見出し画像

ポケモンのわざ「つるぎのまい」から、僕らが学べること

ゲームをプレイすると、現実によいフィードバックを得られます。

大抵のコンテンツは現実のデフォルメなので、何がデフォルメされているのかを現実とうまく照らし合わせられれば、楽しみながら学べます。特にゲームは、意思決定や体験を伴うコンテンツなので、学習効果が高いというウワサです。

たとえばポケモンは、子供でもプレイできるけれど、大人でも学びの材料が豊富に詰まったゲームだと思います。それこそ僕も、小学校進学以前からプレイしていて今でも遊んでいます。

一応おさらいしておくと、ポケモンはポケモントレーナーになって、捕まえたモンスターを育てて戦わせて競うゲームです。交互にわざを出し合って、相手のトレーナーの手持ちポケモンを全てたおした方が勝者になります。

相手ポケモンをたおすには、ヒットポイントを減らす必要があります。なのでもっともわかりやすく勝利に近づく方法は「攻撃わざをひたすらダメージを与える」です。実際、1人で遊ぶ時のシナリオモードをクリアーする分には、その方法で十分通用します。

しかしシナリオをクリアーした後のやり込み要素であるバトルタワーや、対人戦ではそれだけでは勝てなります。勝ち抜いていくには、補助わざ(直接ダメージを与えないわざ)とのコンビネーションが不可欠です。

中でもわかりやすく強いのが「つるぎのまい」。これを使用すると1ターン攻撃ができない代わりに、以降の攻撃わざの威力が上がります(一度使うと2倍、もう一度使うと3倍となっていく)。

画像2

(ポケットモンスター ソードでミヤザキが育てたミミッキュより)

小さかった頃の僕はひたすら攻撃わざで殴っていたのですが、今見ると「つるぎのまい」の使用は明らかに大きなアドバンテージを得られる行動です。最初の1ターンは不利ですが、戦いが以降3ターン以上続くのであれば、どんどんお釣りがきます。

ダメージ

もちろん、攻撃する前にたおされてしまったら意味ありませんし、他のポケモンと交代したら効果がなくなります。なので、「つるぎのまい」を使えば絶対に有利になれるというわけではありません。

しかし小さな僕は、なぜこの強さに気づけなかったのか。それは「攻撃力アップ」のアドバンテージを得られるまでにちょっと時間があるからじゃないでしょうか。

よく言われることですが人間の脳みそは、目先のアドバンテージを未来のアドバンテージよりも大きく評価する傾向にあります。ちびっ子トレーナーだった僕はこれにドハマりしていたということですね。とりあえず「はかいこうせん」などの攻撃わざを使った方が、直後の見た目のダメージは大きいです。しかもシナリオはレベル差で押し切れることも多いので気づきにくい。

そして、こういう非合理な行動を僕らは現実でもやってしまいがち。いま机の上を片付けた方が今後の作業効率が上がるのに放置したり、いまから勉強を始めた方が将来的に年収が上がる確率が高いのに、つい空き時間にゲームをやってしまったり(ゲーム作ってるのに言うのもなんですが…)。

現実での僕らは、ポケモントレーナー兼ポケモンです。使うわざを決めるのも、わざを使うのも自分。交代して強化がなくなることはありませんし、倒れたらどっちみちそこでおしまいです。人生は2ターン以内で終わることもない(可能性が高い)ですから、本当は早いとこ強化わざ使った方がいいに決まってるのです。

もちろん、どうしても目の前のジョブを早急に「はかいこうせん」で片付けないといけない時や、どうしても「ねむり」状態になりたい時はあります。

ですが、せっかく我々はポケモンがある時代に生まれたので、それを通して今後の自分を強化するわざの強さを体感し、人間の脳の傾向にうち勝って「つるぎのまい」を使えるようになれたらいいと思います。

ポケモンで相手に与えるダメージのように倍々ゲームとはいきませんが、1.01倍の強化でも、人生のターンが長く続けば驚くほどの効果を上げますから。

この記事が参加している募集

ナイスプレー!