作り、CF9番へ合わせて両ST8番と11番が攻めていくスタイルが目立った。守備時も大きな変化はなく両WBが下がって5-4-1となり、武蔵野戦の序盤で見せたハイプレスの時は、前線5人が相手の最終ラインを積極的に仕掛けていき、最終ラインはセンターライン付近まで押し上げていた。それ以外ではこの2試合でも守備に重心を置いている時間帯が比較的多くあり、5-4-1の3ラインが強固にブロックを形成し、概ねミドルゾーンまで相手を引き寄せておいてから、最終ラインの長身の3CBが体を張ってボールを掻き返す場面が多くあった。この3CBの守備の安定こそが高知の最大の特徴かと思われる。

そんな高知の要注意選手は、第8節では出場していなかった左WB16番だ。彼はこの2試合でも正確なクロスボールを上げ高知の得点源となっていた。また彼はスピード感が素晴らしく左サイドをドリブルで駆け上がられてしまうと、そう簡単に彼を止めることはできないのではないか。しかも、そこから正確なアーリクロスが入ってくるので、対応するDFは相当厳しいものになる。またリスタート時もかなり驚異となる。

もう一人の要注意選手がCHに位置することが多いボランチ6番の選手だ。この2試合でも高知の攻撃はほとんど彼から起点となることが多く、そのパスセンスはピボットとしては素晴らしい才能の持ち主だ。それと同時に守備能力もとても高く、ネガティブトランジションから彼の即時ボール奪取により、高知の危ない場面から幾度も救いそこからショートカウンターへと攻撃に転じていった。その他には、右WB28番、CF9番だろう。

そんな高知に対して奈良クラブはどう試合を進めていけば良いかを考えてみる。まず攻撃について。武蔵野戦のように試合開始序盤で高知がハイプレスを仕掛けてきた場合は…

高知のハイプレス時の狙うスペース

無理に高知のハイプレスに付き合おうと向かっていくのではなく、GKや両CBや両SBが、高知の高く上がった最終ラインの裏のスペースや、オーバラップした両WBの裏のスペース、前線と最終ラインの間のスペースを狙ってロングボールを素早く入れてプレス回避すると効果的ではないかと考える。例えゴールを奪えなくても繰り返して行うことで、高知の最終ラインを押し下げることになると思われるので、単純だがもっとも効率的な攻撃ではないかと考える。そうすれば、第7節の先制点のようなロングボールからのゴールが生まれると思われる。やはりこの試合でも先制点が重要になる。とはいっても、高知が守備に重心を置かれてしまうと、それはそれでとてもやっかいだ。高知の長身の3CBを始めとする強固なブロックを引かれてしまうと、守備意識の高まった高知から奈良クラブはそう簡単にゴールを奪うことはとても厳しくなる。そのような展開になった場合は、第8節のように今度は中盤でかなりボールを回すことができると思うので、高知の中盤の選手を動かしてスペースを作り出してそこから切り崩していくか、積極的に両SBが上がっていってサイドを起点にして、高知の最終ラインを押し広げ、その間へIHが強引に入り込み、CFや両WGの動き出しで空けたスペースを付いてシュートを打つなど、分厚い攻撃を繰り返しできるかが重要になってくるだろう。とはいっても、高知のカウンターへのリスク管理だけは十分に注意が必要だ。

守備については、高知の最終ラインやボランチ6番からカウンターの起点を作られないように、彼らをマークする前線の選手は縦切りのプレッシングを心掛けたい。そして、ネガティブトランジション時には奈良クラブのCHを中心に、いかにして早いタイミングで高知のカウンターの息の根を潰すかにかかってくるだろう。ここでも球際の強さとセカンドボールの回収率が重要になってくる。そして、特に大変なのが両SB。高知の両WB16番と28番を相手にする彼らの運動量は、おそらく相当な距離になってくると思われるので、交代枠を上手く駆使しながら真夏とはいえなんとか乗り切ってもらいたい。さらには、高知はこの2試合でCF9のポストプレーから、彼の収めたボールを起点にして攻め上がっていた。奈良クラブの両CBにはその競り合いにも負けないでもらいたい。それでも高知がカウンターを仕掛けられた時は、勇気を持って最終ラインを押し上げてオフサイドで対応していけたらと考える。自陣深くまで攻め込まれた時は、選手同士の距離感を保ちながら、しっかりと連動して相手にフリーのような状態でシュートを打たれないようにすることと、前節HondaFC戦で見せた最後まで諦めない粘りの守備が重要だ。

このように高知のカウンターを回避するのは容易なことではない。そのためには、繰り返すようだが第7節と同様に先制点が重要になってくる。前節のホンダロック戦のように高知から先制点を取られ、そこから泥沼にハマってしまうのだけは是が非でも避けなければいけない。先制点さえ取っていれば、これも第7節同様に終盤過ぎた辺りから奈良クラブは後方に重心を傾けながらクレバーに試合を進めることが可能になる。そこから逆に奈良クラブがカウンターを狙うチャンスも出てくるかもしれない。そうすれば複数得点も十分に可能な筈だ。やはり勝利の鍵となるのは先制点を取ることに間違いない。

先制点を取って狙え!複数得点!
そんな高知戦の得点予想は…

3-1で、奈良クラブの勝ち!!!
なんとしてでもロートフィールド奈良で初勝利を!!!
ロートフィールド奈良で初奈良クラップが見たい!!!!!
バモス!奈良クラブ!!!!!!!!!


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