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冷たい校舎の時は止まる#読書感想文その1

○さあ!!!

さっそく読書感想文、もとい紹介文を書いていこうと思います!

最初にご紹介するのは、

「辻村深月著・冷たい校舎の時は止まる」

辻村深月さんといえば名作の宝石箱のような方ですが、まずはデビュー作であるこの作品を紹介しない手はないでしょう!

上下巻に分かれているからといって、
文字数が多いからといって、
恐 れ る こ と は な い ! ! !

辻村深月さんを信じましょう! 

間違いなく楽しい世界に連れて行ってくれます。

○あらすじ

ある大雪の日、8人の高校生が無人の校舎に閉じ込められる。
ドアも開かず電話も通じず、時計は5時53分で止まったまま。
この怪奇現象には2ヶ月前に亡くなったクラスメイトが関係してるのではと思い当たるも、亡くなったその人の顔も名前もなぜかだれも思い出せない。

無くした記憶、8人が選ばれた理由をそれぞれの視点から解き明かす青春SF。



↑↑↑いや、もうすでに面白い。↑↑↑


冬場の学校に閉じ込められるだけでも面白いのに、そのうえ全員共通で記憶の一部が欠けているって。

不気味で不思議、なのにどこかワクワクする。
そんな予感がしませんか?

次に個人的なおすすめポイントあげていきます!

○注目ポイント3選

この本を読むとき、ぜひ注目してほしいポイントを上げていきます!今回は3つ!

①もう高校生、まだ高校生
なんかタイトルが今流行りのダンボール芸やる方っぽくなってしまいましたが、みなさん高校生って聞くとどんなイメージですか?

もう大人?それともまだ子供?
20代半ばという年になってわかるのです。
高校生のころってほんとにまだまだ子供でした。

高校生あるあるだと思うんですが、高校生が悩むことといえば受験と部活と恋愛です(決めつけ)。

これまた高校生あるあるですが、高校生は「親なんていなくても生きていける!自由にさせろよ!」と思っています(決めつけ)。

本作の8人の主人公たちはみんな高校3年生なんです。
体格もしっかりしてるし、人生のスキルも積んで精神的にも成長している。だいたいのことは1人で解決できると思っているけど、ふと難題にぶつかったとき、どこか脆い一面がある。

そんな儚さが、もどかしくもあり懐かしくもあり、また絶妙にリアル。
高校生が主役だからこその楽しさを感じられます。

②散りばめられたヒント
ストーリーの謎を解くためのヒントが随所に散りばめられているのですが、、これがまあ、、、、
おしゃれなんですよ!!

ヒントがおしゃれって、別に「ヒントになる物品がヴィトンのバッグだ」とかそうゆう大喜利的なやつじゃなく、登場の仕方がスマートなんです。

例えば、あらすじにも書いた5時53分で止まったままの時計
あきらかに何かがあったはずなんですよその時間に!じゃあなにが起こった?と聞かれたら、その記憶はなぜか全員統一で失われているんです。
ずっと頭の片隅にひっかかる謎の存在となるわけです。

初っ端に登場していたヒントが最後まで正体を明かさず、ついに表舞台にたったときに突如として物語の核心を握り始める感覚、たまりません!!

③辻村ワールドの8コマ目

"辻村深月ワールドすごろく" といえば、ファンの間では有名かと思います。

辻村深月さんの作品は実は世界観がリンクしているものがあり、刊行順とは別に「この順番で読むとより楽しめるよ」という順番が公式にあります。

それが辻村深月ワールドすごろく。そしてこの「冷たい校舎の時は止まる」はデビュー作にしてすごろくの8コマ目にあたります。(ちなみに新作が追加されたことで少し順番が変わってます。ぼくが最初にこの作品に出会ったときはたしか3コマ目でした)

ぼく個人としては、すごろくの順に読んでも読まなくても楽しめるとは思ってます。
なにせ辻村深月さんの作品で楽しめないってまずないですからね!(信者の一声)

ただまあ、ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。だけは不動のラストというかたしかに最後までとっといてほしいというか、、まあそこもおいおい!笑

つまりですね、そんなすごろくが公式に用意されているということは、このストーリーのキャラが別の作品でひょっこり出てくるかもしれないということなんですよ!

そんなときに、「あー、このキャラあの作品のときは将来○○になりたいって言ってたなー」とか、そんな小ネタを覚えていたら、、面白くないですか??

キャラの過去や将来をちょっと覗き見できるこのシステムが、辻村深月作品ヘビードクシャー(めっちゃ読んでる人のこと。今考えた。)を増やしているのではないかと思っています。

○総評!!

総評というか、今回のまとめ!
今回の作品の感想を一言で言うと、、、

時が止まるのは、冷たい校舎だけじゃない!

読んでるとき、現実でもまじで時が止まります。
次になにが起こる?そのあとは?と読んでくうちに、もう時間なんて気にならなくなるんです。

言ってみれば読者は、冷たい校舎に閉じ込められた9人目の生徒です。
物語はどんどん進むのです、そりゃあ時間なんか気にしてぼやぼやしてる暇なんてありません!

現実世界の時を感じさせないほど夢中になれる作品、それが冷たい校舎の時は止まるではないかと思います。
ぜひ読んでいただきたい作品です。

さて、長くなりましたが本日はここまで!
この記事を読んでくれた方々に、なにかしらいいことがありますように!

次回もここ、noteでお会いしましょう!
暦でした。

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